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「彼女は夢で踊る」監督&出演女優がエピソード披露 小倉昭和館のトークイベント

―出演者はどうやって決めたのか(樋口館主)

時川監督 企画の最初から入っていただいていたので、加藤さんは館長役で、と考えていました。また、横山さんと矢沢さんが昔からお友達だったという関係で、映画の前から僕も横山さんと矢沢さんと居酒屋さんで飲んだりすることがあったので、映画をやるってなった時に「ぜひ矢沢さんにも入っていただきましょう」と。あとの人はオーディションですね。矢沢さんには「実はこんな生活をしているんだ。こんなことがあるんだ」といろんな踊り子さんの話を教えてもらったり。㐧一劇場の館長からも話を聞いたりして、映画をつくったという経緯があります。

矢沢さん 私が演じるのが大御所感あふれる役柄だったので、いつもの私とはちょっと違う感じにしないといけないかなと思いつつも、始まるとスイッチが入るというか、役に入り込めたというか。映画というものに染まっていったというか…いい体験でした。

時川監督 かっこいいこと言ってますけど、一番初めのシーンに「大御所の矢沢さんが劇場にやってきました」というシーンがあるんですけれど、その時に矢沢さんがすごく緊張していてロボットみたいに歩いて、僕らはアチャーと思った(笑) 初日だけすごく緊張してましたよね。

矢沢さん ストリップの初日の1回目のステージとかもそうなんですけど、毎回毎回ステージに立つ時に緊張して、よく続けてこられたなと今でも思います。

時川監督 でも初日以降は本当に雰囲気のある感じでやっていただいて。撮影前に練習というかワークショップみたいな感じで。加藤雅也さんと皆さんでいろいろ読み合わせとかされてたんですね。それが結構よかったですよね。

矢沢さん あの時から岡村いずみちゃん(ヒロインのサラ、メロディーの2役)はバチっと決めてきていて、ちょっと焦ってしまいましたもん。本当の女優さんですし。

時川監督 岡村さんはストリッパーではなく女優さんで、今回のために役作りをしていただいたんですけど、矢沢さんがずっと岡村さんに「ストリッパーはこういう踊りをするのよ」と踊りを教えたり、「ストリッパーはこんなことを考えているのよ」とアドバイスしたり。すごく矢沢さんがアドバイザーとして活躍されました。

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矢沢さん いずみちゃんは実際に踊りをやってらっしゃったっていうのを私は最初聞いていなくて。でも体がすごくやわらかかったんです。ストリップで普通に足を上げるのを「L(エル)をきる」って言うんですけど、いずみちゃんは真っすぐスッと足があがってたから「あれ?」って。ちょっとビックリしちゃって。運動神経もよかったですし。監督から「この曲でやろうと思っている」と曲をいただいて、いずみちゃんと一緒にスタジオに入っていろいろやってみたんですけど、女優さんなのでイメージをつくりやすいんですかね、雰囲気というか。私の場合はその曲に合わせて、こんなのだったらこの曲に合うかなとか振付を考えていくんですけど、いずみちゃんの場合は女優さんの感覚でそういったことができるのかなと見てて思いました。

時川監督 矢沢さんがずっとそばにいたのは、彼女も心強かったと思います。岡村さんが“サラ”とか“メロディー”として踊っている時は、1つのステージに対してずっと僕らもカメラで十何回とか撮っているんですよ。本当にいいのをつくりたいので。そのカメラの横で矢沢さんがいずみちゃんにいろんな指示を出しているっていう感じでしたね。

劇場が閉館することをやめたため、偶然できたラストシーン

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