食欲の秋。意識はしていなくても、この心地よい秋風が気持ちよくて、自然と食欲が増してしまいます。
そんな食欲マシマシの筆者に「牛肉の直売所、興味ないですか？」とのお声がけ。直売所には行ったことがある筆者ですが、「牛肉」に特化したところは聞いたことがありません。
福岡県遠賀郡遠賀町にある、本気の工場直売所「牛肉のふくなが」の体験レポートです。
直売所のイメージが一新 広くてきれい＆気づきがいっぱい
筆者在住の北九州市から見ると、八幡西区を越えた隣町・遠賀川沿いにある牛肉の直売所「牛肉のふくなが」。創業50余年の食肉卸業者・株式会社福永産業の社屋工場の奥に、その直売所があります。直売所を開いて5年とのことです。
さっそく店舗を見ていきます。
これまで筆者がもっていた直売所のイメージは、簡素な店構えでした。野菜などを生産者が、スーパーなどの店頭に卸すことなく直接販売する店舗は、簡素であれど特に問題はないので気にしたことはありませんでした。
ところが「牛肉のふくなが」の外観と対面した感想は、素直に「立派だなー！」でした。中に入るのにとてもワクワクします。
入ってさらに感動。天井高で開放感のある広いスペースは、とても明るく、清潔感があり安心できます。広さが十分にあるので、回遊しやすそうです。
ゆっくりと買い物ができる包容力のある空気が、店内に充満しているように感じられました。
圧巻の牛肉！ 直売所ならではの鮮度と品ぞろえ
店内で目につくのが、対面式のショーケースです。「こんなに長いの、見たことがない」と圧倒されつつ、それら品々を一通りチェック。
「美しい！」
美味しそうと感じると同時に、ショーケースに並ぶ牛肉が本当に美しく感動ものでした。レバーやハツなどホルモン系のお肉もツヤツヤで驚きます。肉を処理して販売までに輸送を挟まない一連の動き、いわゆるワンストップだからこそ成せる鮮度の良さが伝わってきます。
直売所は「安い」というイメージが先行してありましたが、新鮮さ、そして隣の工場で加工、さらに店頭に出せるようショーケースが並ぶ奥の空間で処理するので、食の安全・安心のプラスがあるのだと気づかされました。
またラインナップ、品ぞろえにも感心。「カメノコ」「ブリスケ」「ちからコブ」など初めて耳にする希少部位をはじめ、さまざまな部位がたくさん並びます。こんなに一同に牛肉を見るのは初めての体験でした。
いったいどれくらい取り揃えているのか肉の種類・数を店員さんにたずねると、「ほぼ一頭いると思っていい」との予想外かつ驚愕の返答（大げさな表現と思われるかもしれませんが本当に驚きました…！）。
思わず感嘆し、ショーケースを全体的に眺めた筆者は、近くの窓に貼られた牛のイラストに目をやり、あらためて牛の命に感謝したのでした…。
「鹿児島黒毛和牛」とこだわりのオリジナル「絶品ふくなが牛」
牛肉のふくながで取り扱うのは、「鹿児島黒毛和牛」とこだわりのオリジナル「絶品ふくなが牛」。
鹿児島の肉といえば「黒豚」の印象が強かった筆者でしたが、なんと鹿児島黒毛和牛は、和牛のオリンピックといわれる「全国和牛能力共進会」で日本一に輝いたという素晴らしい実績があるそうです。店内には、それを証明するグランドチャンピオンの歴代の盾が陳列されています。鹿児島黒毛和牛は、「きめ細やかな美しい霜降り肉質」と「まろやかなコクと旨味」が特徴だといいます。
また「絶品ふくなが牛」は、北海道の牧場から直送（だから新鮮）のオリジナルブランド牛。サシ（赤身と赤身の間にある模様のような脂肪）の強い国産牛と和牛ホルスタインとの交雑牛で、きめ細かなサシと肉質でありつつ、値段も手ごろとなるので、おすすめとのこと。
そのほか、茶美豚（チャーミートン）というブランド豚の取り扱いもありました。品ぞろえが充実で、どれも魅力的。どれを買おうか迷います…。
そして、こちらの直売所はお肉のネーミングも魅力的。
「3秒ロース」は煮て3秒（しゃぶしゃぶですね）、焼いて3秒、一番美味しく食べて欲しい時間を商品名に込めているそうです。
ほかにも「今宵はスキヤキ」や「どんどん！牛丼」、柔らかく絶品の「ミスジのくちどけ」、「ぷりぷりの丸腸」など商品名から食べるイメージが広がり、いよいよ迷い困ってしまった筆者です。
「絶品タレ」は牛肉のふくながオリジナルの万能タレ
焼肉には欠かせない「絶品タレ」「絶品辛旨だれ」は、「牛肉のふくなが」オリジナルの一品。直売所に入って右横にある厨房で造られ、そこでボトル詰めまでして店頭で販売しているそう。
「秘伝の醤油をベースに、ニンニクなどの調味料を混ぜ合わせ、お肉と最高に合う絶品タレを造りました」との説明文には製造者の自信も感じます。
絶品タレは”万能タレ”とのことで、焼肉だけでなくすき焼きにも使う人もいるとか。お好みですりおろしニンニクを入れると、さらにおいしくなるそうです。
「牛肉のふくなが」で買ったものと感じたこと
結局、迷いに迷った筆者が購入した品はこちら。
肉は3点に絞りました。 そして、「絶品タレ」もゲット。
お肉は、この日30％割引だった「クラシタの輝きローススライス（鹿児島黒牛）」、スタッフおすすめ「ふくなが牛カルビ（絶品ふくなが牛）」、新鮮でツヤツヤのホルモン「ぷりぷりの丸腸」を購入。何を作ろうかと楽しく思案しながら店を後にしました。
ちなみに、そのほかで迷ったのは「ぜいたくな切り落とし」。グラム税込700円と日ごろ筆者が見ている切り落としよりは少し高めの印象ですが、案内してくれた縄田さんは「切り落としといっても端材ではなく、牛肉の美味しい部位が集まっているのでぜひ贅沢に使ってください！」とオススメしてくれました。
ふだんの料理での店頭購入はもちろん、盛合せ、バーベキューセットや贈答用（全国発送可）などの特別注文も歓迎とのことでした！
週末限定3日間のオープン おすすめのタイミングは？
買い物におすすめのタイミングを聞くと「金曜日の朝一」とのこと。店頭に並ぶお肉が一番新鮮な状態なのだそうです。ただ朝一は混みあうため、ゆっくりと買い物がしたい人は比較的空いている傾向にある「昼どきの時間帯」がおすすめとのことでした。
詳細は「牛肉のふくなが」ホームページで確認することができます。
＜「牛肉のふくなが」直売所概要＞
■所在地／福岡県遠賀郡遠賀町大字広渡2434
■電話番号／093-293-4129
■営業時間／毎週金・土・日曜日（午前9時～午後6時）
※2023年10月19日現在の情報です
※提供：牛肉のふくなが
（ライター・しまだじゅんこ）
