春を告げる縁起酒「立春朝搾り」販売店<銘酒館 酒の阿波屋>【北九州市門司区】
門司港インターチェンジから程近い、門司区清見にある酒屋「銘酒館 酒の阿波屋」。ここには、立春の時期にだけ販売される縁起酒「立春朝搾り」があると聞き、店主の阿波孝浩さんにお話しを伺いました。
縁起酒「立春朝搾り」とは
「立春朝搾り」とは2月4日立春の日の朝に搾った縁起酒で、日本名門酒会の登録商標です。今から26年前、平成10年に日本名門酒会(主宰:株式会社岡永)が全国の協力蔵元に呼び掛け、地元の加盟酒販店と協力して販売したのがはじまりとのこと。
今年は全国35都道府県43の蔵元で開催されているもののうち、同店は山口県岩国市にある蔵元「酒井酒造」の商品「五橋(ごきょう)」を取り扱っています。福岡県で唯一、五橋の「立春朝搾り」の販売を許可されているそうで、当日は早朝より蔵元に出向き、出荷作業などを手伝いながら、その日のうちに飲んでもらうため店舗に持ち帰るという手の込んだ作業をしているそうです。
無病息災、家内安全、商売繁盛を祈願した縁起酒
立春朝搾りは、蔵元の近隣の神社から神主を招いてお祓い等の儀式を行い、その後に蔵元・酒販店総出の出荷作業が行われます。
酒を造る人・届ける人・飲む人、立春朝搾りに関わるすべての人の無病息災、家内安全、商売繁盛を祈願した縁起酒でもある「立春朝搾り」は、その味も格別。阿波さん曰く、43の蔵元の中でも五橋の「立春朝搾り」は3本の指に入る美味しさなのだそう。
お酒には無知な筆者ですが、どんな味がするのか実際にいただいてみました。口に含むと鼻に抜けるフルーティーな香り、少しシュワっとする微炭酸の甘口なお酒で、今までの日本酒の概念が変わりました。
70年以上続く老舗の酒店「酒の阿波屋」
阿波屋は1948年創業。創業者の祖父、父から受け継ぎ阿波さんが3代目店主。70年以上続く老舗の酒店です。
老舗の歴史を守っていく上で大切していることを尋ねたところ、「たんたんと、好きなように思いつくままにやっているだけです」と、とても自然体の阿波さん。
店舗の一角には、角打ちバーコーナーが設けられていました。
このバーコーナーも、阿波さんの人柄から多くのお客さんに愛されている場所だと感じます。
また、酒屋店内にはレアな日本酒などもあります。
日本酒以外にもワインや焼酎など、様々な種類のお酒が販売されていました。
日本酒でつなぐ「縁」~これからの夢~
これからの夢を阿波さんに聞くと「現代は、昔のように多くの人が日本酒をがぶ飲みしたり、深酒したりすることは少なくなり、その反面日本酒のレベルや価値は上がってきていると感じています。若い世代の人達に、まずは“嗜む”ことから日本酒の世界に入ってきてもらいたい」と語ってくれました。
また、昨今韓国で日本酒がブームとなっているそうで、韓国からの観光客が日本酒を求めて来店することもあるそう。日本酒を通じて韓国の友人もできたそうで「今後は実際に韓国に行って、日本酒を通じて交流を深めたい!」と考えているのだとか。
観光客の多い港町・門司港ならではの酒で繋がる「縁」を感じ、次回は角打ち体験もしてみたいと思う筆者でした。
店舗の最新情報は銘酒館 酒の阿波屋のInstagramで確認できます。
■所在地/北九州市門司区清見2丁目16-27
■営業時間/11:00-22:00(バー営業は17:00から)
■定休日/火、水曜日
■駐車場/あり
※2024年2月28日現在の情報です
(ライター・kohalu.7)