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老舗和菓子店「柳月堂」の店主に話を聞いてみた 130年の歴史を紡ぐ銘菓と貴重な鉄道グッズ【北九州市門司区】

(アイキャッチ画像:「柳月堂」外観)

鉄道グッズだらけのお店ができるまで

そんな「柳月堂」で40年近く店主を務める石井さん。実は元々、菓子屋を営むつもりがなかったのだそう。しかし、ご兄弟が北九州を出たことで、やむなくお店を継いだのが、石井さんの店主人生の始まりでした。

一方、「鉄道ファンになったのは物心ついた時から」と語る石井さん。家の前に路面電車が行き交う環境で育ち、駅も近い。身近には常にSL(蒸気機関車)があり、汽笛の音と生活していた石井さんにとって、鉄道に興味関心が向くのはごく普通のことだったようです。

鉄道関連のコレクションを始めたのも子どもの頃からで、周りがヒーローのおもちゃに夢中になっている中、鉄道愛を深めていったのだそう。

時が経ち、大人になっても鉄道愛が冷めることのなかった石井さんは、国鉄(現在のJR)が鉄道部品の不用品を払い下げる即売会によく赴いていたのだそう。可能な範囲で鉄道グッズを購入し、コレクションを楽しんでいたようです。


鉄道グッズを現在のように大量に収拾し始めたのは、ある即売会での出来事がきっかけでした。いつものように参加した即売会で、地元になじみの無いコレクターさんが貴重な鉄道グッズをたくさん買っていく場面を目撃し、土地になじみ深い物がその場所に残らないことや、もう見ることができなくなってしまうことに違和感を覚えたのだそうです。

それに加え、鉄道グッズを保管している博物館や資料館のような場所もないと知り、見たい物を見たいときに北九州で見られるようにしたいとの思いで本格的に収集を始めたのだとか。お店に飾るようになったのは、個人の所有物としてではなく、あくまで資料として集めているからだと言います。

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