溝上酒造「天心 音~oto~」 世界的なパッケージデザイン賞で受賞
日本酒「天心」で知られる「溝上酒造」(北九州市八幡東区景勝町1-10)。コロナで深刻な打撃を受けたことから今までにない視点で同酒造が開発し、昨年発売された純米酒「天心 音~oto~」のパッケージデザインが、2021年10月1日(現地時間9月30日)に発表された「2021 Pentawards」において、Bronze Awardを獲得しました。
ロンドンのEasyfairs社が2007年から毎年実施している「Pentawards」は、世界的に優れたパッケージデザインを表彰するデザインコンペティションです。今年は世界60カ国から2000点以上の応募があったとのこと。「天心 音~oto~」は日本酒らしからぬパッケージデザインが評価されたといいます。
コロナに負けない 老舗酒造の挑戦で誕生した「天心 音~oto~」
江戸末期の1844年に創業した溝上酒造。蔵開きが中止になったり、飲食店の営業自粛に伴い、大幅に出荷量が低下したりと、コロナによる甚大な被害が出たため、創業以来の危機的な状況に陥ったそう。この状況を打破するため、飲みきりサイズの300ミリリットルでの新商品ブランドの立ち上げに挑戦し、誕生したのが「天心 音~oto~」です。
これまでも溝上酒造では300ミリリットルサイズの商品を販売してきたものの、競合他社との差別化に苦戦。そこで今回はブランディングの専門企業とタッグを組み、家飲みの状況でも「ちょっと特別な機会やご褒美的な状況で選ばれる日本酒とは?」という視点から商品を開発したと言います。
食に興味関心が高く、ライフスタイルに一定のこだわりをもち、SNSを頻繁に利用する概ね40代の「おとな世代」を販売ターゲットとし、その層が思わず手を取り、SNSにアップしたくなるようなストーリーがあり、これまでの日本酒では見たことがないようなラベルデザインを目指したそう。
ラベルのデザインコンセプトは「HAPPY」
そうやって誕生したラベルのデザインコンセプトは「HAPPY」。ラベルデザインでは、酒蔵が誇りとする皿倉山系からの清らかな湧き水を丁寧な仕事で酒へと昇華していく様が描かれています。
「日本酒消費量が減っていく中で何とかもっと蔵に目を向けてもらう機会が必要であり、もっと女性が手にとりやすい美味しい日本酒を目指して開発された商品です。日本酒らしからぬパッケージデザインに賛否はありましたが、今回こうやって大きな賞を受賞したことが、今後の新しい展開に繋がることを期待しています」とのこと。
溝上酒造についての詳細はホームページで見ることができます。
※2021年10月26日現在の情報です
(北九州ノコト編集部)