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八幡西区黒崎「寿通り商店街」を甦らせた/ 株式会社三角形 代表・福岡佐知子さん

(アイキャッチ画像:真ん中が福岡佐知子さん)

西日本新聞社北九州本社が制作するラジオ番組「ファンファン北九州」。地元新聞社ならではのディープな情報&北九州の魅力を紹介しています。ラジオを聞き逃した人のために、放送された番組の内容を『北九州ノコト』で振り返ります。

自称・黒崎で一番小さな商店街「寿通り商店街」

甲木:おはようございます!西日本新聞社 ナビゲーターの甲木正子です。

横山:西日本新聞社の横山智徳です。

甲木:横山さん、北九州で勤務するようになって、商店街ってよく行く?

横山:行きますよ。お膝元の魚町銀天街とか。

甲木:北九州って市場とか商店街が結構あるでしょ?

横山:ありますよね。

甲木:横山さんは、小倉の商店街を主に見ていると思うんですが、私が子供の頃過ごした黒崎は、その頃はものすごく賑やかだったのに、今は結構寂しいの…。

横山:メインの通りは本当大きいですもんね。

甲木:そうなのよ。だから寂しさが目立ってしまうんだけど…。そこで、その黒崎の商店街活性化のために、頑張っていらっしゃる方を今日ゲストにお招きしてます。黒崎の商店街「寿通り」を甦らせた株式会社三角形 福岡佐知子さんです。よろしくお願いします。

福岡:よろしくお願いします。

甲木:寿通りと言ったんですが、リスナーの中には黒崎のことをあまり詳しくない人もいるので、寿通り商店街とは何か教えてください。

福岡:寿通り商店街は、先ほど横山さんがおっしゃったように、黒崎の駅から続く大きな商店街から入った小さな通りです。駅からも少し離れていて、約7分ぐらい歩く感じです。自称「黒崎で一番小さな商店街」と言っています。黒崎はたくさん商店街があり、その中で一番小さな13店舗ある商店街になります。

甲木:距離もそんなに広くないんですよね?

福岡:そうですね。道幅が3mぐらいの通りですね。

甲木:お向かい同士、声かけたら聞こえる感じですね。

福岡:隣の声が筒抜けな感じの小さな商店街です。

甲木:そもそも福岡さんって黒崎の方ではないんですよね?

福岡:はい。子どもの頃の街というと小倉だったので、そこから黒崎の方に行くことはあんまりなかったんですよね。(笑)

甲木:なぜそんな人が、寿通りをやっているんですか?(笑)

福岡:なぜですかね?(笑)私もちょっと不思議なんですけど。住んでもなく、生まれも育ちでもないのに一生懸命やってます。

甲木・横山:(笑い)

映画館を再興する街づくり会社に転職 オープニングイベント直前に事件が!

甲木:黒崎と関わるようになったきっかけというのは、前のお仕事に関係あるんですか?

福岡:元々、アートの仕事をしていて、アーティストではなくアーティストを支える側の仕事をしていました。その流れで、北九州市の文化施設で働いていまして、その事業の一つで、地域と出合って、地域の中で仕事がしたいなと思うようになったのがきっかけでした。今までいたアートの世界を飛び出して、地域で仕事をするときに、黒崎の街づくりをしている会社さんとご縁があり、そこに就職したのが転機でした。

甲木:そのアートを生かした街づくりとは、具体的にはどんなことをする会社だったんですか?

福岡:黒崎は元々、映画館がとてもたくさんあった場所でした。

甲木:あった!

横山:そうなんですね。

福岡:未だに、映画館の場所が残っていたりするんですね。そういったところを活用して、黒崎が栄えた頃の思い出を大切にして現代に蘇らせていくという会社で、そのお手伝いなどをしていました。

甲木:そのイベント自体は成功したんですか?

福岡:それが、ちょっとハプニングがありまして。(笑)代表していた方が失踪しまして…。

横山:笑い事じゃないですよね。

福岡:いなくなったので、どうしましょうということで。事前に前売り券とか売ってたんですよ。

甲木:そうなんですね。だから、何が何でもイベントはしなきゃいけなかった。

福岡:そうなんですよ。何が何でもやらないといけないと思って、みなさんと相談をして、実際にやりましたね。そういう大きな挫折の経験を一番最初にしまして。そこで考えたのが、結局、上司が逃げていなくなったら、それに従わざるを得ないなと思って。もし、自分でやろうと思ったら、自分が逃げなければ、それでいいので安心だなと思ったんですね。それで、自分で何か始めようと思ったのがきっかけでした。

甲木:なるほどですね。自分で起業すれば、自分さえ逃げなければ仕事はなくならない。凄いですね。その挫折をこんな風に。

福岡:バーンと流れが来たので、しょうがないなと。

街づくり会社「カタログ△」をスタート 事務所は元スナック、家賃1万円!

甲木:その黒崎で、福岡さんが立ち上げたプロジェクトが、今の会社の名前の「三角形」?

福岡:はい。一番最初に始めたのが、街づくりの団体「カタログ△(サンカッケー)」。黒崎の同世代で働いたり住んだりしている方々を結んで、何か街づくりに貢献できるようなことをしようという団体です。

甲木:そのカタログ△(サンカッケー)の事務所となった場所が、またちょっと面白かったらしいですね。

福岡:そうなんです。居抜きのスナックで、カウンターバーを貸してくださる方がいて、「地域のことをするのであれば、地域にアドレスが必要だ」と言ってくださって。自分が持っている物件を月1万でいいから貸してあげるよって。

横山:1万円!?

甲木:格安!

「その場所面白い!」から始まった異業種交流会

福岡:でも、当時は収入が0だったので、その1万円すら無理かなと思うこともあったんですが、その後、いろんな方が「その場所面白い!」って言ってくださって。でも、自分にとっては、スナックに出入りするのがすごい恥ずかしくて。今から10年ぐらい前で、まだ若かったので。コソコソしながら行ってたんですね。でも、その人がそこを見たり寄ってくださった時に、「面白いやん!ここで飲み会したい!」って言ってくださって。そこから、そこで異業種交流会という名の飲み会を3年間やりました。

甲木:ちょうどいいですよね。業種交流会を飲みながらするにはね。

横山:全部揃っているしね。

甲木:すごく良い事務所だよね。

福岡:その事務所を使って初めて、カウンターでのコミュニケーションや、横同士、知らない人同士のコミュニケーションというのが、豊かなんだなということに気づいて。今あるお友達や支えてくださっている人たちも、そこで培ったネットワークの人たちばかりですね。

〇ゲスト:福岡佐知子さん(株式会社三角形 代表)

〇出演:甲木正子(西日本新聞社北九州本社)、横山智徳(同)

(西日本新聞社北九州本社)

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