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「遠見ヶ鼻」夕日の絶景スポット 幻想的な芦屋層群の地層も楽しめる【北九州市若松区】

(アイキャッチ画像:遠見ヶ鼻)

北九州市若松区の北海岸にある絶景スポット「遠見ヶ鼻」(とおみがはな)。

広大な青い海にぽつんと建つ真っ白な「妙見埼灯台」や刻一刻と色合いが変化する海、沖の島々、そして長年の浸食で芸術的な模様となった岩肌など、雄大な自然が感じられる場所です。

神様が心奪われたという夕日の絶景スポット

青い空と青い海がどこまでも続く昼の景色も素晴らしいのですが、夕景の景色が絶景であるという評判があります。

その「遠見ヶ鼻」の夕日の美しさから、近くにある「御嵜(みさき)神社」の神様が目を奪われたという逸話も残っています。

御嵜神社は、かつて現在の灯台の場所にあって、海に向かって建っていました。神社に住んでいる神様夫婦のうち男の神様が、日本一美しい遠見ヶ鼻の夕日に心を奪われてしまい、それに嫉妬した女の神様の八つ当たりで沖は遭難事故が続いたそう。そこで村人たちは、夕日が見えないように、社を現在の位置に移し、陸に向けて建立しました。このことによって、神様夫婦は元どおり仲良くなり、縁結び・夫婦円満の願いをかなえてくれるようになったと言われています。

そんな言い伝えが残されているほど、夕日が沈む時間帯の遠見ヶ鼻は特段、幻想的なものです。

日本列島が大陸から離れた証拠となる地層が見られる「芦屋層群」

また、岩屋・遠見ヶ鼻周辺には、「芦屋層群(あしやそうぐん)」と呼ばれる地層が広く分布し、海岸線の美しい景観を作り出しています。この地域の地層は、今からおよそ2500~3200万年前に日本列島が大陸から離れて形成されていった根拠になるもので、それ以前の化石が陸上のものであることに対して、貝やエビ、カニの仲間の甲殻類など海の生物に変わっていることに大きな特徴があります。

また、灯台下の露頭では、特徴的なオレンジ色を呈し、斜交した起伏のある堆積物を見ることが出来ます。これらはストーム堆積物と呼ばれ、暴風時の波浪の影響下でつくられたと考えられており、穏やかな沿岸環境に暴風を伴う嵐が到来した際に発生した海底面の状態をそのまま見ることが出来ます。

岩屋・遠見ヶ鼻の「芦屋層群」は、化石とストーム堆積物から、当時の生態系や地球環境の変化を観察できる貴重な場所としても価値が高く、県の天然記念物にも指定されています。

■住所/北九州市若松区有毛2829

※2023年9月22日現在の情報です

(北九州ノコト編集部)

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