自分の感情を真っ直ぐにぶつけることができる唯一の居場所/HIROYAさん(社会人レスラー)
2003年に旗揚げし、北九州で活動を続けている社会人プロレス団体「がむしゃらプロレス」の選手インタビュー企画第5弾!
2018年の春に門司赤煉瓦プレイスにて華々しいデビュー戦を飾って以来、第一線で活躍してきた若手のホープ、HIROYA選手の登場です!
大人になってからでも見つけることのできた夢中になれるもの
ーまず最初に、がむしゃらプロレスに出会ったきっかけ、そして選手として参加することになった経緯を教えてください。
自分は熊本出身で地元の大学に通ってたんですけど、ちょうどその頃に飲み屋で、那須くんっていうプロレス好きのお兄さんに出会ったんです。那須くんのプロレス熱はすごくて、一緒にプロレスバーに行ったり試合とかを見ているうちに、自分もどんどんハマっていきました。でも就職を機に自分は熊本を出ることになって、那須くんともそれっきりになっちゃって。
社会人になって北九州に来てしばらく経ってもプロレスが好きな気持ちは変わってなかった自分に、そんなことならと「がむしゃらプロレス」の存在を教えてくれた人がいたんです。社会人プロレス団体なんて初めて聞いたし、気になるじゃないですか。なのでその話を聞いてすぐに「プロレス居酒屋がむしゃら」に足を運びました。
その時に店で焼鳥を焼いていたのが、「がむしゃらプロレス」前代表の矢野さんだったんですよね。勢いのままにプロレスに興味があることを伝えると、二つ返事で「だったら練習に参加すればいい」と誘ってくれました。
ーHIROYA選手といえば190cmという高身長で体格もいいイメージなんですけど、昔から何かスポーツをやっていたんですか?
小さい頃からスポーツはやってたんですけど、あんまり身長は関係のない野球なんですよね。話題性なくてすみません(笑)
体格も社会人になるまでは全然良くなくて、むしろ細かったんです。仕事をしだして少し生活に余裕ができたときに、プロレスラーみたいな体型になりたいなーと思い立って、そこからジムに通いつめました。とにかくめちゃくちゃ食って、めちゃくちゃ鍛えてってのをひたすら繰り返してたら、75kgだった体重が1年で95kgまで増えたんですよね。
ーいくら鍛えていたとはいえ、いきなり見知らぬ土地で未経験の格闘技に手を出すことに戸惑いはなかったんですか?
確かに北九州は地元じゃないし、がむしゃらプロレスという場所もいきなり飛び込んだ世界だったんですけど、実は全く知らない人だらけってわけでもなかったんです。がむしゃらプロレスの練習に参加するようになってすぐの試合会場で、なんとあの那須くんと4年ぶりに再会したんですよね。
地元熊本から北九州へと繋がる絆
ー熊本にいるはずの彼と県をまたいでの再会なんて、なんだか運命を感じますね!?
そうなんですよ。残念ながら恋には落ちなかったんですけど(笑)
なによりびっくりだったのが、那須くんはがむしゃらプロレスのレフェリーだったんです。出会った頃からもうすでにレフェリーをやっていて、試合のたびに熊本から北九州まで通っていたらしいんです。
でも当時も那須くんがレフェリーをやってるなんて知らなかったし、実際にがむしゃらプロレスの試合会場で再会するまでも、お互いの存在には全く気づいてなくて。
那須くんのおかげで好きになったプロレスの延長線上にがむしゃらプロレスがあって、そのがむしゃらプロレスのおかげでまた那須くんに再会することができたっていう、なんだか感慨深いものがありましたね。
ーそんな運命の再会から5年ほど経っていますが、社会人レスラーを続けてきてよかったと思える瞬間はありましたか?
