みんなが楽しく活動してくれると自分も楽しい/若松TERAKOYAプロジェクト主宰・楠稔幸さん
西日本新聞社北九州本社が制作するラジオ番組「ファンファン北九州」。地元新聞社ならではのディープな情報&北九州の魅力を紹介しています。ラジオを聞き逃した人のために、放送された番組の内容を『北九州ノコト』で振り返ります。
気軽に集まれる場所「縁側カフェ」をオープン 4年間で4000人が利用
甲木:梁さん、先週のアンケートのお話すごかったですよね。
梁:200件でしたっけ?
甲木:200件以上って仰ってましたよね。私たちでも取材の時、路上でアンケートでもなかなか。知らない人の家を訪問するって…。
梁:緊張しますよね。
甲木:緊張しますよ。すごいなと思って。
梁:何より、夢追塾のポテンシャルが高いですよね。すごい!
甲木:そうなんですよ。夢追塾にはいろんな人がいます。ということで、先週に引き続き、「若松TERAKOYAプロジェクト」という地域活動を主催する楠稔幸さんをゲストにお招きしお話を伺います。よろしくお願いします。
楠:よろしくお願いします。
甲木:先週は、活動を立ち上げるにあたって、住民アンケートを取られて、地域の課題を探ったというお話を伺いました。そこで、先週、楠さんが挙げてくださったいろんな課題がありましたが、どうやって解決しようと思われたんでしょうか?
楠:まず一つは、繋がりを心がける、気楽に集まれる場所が欲しい、いつでも立ち寄れる場所が欲しいという要望に応えて、二島西公園の年長者憩いの家を借りて、週3回(火・水・土曜日)「縁側カフェ」をオープンしております。活動を始めて、これまでの4年間で来場者が4000人。そのうち子どもが1000人。
甲木:すごいですね! 皆さん、よっぽど集まる場所が欲しかったんですね。
楠:人数的にはまだまだと思ってますけどね。
梁:来た人は、すごく喜んでるじゃないですか?
楠:そうですね。コーヒーは無料で飲めるし、お菓子も置いてるし。
甲木・梁:(笑い)
学びあいの場「わかまつ寺子屋くらぶ」を開催 健康寿命を伸ばす「若松いきいきクラブ」が活動を開始
楠:もう一つは、出会い・学び合う場所が欲しいということで、「わかまつ寺子屋くらぶ」という講座を10月から毎週水曜日に開いています。
甲木:それは何を学ぶんですか?
楠:夢追塾で学んだ地域活動をするために、アンケートを取り問題提起をしながら、人を巻き込んでの仲間づくりや、それを達成するためにどんな問題があるのかを洗い出し、一つ一つ潰して、キックオフイベントをするというのがカリキュラムの流れです。寺子屋講座の開始から4年目になりますが、地域のグループが活動を始めています。
甲木:それは、自主的なグループが?
楠:そうですね。一つの例としては、3年前に1年間(わかまつ寺子屋くらぶで)勉強して、その年から「若松いきいきクラブ」というクラブができました。これは、健康寿命を延ばすことを目指すクラブです。
甲木:寝たきりにならずに。
楠:ウォーキングをしたり、健康体操をしたり、若松の歴史を学んだり。若松は、グリーンパークやビオトープなどがありますので、そういうところをウォーキングしたり。
甲木:あ! この前、西日本新聞に載っていたあのイベントですね!
楠:そうです。
甲木:歩いて街の魅力を知る。
楠:「若松街なか史跡探訪ウォーキング」。この前、西日本新聞の方に取材に来ていただいて、40名の方が参加したんですよ。
梁:面白そうでしたね。
楠:まだまだ知らない、素晴らしい(若松の)昔を発見できたという意見がすごく多くて。
梁:自分が住んでいる街の魅力を発見すると、すごく良いですよね。
リーダーの素質、みんなに活躍の場を
甲木:先週も少しお聞きしましたが、一緒にされている仲間の中で、役割分担みたいなのはあるんですか?
楠:私一人では何もできませんので。みんなそれぞれ特技があるので、みんながそれぞれがやってくれます。
甲木:みんなに活躍の場があるみたいな?
楠:そうだと思って信じてるんですけど。(笑)
甲木:でも、それはリーダーの才覚ですよね。「自分がやります!」ではなくて、みんなに活躍の場を。
梁:しかも、楠さんが「お前やれ」って言うわけじゃないじゃないですもんね。
楠:そういう性格ではないです。(笑)
会社員時代の嫌な思いも経験も役に立っている みんなが楽しく活動してくれると自分も楽しい
甲木:今、こうやって若松TERAKOYAプロジェクトをやってる暮らしと、会社員時代を比べてどんな感じですか? 充実度や楽しさとか。
楠:基本的に今は自由なんですよね。会社員時代は、企画などを中心に仕事をしてきたので。今は、会計や事務処理、あとは黒子ですね。(笑)
甲木:あ! 今の活動で?(笑)
楠:会社時代は、同僚や組織の嫌な面がいっぱい目に付きますが、じゃあ自分はそれに対してどうなのか。その嫌な面を、逆の方向で考えてやっている感じですね。
甲木:嫌な思いをさせないで済むようにとか?
楠:そうですね。
甲木:ということは、会社員時代の経験が今の活動に役に立って?
楠:もちろんそうですね。
甲木:その企画力とか、そういうことも含めて?
楠:はい。
甲木:なるほどですね。そう言われると、これから定年退職して、地域でどうやって暮らそうかなと思っている人にも、何らかのヒントになるかもしれないですね。
楠:自分もそうですけど、人から見れば嫌な面ってあると思うんですよ。だから、できるだけそうじゃないように、みんなが楽しく活動できるようにと常に思っていて。「今、これをしてあげれば、あの人が喜ぶかもしれない」という感じですかね。ちょっと良すぎるかな?(笑)
梁:実際やってらっしゃいますからね。
甲木:楠さん、会社員時代と比べて、今の生活は楽しいですか?
楠:そうですね。まず、会社員時代と今と付き合う人が違うということ。皆さんも自由で、今日集まりたいのも、集まらないのも人それぞれで。だけど、集まったときの喜びというか、「元気やったかね」という感じが、素晴らしくて楽しいなと思います。
甲木:そうですね。会社は、出社義務があるので、みんな会社に行きますけど。(笑)
楠:いや、会社は会社で楽しかったですよ。(笑)
甲木:でも今は、さっきおっしゃったように、義務で付き合う人たちじゃないと。みんな集まりたくて集まっているから、そういう感じが嬉しいっていうことですね。
梁:かっこいいですよね。こんな年のとり方をしたいなって思いました。人を楽しくさせることで、自分も楽しいって。そんなふうに生きれたらみんな幸せですよね。
楠:是非、若松の二島西公園の「縁側カフェ」にお越しください。
〇ゲスト:楠稔幸さん(若松TERAKOYAプロジェクト 主宰)
〇出演:甲木正子(西日本新聞社北九州本社)、梁京燮(同)
(西日本新聞社北九州本社)