<2025初詣レポート>北九州市内で三社詣ならぬ六社詣をしてみた 有名お社から隠れた神社まで
全国妙見宮の総本山と和気清麻呂公を助けた霊泉の神社
「足が立ったから足立山」。
日本の窮地を救った和気清麻呂公伝説を知らない人はそう多くないのではないでしょうか。足立山には数々の伝承があり、神社仏閣も多くある地域です。
全国妙見宮の総本山/足立山妙見宮
小倉地区でも特に多くの正月詣での参拝者が訪れる人気の高い足立山妙見宮ですが、そもそも「妙見」とは仏教用語で「北極星」を表す言葉のようです。
北極星は「妙見菩薩」の化身で困難な時期に現れ、国を護り厄災から救うといわれています。
国難を救った和気清麻呂が創立したこの神社が「妙見宮」となったのもわかる気がします。
由緒書きに添えられている「御祖神社(みおやじんじゃ)」は、神社のHPによると明治時代、新政府の命令で神仏離合のために名称変更されたとのことです。
妙見信仰自体が神社だけでなく仏教に関わるので、神仏習合の妙見宮は形を変えなければならなかったようですね。本殿傍にはそれを感じられる「薬師堂」などもあります。
境内には和気清麻呂公を救ったイノシシが狛犬代わりにあります。伝承によると足に傷を負った清麻呂公を数百頭のイノシシがこの地まで運んできたとのこと、一気に神話っぽくなってきます。
社殿から少し離れた場所にイノシシに乗った和気清麻呂公の像があります。
今は木が大きく茂ってイノシシの顔は横からしか見れなくなっていましたが、イノシシたちも交代しながら遠く足立山まで乗せてきたのかなと歴史にロマンを馳せました。
今も伝説の霊泉湧く山麓の神社/湯川水神社
妙見宮は小高い場所にあり大変眺めも良いのですが、和気清麻呂公が傷を癒した霊泉はかつて足立山が「竹和山(水神社には北和山の記載あり)」と呼ばれていたころの麓に湧いていました。
「湯川水神社」が祀られている場所といわれており、手水舎裏手には池泉があります。寒い日でしたが変わらず池の中央から湧水があり、錦鯉が優雅に泳いでいました。
今では小倉南区の「寺迫ラジウム温泉」の1カ所となってしまいましたが、昔は足立山の麓にはいくつかのラジウム鉱泉の温泉施設があったと聞きました。
清麻呂公が湯治をしたのもそのような場所だったと思われます。
幼稚園に隣接する湯川水神社へは中津街道から狭い路地を通り抜けていきます。
筆者が訪れた時は三が日を過ぎていたので、地元の方は既に参拝を終えた頃ではないかと思いますが、とても静かな境内の様子でした。
妙見宮には立派な桜神苑がありますが、水神社の境内にはおみくじの巻かれた梅の木があり、既に春の準備をしているかのように小さな固いつぼみをつけていました。