
北九州芸術劇場で開催「かがやけ!えがおの輪ワンコインコンサート」の練習から本番を追ってみた ”心のバリアフリー”を目指す活動とは?
(アイキャッチ画像:ワンコインコンサート当日の様子)
北九州芸術劇場大ホールで8月8日、「第22回 かがやけ!えがおの輪ワンコインコンサート」が開催されました。障がいの有無や年齢にかかわらず多くの演者が参加し、合唱やダンス、寸劇などを披露するイベントです。
開催日から遡ること約1か月前の7月中旬、北九州市民球場の近くにある、北九州市障害者スポーツセンター「アレアス」(小倉北区三郎丸)の一室でコンサートに向けた練習があると聞いて訪ねてみました。

音楽を用いて地域の高齢者・障がい者を支援
今回訪れたのは、百瀬ミュージックボランティアグループ(NPO法人百瀬ミュージック)の活動です。
同グループの設立は1982年。音楽を通じたリハビリ活動を主とし、6人のメンバーで特別養護老人ホームの訪問から始め、その後病院やデイサービスセンター、知的障害活動センターや身体障害者施設など活動の場を広げてきました。
具体的な活動について、ホームページには「対象者の思い出の曲、心に残っている曲をリクエストしてもらい生演奏する」「一緒に歌う、大きい声を出す」「リズム打ちなどで体のリズムをとりもどす」といった内容が記載されています。
活動の様子(百瀬ミュージックボランティアグループのHPより)こうした活動が評価され、これまでに北九州市や小倉北区社会福祉協議会から表彰を受けているほか、NHKや朝日新聞など大手メディアにも取り上げられてきました。
これまでに39回開催されている「ハートフルコンサート」や、今年度が第22回となる「ワンコインコンサート」といったイベントも主催しています。
緑と白のユニフォーム 約40人のメンバーで歌や踊りを練習
ワンコインコンサートに向けてメンバーが練習しているということで、7月中旬の土曜日の午後、北九州市障害者スポーツセンター「アレアス」の練習室を訪ねてみました。

2階の多目的室に入ると、ガラス張りの大きな部屋に緑と白のスポーティな身なりのメンバーが集い、歌や踊りの練習をしています。曲目は『シーズン・イン・ザ・サン』、『アンダー・ザ・シー』、『We Are Confidence Man』などでした。
参加メンバーは、日頃、高齢者施設や障がい者施設への訪問を行っているメンバーのほか、障がいを持つ人とその家族を合わせ40人ほど。各々がリズムに合わせ、体を大きく使って飛び跳ねるように歌い踊る様子を見せてくれました。

別の土曜日に、小倉南区徳力にある施設で練習を行うというので、そちらも訪ねてみました。
こちらは古民家風の大広間で、歌やダンス、寸劇や楽器の演奏を真剣な表情で練習し見守るメンバーの様子が印象に残りました。

北九州芸術劇場大ホールでコンサート開催
そして迎えた8月8日、「第22回 かがやけ!えがおの輪ワンコインコンサート」の開催日がやってきました。「令和8年8月8日」という縁起の良い日にちです。
場所はJ:COM北九州芸術劇場大ホール。コンサート開始は13時からですが、会場では12時からバザーも実施されました。

「ワンコイン」とあるように入場料は500円(小学生以下は無料)で、会場には2階席までたくさんの観衆がつめかけました。
合唱や朗読、舞踊、演奏と多様なコンサート
司会進行は手話通訳付きです。
主催者による挨拶の後、女声コーラス「フレンドコール」による合唱、「美美っど」による日本の神話の朗読、聖幻会による扇子を用いた舞踊、モンゴル出身のマンダルワによる馬頭琴の演奏が続きます。
そしてチケット番号による「お楽しみ抽選会」を挟んで、「皆で歌いましょう」のコーナーで百瀬ミュージックボランティアグループの登場です。

手話を振り付けとした『ともだちになるために』や、映画『となりのトトロ』主題歌の『さんぽ』など、様々なバリエーションのテンポに合わせて歌い踊り、帽子や着ぐるみ、看板といった小道具も活用した生き生きとした舞台となりました。

その後、北九州文化大使であるシンガーソングライターの富永裕輔さんの歌唱、藤永翠珠さんの民謡が続き、フィナーレでは出場者全員が舞台に登場し『幸せなら手をたたこう』を合唱して終幕となりました。
音楽で人をつなぐ──次の世代にバトンを
百瀬ミュージックボランティアグループ代表である百瀬由の(ももせ・ゆの)さんは、残念ながら今回のコンサートには病気で参加が叶いませんでしたが、今後の活動についてメッセージを寄せてくれました。
「これまで大切にしてきた『音楽で笑顔を届ける活動』を、これからも無理なく長く続けていきます。 高齢者や障がいのある方、子どもたち、地域の皆さん、そして外国の方々とも、音楽を通して交流の輪を広げていきたいと思います。そして、若い世代にも活動を受け継いでもらい、『音楽で人と人をつなぐ百瀬グループ』として、次の世代へバトンをつないでいくことが夢です。これからも、みんなが笑顔になれる音楽の場を、地域から未来へ広げていきます。北九州には、まだまだたくさんの素敵な人や場所、そして笑顔があります。 私たち百瀬グループも、仲間を大切にし音楽を通して人と人をつなぎ、地域に笑顔を届けていきたいと思っています」
「心のバリアフリー」を目指す
百瀬ミュージックボランティアグループではワンコインコンサートだけでなく、年に2回のハートフルコンサートや音楽交流会も開催しています。
また、音楽ボランティアに参加できる会員の募集も行っています。

音楽やダンスを用いて障がい者、高齢者の方たちと一緒に「心のバリアフリー」を目指す──そんなグループの活動に参加してみたい方に良い機会ではないでしょうか。
<百瀬ミュージックボランティアグループ・NPO法人百瀬ミュージック>
■所在地/北九州市小倉南区葉山町2-2-7
■電話番号/093-962-7977
※2026年8月24日現在の情報です
