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【北九州・響ホール】家族で楽しむ!「まるっとEnjoy! 響ホールで夏休み」開催レポート
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(アイキャッチ画像は「「まるっとEnjoy 響ホールで夏休み」開催の様子))

北九州市・響ホールで8月10日、「まるっとEnjoy! 響ホールで夏休み おんがくは まほう>」が開催されました。

絵本の朗読とクラシック音楽の名曲演奏のコラボレーション、子どもたちの成果発表、弦楽器体験や原画展など、来場者が楽しめるプログラムが揃いました。

小さな子どもから大人まで幅広い世代が集い、演奏者と来場者が響ホールでの音楽の時間を共有するひとときとなりました。

音楽と物語が響き合う華やかな音楽会

当日は、北九州市出身で元NHK交響楽団特別コンサートマスターの篠崎史紀さんによる軽快な進行で幕を開けた第一部。

ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、フルート、クラリネット、ホルン奏者総勢9人で、今年生誕200年を迎えるヨハン・シュトラウスの「アンネン・ポルカ」の演奏でスタート。ホールいっぱいに明るく弾むリズムが響きました。

朗読と音楽が織りなす“ライブ絵本”

続いて、ソプラノ歌手の大西ゆかさんによる朗読と音楽のコラボレーション。絵本『おんがくはまほう(文:篠崎史紀/絵:村尾亘)』の朗読とともにウィーン情緒あふれるワルツやポルカが演奏されました。

物語の主人公は、街に引っ越してきたばかりの猫のマロ。まだ友達もなく、さみしさを感じながら大好きなヴァイオリンを弾いていると、一羽の小鳥がやってきます。

マロが魔法の呪文を唱えると、自分の毛がシャボン玉のように舞い上がり、フルートに姿を変えました。小鳥がそのフルートを吹く場面では、ヴァイオリンとフルートによる軽やかな二重奏が響き渡り、会場の子どもたちは目を輝かせて耳を傾けました。

その後も物語は展開し、隣家の犬やアヒル、ウサギ、森のフクロウ、さらには鹿や猪まで登場。それぞれがヴィオラやチェロ、クラリネット、ホルン、コントラバスといった楽器を演奏し、仲間に加わっていきます。

ステージ上の演奏もその場面に合わせて楽器が一つずつ加わり、音楽が次第に厚みを増していく演出はまさに“ライブ絵本”。

音楽でつながる瞬間

やがて森に動物たちが集まり、オーケストラが結成されました。

仲間の増えていく過程に合わせて奏でられたのはヨハン・シュトラウスの名曲で「皇帝円舞曲」、「南国のバラ」、ポルカ「雷鳴と電光」。動物たちが踊るように演奏する描写と、軽やかなリズムが重なり、客席からも自然と手拍子が広がりました。

そして絵本のクライマックスでは熊やワニ、虎までもが現れ、手作りの太鼓やシンバルを持ち込みます。

最初は驚いたマロたちも、一緒に演奏するうちに音が調和し、姿も言葉も違う仲間たちが「音楽でつながる瞬間」が訪れます。

朗読の最後に語られた「音楽は魔法」という言葉に、子どもも大人も深くうなずき、大きな拍手が響きました。

そして、「美しく青きドナウ」が演奏されました。

未来の音楽家たち!3人の成果発表

またこの日は、前日に行われた篠崎さんの「ヴァイオリンが上手くなるひみつ」の生徒役の子どもたちの中から、3人が舞台に登場し、練習の成果を披露しました。

はじめに、木下偉央利さん(幼稚園年中児)が「ゴセック:ガヴォット」を演奏。小さな手で弓を動かす姿に、子どもたちは身を乗り出し、大人たちが見守ります。演奏後は、会場全体から大きな拍手。音楽に向かう純粋な気持ちが伝わりました。

続いて、菊地結大さん(小学3年生)は「ベリオ:ヴァイオリン協奏曲 第9番 第1楽章」を堂々とした姿勢で、力強い旋律を弾きこなします。その様子に観客から驚きと感嘆の声が上がりました。

最後に、濱田理誉さん(中学3年生)が「パガニーニ:24のカプリースより第11番ハ長調」を演奏しました。繊細で丁寧な旋律が響き、聴衆を魅了。篠崎さんも「将来が楽しみ」と目を細めていました。

3人の成果発表は、音楽に向き合う真摯な姿が会場に伝わり、会場は温かな拍手と笑顔が溢れていました。

ホワイエでの弦楽器体験と原画展

響ホールのホワイエでは、音楽を“聴くだけ”でなく“体験できる”企画も開催。楽器の先生のもと、ヴァイオリンやチェロを実際に手に取って弾くことができる「弦楽器体験」が実施されました。

弦楽器体験では「チェロを足で挟むような姿勢で座ってみて」「弓を持つときの指はこのように」と楽器に触れる子どもたちに楽器の先生から身振り手振りを交えて声がかかります。

そして、初めて音を出せた瞬間に子どもたちの表情が一気に輝きました。

さらに、朗読で登場した絵本『おんがくはまほう』の原画展も同時開催。村尾亘さんが描いた鮮やかな原画が並び、観客は物語の世界にさらに深く浸ることができました。

響ホールで広がる音楽の魔法

今回の音楽会のフィナーレはヨハン・シュトラウスの「ラデツキー行進曲」。会場中が手拍子を合わせ、ホールは一体感に包まれました。

「音楽は魔法」という絵本の言葉どおり、言葉が違う仲間を音楽でつなぐ力を体感できた一日。夏休みの家族の思い出として、忘れられない時間となりました。

「まるっとEnjoy! 響ホールで夏休み」は北九州の文化イベントとして、この夏も大盛況のうちに幕を閉じました。

響ホールの詳細は「北九州市立 響ホール」公式サイトより確認できます。

(提供:北九州市立 響ホール

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