北九州市の上場企業社長が全力で子どもを支援する理由 「リーダーキッズ 」活動の原点とは?/株式会社ライフクリエイト・有冨修さん<PR>
一般社団法人日本プロスピーカー協会北九州支部が主催する「リーダーキッズ2024」が8月3日と4日の2日間、北九州市立生涯学習総合センター3階のホールで開催されました。
こちらのイベントに自らもスタッフとして参加しながら支援を続けているのが、北九州市小倉北区に本社を構える株式会社ライフクリエイトの代表取締役・有冨修(ありとみ・しゅう)さんです。
この活動の様子を取材してきました。
リーダーキッズとは?
「リーダーキッズ2024」の開催2日目、北九州市立生涯学習総合センター3階のホールに近づくと、中から何やらにぎやかな音楽と子どもたちのはしゃぎ声が聞こえてきました。
ホールのドアを開けて中に入ると、目に飛び込んできたのは女の子の「そーれ!そーれ!」という大声に合わせ、大縄を豪快に回す有冨さんでした。青いスタッフTシャツの胸には「しゅうちゃん」と名札が貼られています。
ちょうど、研修プログラムの合間の「あそびタイム」の時間で、子どもたちはスタッフと思いっきり遊び、熱気があふれんばかりです。
リーダーキッズの役割
リーダーキッズは「人と仲良くなろう」「自分を好きになろう」「夢を描こう」「感謝しよう」という4つのコンセプトに沿ったプログラムになっており、2日間の研修を通して子どもたちが自信をつけていきます。
このプログラムの採用で有名なのが、現在はメジャーリーグで活躍する大谷翔平選手が在籍していた花巻東高校です。今回は市内4つの児童養護施設から28名の小学生から高校生の子どもたちが参加していました。
夢と行動を体現する
リーダーキッズのトレーナーを務める針池栄治さんは、「自分を満たすことを繰り返す中で、本当に自分が今日、好奇心で動いたこの1歩をどれだけ大事にできるか、この2日間で体現していくことを大切にしています」と話します。
遊びタイムが終了すると、夢をかなえる秘訣を伝えるプログラム「マジックナンバー3」が始まります。
右手を「夢」、左手を「行動」に例え、これがパチンと合わさって初めて夢が叶うということを教えます。このように夢を叶えるには行動が必要で、さらに夢を叶えるためには“成長痛”があることも伝えます。
そして「3」という数字が提示されます。これは「行動を3日続けてみましょう。3週間続けてみましょう。3カ月続けてみましょう。でもできなかったときはもう一度3日続けてみましょう。3週間続けてみましょう。3カ月続けてみましょう」と、とにかく続けることが夢につながるという行動指針です。
先輩からのメッセージ
今回スタッフとして参加している20代のAさんが自身の体験談を語ります。
「僕は小学校4年生から高校3年生の8年間、児童養護施設に在籍していました。お父さんやお母さんがあまり好きではなかったです。なんで自分だけこんなきつい思いをしなければいけないんだとずっと感じていました。でもこのまま過ごしているとは、効果的ではないなって思いました。そして1つだけ両親に感謝できることが見つかりました。それは、この丈夫な体を産んでくれたことへの感謝です。すると、人生が前より楽しく見えてきました」
Aさんのスピーチを聞く子どもたちのまなざしが熱く感じられた瞬間でした。
有冨修さんに「リーダーキッズ」活動の原点を聞く
自らもスタッフとして参加しながら支援を続けている有冨さんに、その原点を聞いてみました。
────リーダーキッズの支援を始められたきっかけを教えてください。
数年前から会社の売上の一部を児童養護施設に寄付する支援をしていました。しかし、物は一瞬嬉しいと感じるものの、記憶には残りませんよね。だから、この活動で得たことを一生記憶に残してほしいと思いました。
さらに大きなきっかけとなったのは、もともと子どもが欲しかったのですが、僕には子どもができなかったということです。1人で悩んだり被害者的になったりしたこともありました。しかし、せっかくだったら自分にできることは何かないかと思ったときに、この支援を会社でやろうと思ったのです。
────リーダーキッズの支援から得られたものはありますか。
活動をやりながら、いじめ、差別、虐待のない豊かで明るい社会の実現を目指していこうとしています。そうした活動の中にたくさんの気づきがあって、それが最終的にビジネスやプライベートにも役に立ってくると感じています。
先ほど体験談をスピーチしたのはうちの社員です。アルバイトとして来てくれていて、うちに就職したいと言ってくれました。あとで彼が児童養護施設で育ったことを打ち明けてくれたのですが、でも、なぜうちの会社に就職を希望したのかというと、実は僕の活動を知って素晴らしい会社だと思ったからということでした。
人に喜んでもらったりだとか、こうやって子どもたちの顔つきがどんどん変わっていく姿だったりというのは、お金では買えない。それに気づけたことが最高じゃないですか。
────リーダーキッズの支援を通して心に残ったエピソードはありますか。
そうですね。児童養護施設の子どもに関しては、毎年来てくれている子がどんどん成長している姿がすごく嬉しいなと思います。去年のリーダーキッズでは、「ありがとう」作文というプログラムが僕はすごく印象に残りました。
ある女の子が、「ありがとう、お兄ちゃん。私がお父さんから暴力を振るわれているときにいつもお兄ちゃんが守ってくれて、ありがとうって言えなかったけど、今ここでありがとうって言わせてもらいます」と話してくれました。この活動を通じて、そういうことが言えたというのもあったし、私たちの活動って“当たり前”じゃないんだなと思えました。
────これからの未来をどのように描かれていますか。
リーダーキッズの活動はまだ北九州市でしかできてません。だから、これを全国に広げたいです。大人になって、私なんて、僕なんてって思うよりも、こういう経験を積んでいるからこそ、たくさんのことができるって思ってほしい。そういう子どもたちがたくさん溢れるような未来を描いています。
共感してくれる人たちが増えて、そういう企業が増えてきたら、世の中は良くなるでしょう。だからそういう企業のモデルになりたいです。こうした活動がどんどん表に出ていけば素晴らしいなと思います。