鍛冶町の女王になりたい? 印象的な看板の「BAR みね子の部屋」に行ってみた【北九州市小倉北区】
「鍛冶町の女王になりたい」のキャッチフレーズに、ふくよかな女性らしき人物がチャーミングな笑顔でピースサインをするという、一風変わった看板を見たことはありませんか。
今回は、そんな気になる看板の主である「BAR みね子の部屋」のオーナー “みね子さん”に話を聞いてみました。
「BAR みね子の部屋」の“みね子さん”とは?
「BAR みね子の部屋」(以下、「みね子の部屋」)は、北九州市小倉北区鍛冶町のオーガイストリート沿いにある第2エルザビルの4階の一角にあります。
店名はみね子さんの知人が名付け親。業種をBARと決めた後、店名に悩んでいたところ、知人が発した店名を聞いて惚れ込み、即決したそうです。
店を支えるのはオーナーのみね子さんのほか、気心の知れた女性スタッフ4名。皆さんの素敵な笑顔の中に仲の良さがうかがえます。
カウンター8席とボックス席1つの店舗で、昨年11月10日のオープンから1周年を迎えました。
「1周年の記念に、スタッフがオリジナルラベルのボトル作ってくれて嬉しかった」とみね子さんは笑顔で話します。
1年前のオープン当初から、日々の様子をInstagramやYoutubeで配信。最近はTikTokにも力を注いでいるそうです。
それを見て来店する人もいて、来客の8割くらいが女性という人気ぶり。筆者が来訪した際も、20~30代女性をはじめ、みね子さんより年下の人が多かった印象でした。
みね子さんのおおらかな雰囲気の包容力がそうさせるのでしょうか。初めて来店する人もすぐに店の空気に溶け込んでいました。
電気屋さんが夜になると“みね子さん”に変身?
実は“みね子さん”は夜に変身する姿であり、昼間は電気屋さんと聞き、その器用さにビックリしました。
創業20年、昼間は有限会社徳永電気で代表取締役を務める徳永峰隆(みねたか)さんが、憧れを追い続けてたどり着いた姿が“みね子さん”であり、店は徳永さんにとって「人生の集大成みたいな場所」なのだそうです。
「みね子の部屋」は日曜・月曜の店休日以外は、21時から25時まで開店しています(ときには過ぎることも)。店を閉めた後の数時間後には、早朝から現場へ出向くといい、そのパワーに圧倒されてしまいます。
大切にしてきたPTA仲間の縁
どんな経緯で店がオープンしたのか聞くと、意外な答えが返ってきました。
「僕たちPTAつながりなんですよ」
みね子さんは県立高校のPTA会長を務めていたそうです。そして、店を支える4名の女性スタッフも前PTA会長だったり、苦楽を共に活動したPTA役員だったり…と、いずれも元PTA執行役員。当時から5年ほど経った今でも続く“縁”が、「みね子の部屋」のベースなのです。
子どもが卒業してもなお、定期的に会い続け、絆が深まっていった元PTA執行役員のメンバー。
そうした中、子育てがひと段落したスタッフの“姫さん”や“茜さん”たちが元PTA仲間と「何か新しいことにチャレンジしたいと!」と口にしていたのだとか。
一方、同じころの徳永さんは、自分の憧れを形にしたいと考えていました。そんな各々が再会した折、「みね子」をテーマに店を展開しようという話になったそうです。
人生で共に生きる仲間がいるというのは、なんと心強いものだろうかと気づかされるエピソードですね。また、徳永さんの根っからのエンタメ精神やリーダーシップがあってこその繋がりだとも感じました。
「みね子さんは、オカマですか?」「いいえ、オッサンです」
「みね子さんは、オカマですか?」
時々、こんな直球の問いかけがあるそうです。そんな時は「いいえ、オッサンです」と笑って返しているといいます。
実は、みね子さんは女装をしているわけではなく、純粋に「憧れの人」の扮装をしています。
その憧れの人とは、吉本新喜劇の現在座長・すっちーさんが扮する「すち子」なんです。
自身の店でそれを披露できることに、とても幸せを感じているそうです。
街を盛り上げたいとの思いから「百万踊り」にも参加
そんなみね子さんは「街を盛り上げたい!」と意気込みます。
その一環で、北九州市の夏の風物詩「わっしょい百万夏まつり」の百万踊りに「みね子の部屋」も参加。今年で2回目だといいます。
百万踊りとは、市民が色とりどりの浴衣や衣装で小文字通りを埋め尽くして踊る参加型の一大イベントです。
定番の「燃えろみんなの北九州」や「いいっちゃ ええっちゃ北九州」を踊り自身のSNSでも発信ました。その背景には北九州の名所である皿倉山山頂や平尾台、若戸大橋があり郷土愛を感じます。