【ファンファン北九州#32】北九州市 国際交流員 姜志守さん<後編>
西日本新聞社北九州本社が制作するラジオ番組「ファンファン北九州」。地元新聞社ならではのディープな情報&北九州の魅力を紹介しています。ラジオを聞き逃した人のために、放送された番組の内容を『北九州ノコト』で振り返ります。
韓国で日本の漫画は大人気
甲木:先週、楽しかったね!
梁:そうですね。久々に韓国語も喋れて嬉しかったですね。
甲木:ここがどこの国にいるのか、ちょっとわからない雰囲気になりましたよね。
ということで、先週に引き続き、韓国仁川市出身の北九州市国際交流員 姜志守(カンジス)さんをゲストにお迎えしお話を伺います。姜さんよろしくお願いします。
姜:よろしくお願いします。
甲木:今日はですね、姜さんの子どもの頃についても少し聞いてみたいと思います。姜さんは子どもの頃から、日本のアイドルとかドラマとかに興味ってありました?
姜:私が小学校の時に、韓国で日本漫画の大ブームがあったんですね。それこそ「セーラームーン」とか「名探偵コナン」とか。
甲木:おぉ!
姜:好きですか?
甲木:大好き!
姜:「ワンピース」とかいろんな日本のアニメが韓国のテレビで放送されて、自然とそれを観ながら興味を持つようになったんですよね。
甲木:そうなんですね。じゃあ、その時もちょっと日本に興味がある感じ?
姜:そうですね。だって「こんなに素敵な漫画を出し続けている日本って、一体どんな国なんだろう?」っていうのもあったと思います。想像力というか「銀河鉄道999」もそうですが。
梁:北九州のですね。
姜:そうですよね。私もその漫画は子供の時に見てたんですよ。全てのストーリーは覚えてないんですが、テツロウがいてメーテルがいて。メーテルが綺麗だなっていうことは、子どもの私でも気づいていて。
不安もあった日本での暮らし 1年以上も里帰りしていません(涙)
甲木:でも、いくら日本に興味があったり好きといっても、やっぱり外国で1人で暮らすというのは結構ハードルが高いような気がしますが、不安とかなかったんですか?
姜:そうですね。やっぱり不安もありましたが、一番の不安は、「私が韓国にいない時に、私の家族に何か起こってしまったらどうしよう」というのが一番不安でした。日本と韓国の文化ってちょっと似ている部分もあるので、慣れるのはそこまで問題ないかなと思ったんですが、やっぱり韓国の家族がちょっと心配で…。そういう部分が一番不安でしたね。
甲木:ですよね。
梁:一時、帰られてないんですか?
姜:もう1年以上帰っていないです。
甲木:それはつらいですね…。
姜:はい、もう本当につらいんです。私、日本も大好きで北九州も大好きなんですけど、やっぱり韓国に里帰りしたいなって思ってますね。
甲木:それはもちろん、ご家族に会いたいっていうのもありますよね。
姜:そうですね。
家族に会えない間、韓国のものを買って過ごしています
甲木:ご家族に会えないこの一年近く、どうやって乗り越えてこんなに明るく暮らしていらっしゃるんですか?
姜:お金を使いました!買い物を結構頻繁にして、最近はネットで韓国食品とか化粧品とか洋服も。頼んだら時間はかかるんですけれども、ちゃんとおうちまで持ってきてくださるんで。
梁:韓国のもの?
姜:韓国のものを。餃子とかキムチとか全部韓国に頼んで、それをひたすら食べるという。この生活を一年間やってます。
甲木:キムチは梁さんが今度持って行きますよ。
姜:楽しみにしています!チゲにしようかなー。
甲木:いいですね!
梁:僕のチゲ旨いですよ!
姜:じゃあ、是非お願いします!シェフ。(笑)
甲木:(キムチは)お母さんが作ってるんだっけ?
梁:そうです。
姜:それはちょっとドキドキしますね。(笑)早く食べたいですね。
梁:はい、わかりました!
北九州が大好き! 北九州に残って日韓の架け橋に
甲木:交流員の仕事って、あと一年ぐらい?
姜:そうですね。あと一年になりました。早いですね。
甲木:なんか名残惜しいですよね…。交流員が終わったら何をしたいですか?
姜:今は、韓国向けにブログを書いたりSNSを使って北九州市のPRをしたり、そういったお仕事もしているんですけど、そういったコンテンツを発信するお仕事に就きたいなと思ってます。交流員になる前の前職も、そういった情報発信に関わる仕事が多かったので。私が知っているものを、皆さんにお伝えできることにやりがいを感じて楽しいので、共感いただけるコンテンツを作る仕事をしたいなと思ってます。
甲木:じゃあ、引き続き日韓の架け橋というか?
姜:それが一番良いかなぁと思います。
甲木:そしたら日本で働く、韓国で働くっていうのは、どちらで働いても良いって感じ?
姜:できれば日本というか北九州に残りたいなという気持ちはあります。
甲木:おぉ!嬉しいね!
梁:北九州のどこがそんなに好きなんですか?
姜:だって本当に住みやすい。なんか気持ちがすごく落ち着くんですよね。韓国出張に行って帰って小倉に着くと「あー、戻ってきた」みたいな感じになるんですよ。もうすっかり馴染んでいるんですよ。
梁:「家だ」と。
姜:はい。そういった気持ちになってるんで、できれば北九州にずっと残りたいなと思ってます。
甲木:それは景色や食べ物や人とか、そういうのでいうとどんなところが?
姜:人ですね。やっぱり。
甲木:そうなんだ。
姜:私、本当に運が良かったなって思うのが、やっぱり優しい皆さんに恵まれて仕事ができるっていうことが、とても幸せ者だなって思うんですよ。それで、もっと北九州が好きになったっていうのもあります。
甲木:それは、多分、志守さんも人懐こくてチャーミングな性格なので、皆さんが親切にしてくれるっていうのもあるかもしれないですね。
梁:本当そうですよね。先週初めて会ったと思えないですもん。
姜:(笑い)
甲木:そうね。なんか馴染み過ぎだよね。それにしても、ちょっと馴れ馴れしいかもね。キョンちゃん!(笑)
梁:韓国人の特性だと思うんですけど。(笑)
甲木:それって北九州の人も通じるんですよね。北九州でバス停とかに立ってたら、全然知らない人に話しかけられたりしません?
姜:バス停ではなかったですが、食堂で声かけられたことがあって。その時は、韓国人の留学生と一緒に食事をしてて、帰り際に「ごちそうさまでした」って言ったら、お店の方が韓国語で「寒いから気を付けてね」って言ってくださったんですよ。
甲木:すごいよ!それ!
姜:それが感動で!「どうして韓国語喋れるんですか?」って聞いたら、「韓国の方が最近いろんなところに来てるから、自分も挨拶をしたくて韓国語の勉強を始めた」って。
甲木:素晴らしい!
姜:そういうふうに言ってくれて本当に嬉しかったです!
甲木:ぶっきら棒に見えてホスピタリティのある街なんです!ここ北九州は!
姜:素晴らしいですよね。
甲木:志守さんには、これから先も長く北九州にいていただきたいなと思っております。
姜:ありがとうございます。頑張ります!
〇ゲスト:姜志守さん(北九州市 国際交流員)
〇出演:甲木正子(西日本新聞社北九州本社)、梁京燮(同)
(西日本新聞社北九州本社)