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古民家を再生「工房と喫茶オッターゴ」オープン イタリアの“バール”のように人がつながる場所へ【北九州市戸畑区】

(アイキャッチ画像:「工房と喫茶オッターゴ」の外観)

JR戸畑駅から南北公共連絡通路(地下通路)を使って徒歩5分ほどの場所に今年8月、「工房と喫茶オッターゴ」がオープンしました。

ものづくりを楽しめる工房と、エスプレッソなどを味わえる喫茶スペースが併設するお店です。実際に訪れ、工房や喫茶スペースを見せていただきながら、店主の林さんにお話を伺いました。

40年以上使われていなかった古民家を再生

店主の林さんは以前、小倉の魚町で雑貨店を営んでいましたが、建物老朽化のため2024年の夏に立ち退きとなり閉店。その後、以前から興味があったモザイクの技法を学ぶためイタリアへ渡りました。

モザイクとは、小さな素材を組み合わせて絵や模様を表現する技法のこと。帰国後、工房を開くために物件を探していたところ、出会ったのが40年以上にわたり人が住んでいなかった古民家でした。

朽ちかけていた建物を前に、林さんが大切にしたいと考えたのは、まだ活用できるものを残すこと。昔からある梁(はり)や柱など、建物が持つ表情を生かしながら、一つひとつ手を加えて再生しました。

イタリアには、古い建物やものをただ保存するのではなく、歴史や美しさを大切にしながら、現代の暮らしに取り入れる文化があるといいます。そんなイタリアでの経験も、現在のお店づくりにつながっています。

元々は、喫茶を行う予定はなく、工房を開くために店舗を探していたという林さん。

改装前にも入り口にカウンターがあったことから、イタリアの街角にある「バール(コーヒーを中心とした飲食店)」のように、コーヒーを片手に人が交流できる場所にしたいと考えるようになったそうです。

工房と喫茶スペースの間にある小さな中庭には、古民家の面影が残っています。

工事中に見つかったという「守刀」や「営業中の看板」も見せていただき、建物が歩んできた歴史を感じました。

工房には、古民家から現在のお店へと生まれ変わるまでの写真も飾られており、改装の様子を見ることができます。

ものづくりを楽しめる工房

店内には、モザイク制作など、ものづくりに取り組める工房を併設しています。

工房では、作業スペースと棚をセットで提供。作家は道具を置いたり、制作したばかりの作品を棚に並べたりしながら、自分のペースでものづくりに取り組めます。

林さんは、工房を開くだけでなく、ワークショップの開催も準備中。コーヒーを飲みに訪れた人が作品を目にして興味を持ち、作家と会話を交わす──そんな交流が生まれることも、お店の目指す姿の一つです。

入り口付近には、複数の本屋がそれぞれおすすめする本を並べた「一棚主本屋」もあります。

以前の雑貨店時代に生まれた縁などから、現在は4人が本を販売しているそうです。作品や本との思いがけない出会いも楽しめます。

イタリアのバールをイメージした喫茶スペース

喫茶スペースでは、イタリアで主流のエスプレッソを提供しています。

林さん自身、もともとコーヒーが特別好きだったわけではありませんが、フィレンツェでホームステイをした際、現地の人にエスプレッソを使った飲み方を教わったことをきっかけに、コーヒーの魅力に気付いたといいます。

帰国時の飛行機で、行きと同じコーヒーを飲んだところ、以前よりも薄く感じるほど味覚が変わっていたというエピソードも。現地での暮らしが、今の喫茶スペースにつながっています。

イタリアのバールでは、立って飲む場合と、席に座って過ごす場合で、同じメニューでも料金が大きく異なることがあるそうです。

そんな現地の文化やホームステイの思い出を、林さんから聞くのも楽しみの一つ。イタリア語の話題になると、イタリアのラジオを流してくれるなど林さんと話していると穏やかで温かい気持ちになりました。

店内では、イタリア産のビールやワインも取り扱っています。

今後は、ホットチョコレートや紅茶にも挑戦したいと考えている林さん。喫茶スペースの楽しみ方も、少しずつ広がっていきそうです。

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