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自分らしさを受け入れてこそ強くなれる/MIKIHISAさん(社会人レスラー)

(アイキャッチ画像:社会人レスラーMIKIHISAさん)

2014年に門司赤煉瓦プレイスで輝く歯と共に華麗なるデビューを遂げたMIKIHISA選手。今回は一見レスラーには見えない彼の秘密に迫ります。

2003年に旗揚げし、北九州で活動を続けている社会人プロレス団体「がむしゃらプロレス」の選手インタビュー企画、早くも第4弾です!

興味本位で踏み出したはじまりの一歩

ーまず最初に、がむしゃらプロレスに出会ったきっかけ、そして選手として参加することになった経緯を教えてください

9年くらい前になると思うんですけど、当時がむしゃらプロレスが史上初小倉城でプロレス!みたいなイベントをやっていて、たまたまそこに居合わせたことがあって。元々自分も中学の頃からプロレスは好きでよく見ていたんです。なので最初は興味本位というか、ほぼ野次馬感覚というか、「社会人プロレス団体?どうせ大したことやってないんだろ?」ってだいぶ舐めてかかってたんですけど(笑)

でも実際に目の当たりにすると、「この人たちは本気でやっているんだな」ってのがヒシヒシと伝わってきて、すぐにその場で自分を恥じたんです。そして気がついたら、自分もそこに参加したい!っていう感情が芽生えてましたね。そのあとすぐに、がむしゃらプロレスに繋がりがあった知人に紹介してもらって、そのままの勢いで道場の門を叩くっていう、我ながら物凄い行動力だったなぁと(笑)

ー「自分も参加したい!プロレスをやってみたい!」という思いをすぐに実現できるってすごいですね。

今になって考えると、これも運命だったのかなぁって思いますね。本当にいろいろと良縁に恵まれていたし、まさにトントン拍子でした。

練習に参加するようになってからもどんどん話が進んでいって、いつのまにかデビュー戦まで決まってたし、しかも試合当日になっていきなり、当時がむしゃらプロレスの代表だった矢野さんから、「じゃあ今日からMIKIHISAね!」なんて言われちゃうしでもう、なにがなんやら(笑)

ーMIKIHISAって名前は本名ではないんですか!?

そうなんです。「東幹久に似てるから!」って理由だけで命名されてました。30年生きてきて、そんな事一度も言われたことなかったんですけどね(笑)

当時の入場アナウンスも矢野さんが張り切って「芸能人は歯が命!ミキーーーヒサーーーー!」って叫んでくれてました。今となってはこのネタ通じない世代もきっといますよね(笑)

ー「サキちゃん!」「ミキヒサくん!」ですよね!言われてみると確かに似てます!

通じて良かったです(笑) 矢野さんに名前決められた時に、「嫌だったら別の名前を考えるよ!」とも言われてたんです。けど、即答で断りました。「いや、これがいいです!最高です!」って。

一度聞いたら忘れられないくらいのインパクトがあるじゃないですか。少しでも似てるなら顔と名前が一致しやすいだろうし、レスラーたるものお客さんに覚えてもらってなんぼだと思うので、むしろこれはラッキーだなって。

考えるよりも先に強くなりたい一心で

ーいくらプロレスが好きだったとは言え、いきなり練習に参加することに恐怖心とかはなかったんですか?

社会人になってから趣味でキックボクシングをやっていたので、全くのゼロからスタートってわけではなかったんです。それでもキックボクシングとプロレスは動きが全然違うので、戸惑うことも多かったんですけど。

なんせ体型からまず違いますからね。自分は昔から痩せ型で、食べても食べても全く太らない体質なんです。これ、人からはよく羨ましいって言われるんですけど、自分にとってはコンプレックスでしかなくて。

なので恐怖心よりもコンプレックスに打ち勝ちたい!強くなりたい!っていう思いのほうが断然強かったですね。

 あ、でも違う意味での恐怖心で言うと、いつか会社にバレるんじゃないかっていうヒヤヒヤならありますよ(笑)

ーがむしゃらプロレスのことを会社の人に言ってないんですか?!

言ってないというか、わざわざ言わないだけというか、まぁ社長には絶対言えないんですけど(笑)

コロナ禍に入る前はメディアへの露出もすごかったし、そもそも試合のポスターだけでも何度かバレかけたんです。その度に「名前が違うだろ?」なんて言って誤魔化してきました。ここでもMIKIHISAって名前が役に立ってるんですよね(笑)

ーでもそれってこの記事を見られたらもう通用しませんよ!?

ああ、確かに!盲点でした!こうなったら覆面レスラーになるしかないですね(笑)

写真提供/寅次郎(Twitterアカウント@toratigerjiro)

まぁバレたらバレたときです。とにかく怪我をしないように細心の注意を払うのみです。そもそも「怪我をしない!」っていうのはがむしゃらプロレスとしても大前提であることなので、みんな気をつけてはいますけどね。

レスラーらしさよりも自分らしさを大事に

ーでは最後に、そんなMIKIHISA選手のこれからの夢、または目標を教えてください!

今年の7月に、ずっと目標だったJrチャンピオンのベルトを獲得したんですけど、これが一区切りになったとは言え、この状況に満足はしたくないんです。2連覇に向けての挑戦はもちろんのことで、出来ることは何でもやっていきたい!と日々思ってます。

さっきも言ったように自分は昔からコンプレックスの塊で、みんなが思うレスラーとは正反対な体型なわけで。でもそんなレスラーらしくない自分が活躍することで、いろんなコンプレックスに悩んでいる人たちに、無理して自分を変える必要はないんだよっていうメッセージを送れたらいいなと。

コンプレックスは個性になるんです。それは勇気になって自信につながるんです。ずっとコンプレックスに悩んできた自分の生き様が、誰かの支えになれるんなら最高じゃないですか。

あとこんな人生を歩くことができるきっかけをくれた、前代表の矢野さん、がむしゃらプロレスのみんな、応援してくれるファンの方々への感謝も忘れずにいたいですね。

コンプレックスを自信に変えていく芯の強さ

これまで何人かのがむしゃらプロレスの選手たちとお話をさせてもらってきた中で、筆者が今思うこと。それは、選手それぞれの中にしっかりと一本の芯が通っていて、だからこそこんなにも人々が魅了されていくのだろうなと。

今回取材をさせていただいたMIKIHISA選手も、とてもユーモアあふれる方で、終始笑いが絶えない中でのインタビューだったんですが、たまに垣間見れる真面目さや真剣さに、こちらもしっかり応えなくては!と、身の引き締まる思いでした。

何より皆さん、一見ふざけているようで、サラッと有言実行しちゃってるのがめちゃくちゃかっこいいです!

そんな漢気あふれる選手たちが勢揃いする「がむしゃらプロレスファン感謝デー」が、11月26日に門司赤煉瓦プレイスで開催されるとのこと。20周年のメモリアルイヤーを目前に、盛り上がること間違いなしですね!

試合やイベントに関しての最新情報は、「がむしゃらプロレス」公式Twitterで確認できます。

※2022年11月9日現在の情報です

(ライター・Kanae N.)

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