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「生理」についてよりオープンに!北九州市立大学の学生が取り組む『生理の貧困解消』【北九州市】

(アイキャッチ画像:「生理の貧困プロジェクト」メンバーの皆さん)

「生理の貧困」という言葉を知っていますか?

「生理の貧困(Period Poverty)」とは、経済的に生理用品を買うことができなかったり、利用できなかったりする環境にいることを指します。

今回は、北九州市立大学でさまざまな地域活動を行っている「421Lab.(ヨン・ニー・イチ・ラボ)」のプロジェクトの一つである「生理の貧困プロジェクト」のメンバーの皆さんにお話を伺いました。

まずは生理を知るきっかけに

ープロジェクトではどんな活動をしていますか?

学生A:私たちは、生理に関してマイナス・ネガティブな印象を持つ人が多い中で、イベントなどを通してよりオープンに話せるきっかけを作り、生理に関する正しい情報を伝えることを目的としています。元々は本学の教員が行っていたプロジェクトで、2022年の4月から「421Lab.」のプロジェクトとして発足したんです。2022年に6月23日を「生理の日」と制定し、まずはプロジェクトについて知ってもらうきっかけ作りとし、QRコードなどを利用してアンケート調査を実施するなどの活動を行いました。

達成すべき成果として、「目的でもある『正しい情報を伝える』こと」「生理用品をいつでも無料で提供できる環境をつくること」「SDGsの5番にも制定されている『ジェンダー平等』に繋げられる活動」を掲げています。

ー生理についての正しい知識はどうやって身につけていますか?

学生B:YouTubeですね。助産師や産婦人科の人が発信しているものがあります。文面よりも動画の方が分かりやすいので。芸能人でも医師監修のもと発信している人もいます。

ー専門家の人が発信したり監修したりしている情報だと安心ですね。

正直、人と話しづらい?

ー皆さんは正直生理のことを人と話しづらいですか?

学生C:ゼミの人とだったら話しやすいです。ゼミ以外だと話しづらいかな。

学生B:私は全くないんだよね。みんなにびっくりされる(笑)

学生A:私も。女子校出身だからかな。

学生D:「421Lab.」の人に「今日は生理痛が…」と相談すると理解してくれるけど、そうじゃない人に話すと同性ですら理解があるとは思えない反応が返ってくる時もある。そういう時は壁を感じますね。

ー男性も気を使い過ぎてタブー視している感じがありますよね。もっと生理について話せるように、男女ともに気軽に捉えてほしいですか?

学生A:はい。あまり身構えずに、一つの話題として話してほしいです。

学生B:学校教育の壁もありますね。生理の話になると男女で分かれて話されることがタブー視に繋がっているのかも。

こんなところでもらえる!

ー生理用品に困っている人はどういった人がいるんでしょうか?

学生A:生理用品が高くて購入できず、生理用品を使わずに過ごしている人がいるんです。使った方が衛生的にも良いので、そういう方に生理用品を提供していきたいです。

ーセントシティ(小倉北区)に無料で生理用品がもらえる「OiTr」がありますよね。

学生A:そうなんです。あれを本学にもつけたいんですが…。

担当教員:福岡女学院などの教育機関にも増えてきているんですよ。けれど、設置のために壁に穴を開けるなどハードルがいくつかあり、簡単ではないですね。

ーそうなんですね。保健室で生理用品が入手できるそうですが、少し行きづらい感じはありますよね。

学生B:私は大学4年生になってから知りました。

ーもっとそういうことも伝えてほしいですよね。

実は、経済的に入手困難な人が身近に

ー最後に伝えたいことはありますか?

学生D:昨年の冬に教員が生理用品の配布を行っていた時のポスターを見かけ、そこに書いてあった言葉がすごく印象的でした。恐らく生理用品を受け取った人から「このおかげで大学に行くのを諦めずに済みました」と。こういう活動がないと生理が原因で大学に行くことを諦める人が少なくともこの大学にいることを感じて、それ以来「生理の貧困」を身近に感じるようになりました。

担当教員:補足すると、本学の学生を対象にアンケートを実施したところ約300人が回答してくれました。そのうち約3割が「これまでに経済的な理由で生理用品の購入をためらったことがある」に「はい」と回答したんです。

ー3割もいるなんて驚きです。結構多いですね。

担当教員:そうなんですよ。この結果から遠い国のことではなく、北九大という身近な環境にも困っている人がいることが明らかになりました。

ーこの記事を読んで「生理」についてより身近に感じてもらえると嬉しいですよね。

12月24日まで北九州市立大学 北方キャンパスで学生向けに生理用品を無料配布

「生理の貧困プロジェクト」では、12月15日〜12月24日まで北九州市立大学 北方キャンパスにて、学生向けに生理用品の無料配布を行なっています。詳細は「生理の貧困プロジェクト」公式Twitterで確認できます。

■「生理の貧困プロジェクト」公式Twitter:https://twitter.com/pp_ukk
■「421Lab.」公式HP:https://www.kitakyu-u.ac.jp/421/

※2022年12月23日現在の情報です

(ライター・abc.hikari)

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