“東洋一のつり橋”と言われた北九州市のシンボル「若戸大橋」今年開通60周年
北九州市若松区と戸畑区をつなぎ、今年で開通60周年を迎える若戸大橋。今回はその歴史を振り返ります。
今年で開通60周年 欠かせない交通手段
若戸大橋は1962(昭和37)年9月に完成し、今年で開通から60周年を迎えます。
橋が完成するまでの若松区と戸畑区の交通手段といえば「若戸渡船」のみ。
1930(昭和5)年に若戸渡船での大事故が発生したことをきっかけに、「連絡手段を作ってほしい」という要望が高まりました。その後戦争で計画が中止することがあったものの、車の普及や住民からの要望の高まりもあり1958(昭和33)年に事業を着手することとなりました。
今では若戸大橋は若松区と戸畑区をつなぐ欠かせない交通手段の一つとなっています。
長大吊橋の技術的原点へ
建設するにあたって、「わが国初の大きなつり橋を作る」という人々の決意と、自然災害での被害を防ぐ工夫が重要とされ、2年半にわたって調査研究が行われました。
建設当時、「東洋一のつり橋」と言われた若戸大橋は土木技術者に大きな自信と勇気を与えたそうです。
のちに建設された関門橋や本州四国連絡橋、レインボーブリッジ、明石海峡大橋などの建設のお手本となっており、国内の長大吊橋の技術的原点と言えます。
国内で名が広まり、一層盛り上がりを見せる
今年2月にはその歴史的・技術史的観点から重要視され国重要文化財に指定されました。それを記念して、10月には「若戸大橋ウォーキング」の開催が予定されています。このイベントでは地元応募枠と一般応募枠からの計8000人が戸畑区から若松区へと若戸大橋をウォーキングする機会となっています。
2018(平成30)年の第1回日本新三大夜景では北九州市が認定。同年には夜に若戸大橋がライトアップされるようになり、より一層赤く染まった様子はインパクトがあります。
北九州市のシンボルの一つである「若戸大橋」、近くに寄った際はぜひ間近でその迫力を体験してみてください。
♦︎参考♦︎
・若戸大橋のこれまでのあゆみ|北九州市
・若戸大橋の年表「構造から着工、開通そして現在」|北九州市
・日本新三大夜景
※2022年8月29日現在の情報です
(ライター・abc.hikari)