「がむしゃらプロレス」に参加したことを、最初の頃は両親に言ってなかったんです。でも当時はがっつり鍛えていたから帰るたびに体が大きくなってたので、さすがに怪しまれちゃって(笑)
結局、デビュー戦前にカミングアウトしたんですけど、それはもう両親揃って大反対で。自分が小さい頃に体が弱かったからってのもあるんですけど、「怪我したらどうするの?!」とか、仕事への影響の心配とか、散々言われてたんですよね。
でも試合を重ねるうちに少しずつ理解してくれるようになって、今では家族とも遠慮なくプロレスの話ができるようになりました。
この間熊本の実家に帰ったときなんかは、父が「実はな…」って感じで自分も昔はプロレスが大好きだったことを打ち明けてくれたんです。それがめちゃくちゃ嬉しかったし、お互いにお酒が入ってたのもあって、親子でものすごく盛り上がりました。
母だってなんだかんだ言って、試合は欠かさず見に来てくれているわけで、誰よりも味方になって応援してくれる家族の存在は心強いし、本当ありがたいなって思いますね。
がむしゃらプロレスの未来を担う若手ホープとして
ー逆にレスラー活動を続けていく上で苦労したことや不安なことはありますか?
気をつけてはいるんですけど、やっぱり怪我とかですかね。こんなことを言ったらまた母に心配されますね(笑)
今まで大きな怪我はそんなにないんですけど、一度だけ首を痛めたことがあって。自分の首から聞いたことのない音が鳴ったときは、さすがに青ざめました。結局大事には至らなかったんですけど、そこから何日間かは首が全く動かせなくて、仕事中もペッパーくんみたいな動きをしてました(笑)
ーお店の入口とかにいる案内役のロボットですね(笑)
そうですそうです(笑)
でもこういう経験があったからこそ、今では怪我をしないように!っていう気持ちは人一倍強いと思うし、人一倍気をつけてます。いつもの練習も常に真剣に、日々鍛錬あるのみです!
ーでは最後に、今後の目標または夢を教えてください。
個人的には、大会で輝きたい!ってのがまず第一の目標としてあるんですけど、団体規模の夢で言うと、もっとたくさんの人にがむしゃらプロレスの存在を知ってもらって、この活動に興味のある人にはどんどん練習に参加してもらって、そして最終的には若手の選手がもっともっと増えてくれたらいいなって思ってます。
古参ばかりのがむしゃらプロレスに、新しい風を吹かせたいんですよね。
プロレスのいいところは、先輩たちにも刃向かえるところだと思うんです。現実世界だと、いろんなことを我慢しなきゃいけないじゃないですか。会社で上司にムカついたり、街中でからまれたとしても、その場でブチ切れて殴りかかるなんてただの頭おかしい人になるわけで、ありえないじゃないですか。
でもリング上だとそれがありえるんです。腹が立ったら力技で黙らせてやればいいんです。泥臭い人間らしさを表に出すほど、現実味のない世界を味わえるし、なりふり構わず喜怒哀楽を表現できる気持ちよさは癖になりますよ。
なので先輩方には早く引導を渡して、ご隠居していただかないとなって思ってるんです(笑)
今度の試合では、自分にはそれくらいの気合があるんだ!ってことを、ファンの方たちにも見せつけたいと思ってるんで!
クライマックス戦での応援よろしくお願いします!
みんなに愛される団体で有り続けるために
今回は初めての若手選手へのインタビューだったのですが、とにかく明るくてユーモア溢れるHIROYA選手の言葉の数々には、がむしゃらプロレスの新たな一面が垣間見れた気がしました。
楽しいお話の中からも、彼がいかに真剣にがむしゃらプロレスのことを考えているかということが伝わってきたし、そんな彼なら本当になんだってやってのけてしまうんじゃないかと思えたくらいです。
がむしゃらプロレスは今年で設立20周年のメモリアルイヤーを迎え、新年一発目のスペシャルイベントが、1月15日に門司赤煉瓦プレイスで開催されます。HIROYA選手が出場するGWA無差別級タッグタイトルマッチに加え、GWA Jr.ヘビー級タイトルマッチ、GWAヘビー級タイトルマッチの3大タイトルがいよいよクライマックスを迎えるとのこと。
どの選手にも頑張ってほしい筆者としては、試合前からもうすでに胸がいっぱいなのですが、しっかりとこの目で見届けさせていただこうと思ってます!みなさん、頑張ってください!
試合やイベントに関しての最新情報は、「がむしゃらプロレス」公式Twitterで確認できます。
※2023年1月10日現在の情報です
(ライター・Kanae N.)