「居酒屋コンペイトウ」岩手県出身の大将が一目惚れした『旦過』で勝負を決意【北九州市小倉北区】

(アイキャッチ画像:お刺身盛り合わせ)

北九州モノレール「旦過駅」より徒歩3分、小倉北区魚町にあります「居酒屋コンペイトウ」は、2019(令和元)年8月17日に旦過に生誕。

市場で出会った魚介類を敢えて仕入れとは言わず、その日その日の厳選ネタを大将自身の目利きで『スカウト』してきた自信あるネタを日々提供し続けています。

お店に詰まっている たくさんのこだわり

大将は岩手三陸で海の幸に囲まれて育ち、東京・中目黒で下積みを重ねながら『独立するなら妻の出身地である小倉で』と何度も小倉に通い詰め、小倉昭和館近隣の昭和風情とついに出会い、一瞬で一目惚れ。その想いは「ここで勝負したい!」と奮起させ、この地旦過で大好きになった昭和風情と小倉文化を掛け合わせたお店作りがスタートしたのだそうです。

小倉文化の一つである屋台をこの街にしっかり残していきたいとの店主の想いは「台風でも飲める屋台を!」をコンセプトに、「店舗内に屋台を置けばいいんだ!」という大胆な発想から見事に実現。大将らしいすごくユニークなアイデアだと思いました。

親しみやすい店名「コンペイトウ」は、昭和を代表するお菓子であり、キャッチーなフレーズであるということ、またお菓子のコンペイトウはカラフルでいろいろな色が集まっているので、それと同じようにいろいろな色(個性)のお客さんが集えるお店にしたいとの想いでこの屋号に決めたそうです。

店舗に貼られている昭和を代表するイラストを見ても店名を聞いても昭和好きということが伺えます。

大将のおすすめは魚介類 日々新たな出会いを

肝心なメニューですが、まず外せないのはその日の朝『スカウト』してきたお刺身の盛り合わせ。

訪問日は写真左からカマトロ、活き鯖、八角、赤貝、鯨さえずり、関門蛸、石鯛。

スカウトによってネタは日々変わり、新鮮で珍しいお魚も時折お目見えする中、この日は八角と言う北海道でも希少とされるヒラメのエンガワを味濃くしたような甘さと歯応えのあるお魚に出会えて感激でした。

大将は筆者に対し、「九州はワタリガニ美味いですよねぇー」と言いながら配膳。たっぷりのほぐし身をカニ酢につければカニの王者とも思えるくらいの旨味があります。

富山県産の白エビは甘く香ばしくエビの魅力が凝縮して詰まっています。まさに『大人のかっぱえびせん』です。

旦過の火災で避難を余儀なくされましたが、お店に取り残された継ぎ足しのモツ煮のタレ、煮魚の煮汁だけは守りたいとギリギリで救出保存できました。そのタレを使った奇跡のモツ煮は甘辛いタレにゴマの香ばしさが加わり、お酒のアテになくてらならない存在。タレにまつわるエピソードを聞くと一層深みを感じます。

コンペイトウは魚介だけじゃないんです。お店名物のザクザクチキンは衣が本当にザクザクなんです。心地よい歯触りから直ぐにジュワっと感じる肉汁がすごく魅力的です。

美味しいものへのこだわりを持って進化し続ける

大将は言います。旦過の火災でお店から2メートル先まで炎が来ているのを見た時、終わりを覚悟したと。ですが、コンペイトウど根性魂が炎をギリギリで寄せ付けず、たくさんの人の応援のおかげで奇跡の生還を果たせたそうです。

今後はその恩返しとして、地場にこだわらず新鮮で珍しい食材をどんどんコンペイトウ流にアレンジして提供し、お客さんに喜んでもらいたいと熱く話してくれました。

昭和を知らない若い世代から年配の人々まで非常に認知度の高い居酒屋ではありますが、まだまだ知らないという人も多いはず。その人たちに本記事が届き、実際のお店に足を運んで見て感じてもらえれば、多くの人が集う良さがきっとわかっていただけるに違いないと思っています。

■住所/北九州市小倉北区魚町4-3-16
■営業時間/17:00〜22:00
■店休日/月曜 ※その他の休みはInstagramのハイライトで確認
■駐車場/なし ※近隣にコインパーキングあり

※2023年5月4日現在の情報です

(ライター・ふくちゃん)

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