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独自の美味しさを支える「こだわり」と「思い」/極東ファディ株式会社取締役・吉水請子さん

(アイキャッチ画像:農園「エル・ケツァール」)

西日本新聞社北九州本社が制作するラジオ番組「ファンファン北九州」。地元新聞社ならではのディープな情報&北九州の魅力を紹介しています。ラジオを聞き逃した人のために、放送された番組の内容を『北九州ノコト』で振り返ります。

もともとは食品とコーヒーの卸から

甲木:おはようございます。西日本新聞社 ナビゲーターの甲木正子です。

井上:同じく、西日本新聞社の井上圭司です。

甲木:井上さん、今日が初登場ですね。

井上:はい。これからどうぞよろしくお願いします。

甲木:それでは早速ゲストをお呼びしましょう。北九州市に本社があります、極東ファディ取締役・吉水請子さんです。よろしくお願いします。

吉水:よろしくお願いします。

井上:よろしくお願いします。

甲木:吉水さんは私のお友達なので、こうしてお互いにヘッドフォンをつけてかしこまって話しているのは変な感じですが、ファディと言えば、この番組のメンバーもみんな大好きなんです。もうひとりのナビゲーターの梁さんも、それから転勤してしまった横山さんも、みんな家族でよく行っています。それで、ファディさんはコーヒー豆を売っていて、私たち一般消費者が食品スーパーとして利用しているんですけど、業務用食材を卸す会社でもあるんですよね?

吉水:はい。そうなんです。ファディは1953年に、もともと食品とコーヒーの卸からスタートしたんです。

甲木:では、一般小売の方が後ですね。

吉水:そうです。ずっと後です。今、2代目が社長を務めていますが、彼が自社焙煎コーヒーと食品を一般のお客様向けに自営のスーパーマーケットで小売りをするようになり、それから30年経つのですが、これが私たちの中核事業に育ってきたというところです。

甲木:では、今の秋本社長になってこの一般小売が始まったのですね?

吉水:そうなんです。それまでは、レストランや喫茶店に、希望される食材をお届けすることをずっとやっていました。

甲木:なるほど。それがB to Cになって、30年なんですね?

吉水:そうなんです。

この20年でコーヒーを専門的に

甲木:秋本社長は、コーヒーに対する思い入れはやっぱりすごく強いですよね?

吉水:そうですね。以前は鮮度にこだわっていて、焙煎して2週間以内の新鮮なコーヒーはアロマの香りがすごくいいので、「一番いい状態で召し上がってください」とすすめていたんですが、それは多分、秋本がコーヒーを嫌いだったからだと思います。

甲木:え?コーヒーが嫌いだったんですか!?

吉水:そうなんです。先代はもともとコーヒーを焼いて喫茶店などに販売していたんですけど、今の社長の秋本はかつて営業に行ってコーヒーを出されても全然美味しいと思わず、でも自分のところのコーヒーだけはなぜか飲める、と思っていたそうで、それでその秘密は、「焼きたて」を飲んでいた、ということだったんです。

甲木:鮮度が良かったんですね?

吉水:そうです。だんだん古くなっていくとイガイガした味が出てきたりするし、香りもなくなってきたりするのですけど、やはり新しいものを新しいうちに飲むということが、実は美味しく飲む最大の秘訣ということで、これは間違いないですね。

甲木:確かに、間違いないですね。間違いないけど…(笑)、秋本社長がコーヒーを嫌いだったとはビックリです。だって、秋本コレクションとか、自分の名前を冠にしたコーヒーを出されていますよね?

吉水:はい。だからここ20年くらいの間に、ものすごく専門的になってきたんです。だから今は7割を直接海外から入れているんです。

海外の農園との信頼関係

甲木:その、海外の買い付けにも吉水さんも行かれたりするんですよね?

吉水:そうですね。買い付けといいますか、決まった契約農園から年間調達するみたいな形をとっていますので、ちょっと今はコロナで行けないんですけど、秋本を中心に毎年だれかが年に1回顔を出して、信頼関係を深めることを地道にやっています。農園とはどれだけ信頼関係を深めることができるかということがすごく重要で、「私たちのお客様はこういうコーヒーを求めているんです」と言って、先方は「なるほど。ではこれですか?」みたいなやりとりをしながら、信頼関係を深めていきます。

甲木:なるほど。

吉水:私はニカラグアのエル・ケツァールという農園が大好きで、本当にその農園が綺麗なんです。コーヒーの木にあまり直接日光が当たってはいけないので、日差しを遮るシェードツリーがあるのですが、これがとても綺麗に整然と植えられているのです。農園にはきれいな水が湧いていますし、働いている人たちの学校や食堂もあります。

甲木:学校は働いている人たちの子どもたちが行っているんですね?

吉水:そうです。

甲木:すごいですね。福利厚生の域を超えてますね。

吉水:本当に広大な農園ですからね。

次回は、吉水さんのこれまでについて

甲木:ここまでお話しを伺っていると、吉水さんは国内外の取引先を飛び回って、新しい企画を考えて、バリバリのキャリアウーマンのようで、実際にそうなんですけど、実は社会人デビューがすごく遅咲きというですね…。

吉水:なんか、初めて女性活躍推進のパネルディスカッションのパネラーのご依頼を受けたときに私に付けられた見出しが、「空白の12年からの大飛躍」とか言って、「私、別に飛躍してないけど、誰がこんなキャッチコピーを?」と思いました。

甲木:(笑)それが吉水さんのキャッチコピーだったんですね?その、空白の12年って何?とすごくリスナーの方は気になると思うのですけど、ここからの話はまた次回にしたいと思います。次回は遅咲きのデビューの吉水さんがどうやって今のキャリアを築かれたのか、などを掘り下げたいと思います。今回は極東ファディ取締役の吉水請子さんをお招きしてお送りしました。吉水さんありがとうございました。

吉水:ありがとうございました。

井上:ありがとうございました。

 

〇ゲスト:吉水請子さん(極東ファディ株式会社取締役)

〇出演:甲木正子(西日本新聞社北九州本社)、井上圭司(同)

(西日本新聞北九州本社)

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