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苦難を乗り越えた、変わらぬ味、店、そして人情/旦過うどん女将 水上桂子さん

(アイキャッチ画像:中央がゲストの水上桂子さん)

西日本新聞社北九州本社が制作するラジオ番組「ファンファン北九州」。地元新聞社ならではのディープな情報&北九州の魅力を紹介しています。ラジオを聞き逃した人のために、放送された番組の内容を『北九州ノコト』で振り返ります。

苦難を乗り越えられた理由

甲木:おはようございます。西日本新聞社 ナビゲーターの甲木正子です。

梁:同じく、西日本新聞社の梁京燮です。

甲木:先週は私たちもよくお昼ご飯を食べに行く、旦過うどんの女将さん、水上桂子さんをお迎えしてお話を伺ったところです。先代の方とは血の繋がりがないけども桂子さんご夫婦が旦過うどんを継いだ、というお話でした。今日はもうちょっと掘り下げてお話を伺いたいと思います。では、早速ゲストをお呼びしましょう。水上桂子さんよろしくお願いします。

梁:よろしくお願いします。

水上:よろしくお願いします。

甲木:先週はご主人がいろいろ苦労もあるのでもう辞めようと言ったけども、桂子さんは辞めたくないと言うことでしたね。

水上:はい。最初に旦過うどんを作るときに、小倉の老舗の大将たちがプロジェクトチームを作って立ち上げたお店なんですよ。今はそのプロジェクトはありませんがそれぐらい思い入れのあるお店なんです。

甲木:えー、 そうなんですか!プロジェクトチームというのは、うどん屋を作る為のチームですか?

水上:そうなんです。それで凄いお店なんだなーと思ってました。先代の社長も人間国宝のように皆さんから愛されている人で、当然お店も皆さんから愛されているお店なので、のれんを畳むというのは絶対いけないと思いました。まず、お客さんが悲しみますし、従業員の方もほんとに旦過うどんを愛しているそういうお店でした。先代もお店を退いた後も、先代ご自身で毎日旦過うどんの様子を見に来ていましたので、凄く思い入れが強かったと思うんです。だから、私はどんなことがあっても辞めようとは思いませんでした。

旦過市場の再開発について

甲木:そうやって桂子さんもお店を続けてこられましたが、市場が火災からの復興をしながら再開発という別の計画も進んでますよね。これは元々火災が起きる前から決まっていた事ですよね。

水上:そうですね。100年かかってできた市場を壊すのはつらいし、もったいないと思うんですよ、北九州の歴史ですからね。だけど更に100年持たせると言う市場の方からの話しを聞いて納得しました。やっぱり次の世代に繋げていかなくてはいけないのでこのままでは市場が古くなり壊れてしまうと思い、それに沿ってやっていかなくてはいけないという気持ちに、やっとなれた気がします。

甲木:この市場を撤去してしまったら、二度とこんな迷路みたいな市場はできないだろうからもったいないなという気持ちで日々買い物していたんですけど、火事の後の市場の人たちの結束力を見ていたら、新しい市場になってもこの皆さんだったらやっていけるんじゃないかと思いますね。

水上:そうですね。災害があっても再開発があっても乗り越えていける人たちの集まりと思うので大丈夫と思うんですよ。

梁:新しくなっても、助け合う文化を大事にしたいですね。

水上:はい、守っていきたいと思います。

有名人の来店

甲木:そういう前向きなところとか、人情とかが好きなあの有名人“おでんくん”の原作者リリー・フランキーさんが、旦過うどんにたくさん色紙を残していらっしゃるんですよね。

水上: アートディレクターで有名な森本千絵さんという方がいるんですけど、その方のイベントで、東京にも行ったことがあって、その方が私の店に来られた時に「桂子さんのおでんって、おでんくんのモデルなんだよ」って言われて「えっ、そうだったんですか!」っていう感じで、その時に分かったんです。リリーさん私の店によく来られるんですけど、そういう事を言わないんですね。リリーさんそういう性格なんですよ。

甲木:他の方から聞かされたんですね。

水上:リリーさんも旦過うどんを、常に応援してくださっているので、東京のお友達にも「行ってやってくれ」と言ってくださって、火事の後も多くのリリーさんのお友達がお店に来て頂きました。

甲木:そうなんですか。ありがたいですね。

水上:本当にありがたいです。

今後の夢は…

甲木:今後、桂子さんがやってみたい事とか、夢はありますか?

水上:旦過うどんは手作りのお店だから、この手作りの味を次の世代まで残していきたいし、後継者がいたら継いでもらってずっと続けていけたらいいなと思います。

甲木:桂子さんみたいな弟子が、現れたらいいですよね。旦過うどんはうどんも手打ちでロールキャベツや巾着も全て手作りされてますけど、そのあたたかさが特にコロナ禍は身に染みました。また、お店に行きたいと思います。本日もあっという間にお時間が来てしまいました。先週、今週の2回にわたり旦過市場の中にあります、旦過うどんの女将さん、水上桂子さんにお話を伺いました。水上さんありがとうございました。

梁:ありがとうございました。

水上:ありがとうございました。

 

〇ゲスト:水上桂子さん(旦過うどんの女将)

〇出演:甲木正子(西日本新聞社北九州本社)、梁京燮(同)

(西日本新聞北九州本社)

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