【ファンファン北九州#18】映画監督 雑賀俊朗さん<後編>
西日本新聞社北九州本社が制作するラジオ番組「ファンファン北九州」。地元新聞社ならではのディープな情報&北九州の魅力を紹介しています。ラジオを聞き逃した人のために、放送された番組の内容を『北九州ノコト』で振り返ります。
東筑高校時代から温めてた構想
甲木:前回に引き続き、北九州市出身の映画監督 雑賀俊朗さんにお話を伺います。
雑賀:よろしくお願いします。
甲木:雑賀監督は、今年オール北九州ロケの映画「レッドシューズ」の撮影を開始されるということなんですが、実はこの映画の構想は、監督が東筑高校に通っていたころから温めていたものなんですよね?
雑賀:そうなんですよね。
梁:高校生のときに温めていた話を今!?
雑賀:高校時代はラグビー部だったんですけど、腰を痛めて練習できなくて…。休養中、小倉の映画館に行って「ロッキー」を観たんですね。すごく興奮して、気づいたら小倉から家がある下上津役まで歩いて帰ってたんですよ。
梁:距離が結構ありますよね!?
雑賀:友達と話しながら。朝5時までかかりましたけど。(笑)
梁:「ロッキー」を観た興奮を友達と話しながら。
雑賀:ちょうどその時に、工場地帯がライトアップされていて、その光景を見て「北九州かっこいいな!」って思って。そういう中で、北九州の街でボクサーが頑張る話が良いなって思っていたんです。ただ、その時は映画を作るって気持ちはまだ全くなかったです。
甲木:その時は、ただ「あったらいいなー。この街は似合うなー。」って思って、それが今ようやく実現する!
雑賀:そうなんですよ。
いつから映画の道に?企画の売り込みに走り回った20代
甲木:いつからから映画の道に入ろうと思われたんですか?こういう世界ってなかなか誰でも入れるもんじゃないですよね?
雑賀:そうですね。映画監督をいつ考えたのかっていうと、大学時代に映画サークルがあったんですが、合コンばっかりやっているので、自分たちでサークルを作って、イベントをやったりミニコミ紙や映画を作ったりしてました。
自主映画を2本くらい作って、その時に「やっぱり映画面白い!」と目覚めまして。ただ、大学卒業して就職試験のころは映画が斜陽で、東宝の試験を受けたら「今年は不動産部しか採用しない」って言われたんですよ。「映画会社なのに不動産部に行ってもなー」と思って、先輩の行ってる会社に1年就職したんです。
でも、「やっぱり違うぞ。映画の道に行きたい!」と思って、脱サラしてテレビの制作会社に入りました。ただし、給与も4分の1になるので、家族や友人に反対されて。そこからテレビの映画会社に入って、テレビ番組を作ってたりしてたんですけど、「やっぱり映画がやりたい!」という気持ちが強くて。
会社とは別に自分で映画の企画を作って、売り込みを映画プロデューサーにしてたんです。だけど、テレビでは少しずつキャリアを積んでも、なかなか簡単じゃなくて…。
監督デビューの時は、あるプロデューサーに岡嶋二人さん原作で閉じ込められた男女の話をやりたいって言ったら、「同じ原作者で『クリスマス・イヴ』っていうのがあるんだけど、これやるんだったらいいよ」って言われて。
甲木・梁:へぇー!
雑賀:「ん?」と思ったんですよ。なぜかというと、クリスマス・イヴに別荘でみんなでパーティーをするんですけど、殺人鬼が1人入って皆殺しにしていくというすごいホラーな作品なんですよ。(笑)
「チェスト!」気づいた自分のスタイル
雑賀:ホラーから入ってSF、アクション、そして「チェスト!」(2008年)で初めてヒューマンを撮ったら結構評判が良くて。「俺はやっぱりヒューマン系か」と思って、そこからヒューマン映画を続けて撮ってます。
甲木:夢を叶えて、お仕事されてるってすごく素敵ですよね。
雑賀:大変は大変なんですけどね。
甲木:「監督になって良かった!」って思う瞬間ってどんな時ですか?
雑賀:私、人が好きなんです。映画って大体100~200名が最終的に関わるんですね。その中で、70歳のベテランから20歳くらいの若い人までが一緒になってやるんで、大学時代のサークルみたいな感じで楽しくてしょうがないですね!それと、高校の同級生たちが「次はもうちょっとやらんかね!」って励ましてくれるんで、ますますやる気が出てきますね!
「レッドシューズ」の後は…エキストラ&企画募集します!
甲木:監督、「レッドシューズ」を撮った後、その先にあるもの、今後の夢って何ですか?
雑賀:たくさん構想はあるんですが、北九州3部作とかしたいなって思います。まだ決まってませんよ!(笑)決まってないので、やりたいなって思っています。ライフワーク的に。
甲木:そうですか。じゃあ「レッドシューズ」のその先?
雑賀:アイディア募集してます!
梁:じゃあ、僕3回出れますね!(笑)
雑賀:「これはすごいですよ!」「これを映画にしたら良い!」というものを募集しております。
梁:それは、「ファンファン北九州」題材になるんじゃないですか?これからもいろんな方がゲストに出てきますから。
甲木:ネタになるような人にたくさん出て頂いてますからね。
梁:本当、輝いている方ばかりですからね。
甲木:そうですね。楽しみですね!
雑賀:「レッドシューズ」のエキストラ募集と、北九州3部作で企画募集の2つを是非よろしくお願いします!
〇ゲスト:雑賀俊朗さん(映画監督)
〇出演:甲木正子(西日本新聞社北九州本社)、梁京燮(同)