「米粉」のパンやお菓子を製造 アレルギー発症を機に/グルテンフリーアドバイザー齊藤久美さん
西日本新聞社北九州本社が制作するラジオ番組「ファンファン北九州」。地元新聞社ならではのディープな情報&北九州の魅力を紹介しています。ラジオを聞き逃した人のために、放送された番組の内容を『北九州ノコト』で振り返ります。
グルテンの力でパンはふっくらするんです
甲木:おはようございます!西日本新聞社 ナビゲーターの甲木正子です。
梁:西日本新聞社の梁京燮です。
甲木:梁さんは食物アレルギーってないですよね?
梁:ないですね。
甲木:何でも食べれるよね。
梁:はい。幸せなことです。
甲木:私も、アレルギーはないんですよね。でも、うちの同僚の中には、アレルギーほどではないけど、小麦粉製品を食べるとちょっとお腹を壊しちゃうっていう方もいて。会社でクッキーとか配るときに、その方は「そのおやつは私は食べれません」ってなっちゃうのよね。今日は、そういう食物アレルギーに関係するお話を聞こうと思い、ゲストをお招きしています。
梁:私、アレルギーのことに関して詳しく知らないので、興味深いですね。
甲木:勉強しましょう!
梁:はい、是非是非!
甲木:小麦、大麦を使わないグルテンフリーのパンやお菓子を製造販売している北九州市の会社、株式会社SAKU代表取締役 齊藤久美さんです。よろしくお願いします。
齊藤:よろしくお願いします。
甲木:グルテンフリーという言葉に馴染みのないリスナーもいらっしゃると思うので、そこから教えていただけますか?
梁:僕も全然分からないです。グルテンって何ですか?
齊藤:小麦には2種類のプロテイン、タンパク質が含まれています。その2つのタンパク質というは、グルテニン、そしてグリアジン。この2つを水で混ぜると、グルテンになります。それによって、粘りや伸縮などの弾力性が出て、パンやお菓子がふっくら膨らんだり伸びたりという性質に繋がります。
梁:いわゆる一般のパンには、大体グルテンが入ってる?
齊藤:そうですね。特に、強力粉が使われているとグルテンの割合が高いので、ものすごく伸びます。
梁:それであの弾力?
齊藤:そうです。パンは特に強力粉を使うので、よりグルテンが入ってる。クッキーなど作るときに使う薄力粉は、比較的グルテンは少ないけども入っている。ということで、薄力粉、中力粉、強力粉はグルテンの割合比率で区分されています。
甲木:そうなんですね。しかも、グルテンはたんぱく質なんですね。
齊藤:そうなんです。
梁:知らなかった。
甲木:炭水化物じゃないんですね。
齊藤:グルテン自体は。
米粉などを使ったパンやお菓子を作っています
甲木:グルテンフリーということは、そのグルテンにアレルギーを起こしちゃう人がいるっていうことですか?
齊藤:はい、そうですね。そこに反応してしまう人がいるので、そのグルテンを使わないパンやお菓子を私が製造・販売しています。
甲木:グルテンを使わないことは、小麦粉を使ってないということですか?
齊藤:そうですね。小麦粉を使わない。なので、1番置き換えやすいのは米粉ですね。
甲木:米粉のパンですね。
梁:米粉にはグルテンが入ってないんですか?
齊藤:入ってないんです。だから伸びない。例えば、お餅をトースターで焼いて、少し時間を置いておくとグッと硬くなって、常温で置くとポロポロとなってビヨーンとならないんです。なので、米粉自体にはグルテンは入ってない。
甲木:パンは、冷めてもふわふわしてますからね。
梁:そういうことなんですね。
以前は小麦を使ったお菓子を作っていた?きっかけは自身のアレルギー
甲木:私ですね、齊藤さんと先日打ち合わせでお会いしたとき、実は、齊藤さんの新聞記事を読んでいたことに気がついて。斎藤さん、以前、西日本新聞に登場されたんですよね?
齊藤:はい。そうですね。
甲木:でも、そのときの紹介記事は、確かマカロニをポン菓子にした「PON Q PON」というお菓子を開発されましたっていう記事が載ってたんですよ。私は、小倉昭和館のイベントで、そのお菓子を食べながら、ワインを飲みながら映画観るというイベントに参加したんですよ。それってもう小麦粉まみれですよね。
齊藤:以前は、ポン菓子の機械でマカロニをふわっと柔らかくサクっとさせていたんですけど、そのあとに、私がアレルギーを発症してしまい。マカロニはまさに小麦が原料ですから、アレルギー発症と共に原材料をお米のものに全部商品を切り替えました。
甲木:そのアレルギーを発症したっていうのは、どんな感じで発症されたんですか?
齊藤:ある日、突然症状が出てしまって…。今から5年ぐらい前なんですが、お昼にパンを食べ、夕方にパンを食べ、夜7時から勉強会に行かなきゃという状況で。ちょっと早めのご飯でパンを食べたら、そこから気を失ってしまって。
甲木:気を失うんですか!?
齊藤:そうなんです。勉強会はもちろん行けませんので、這ってそのままベッドに横になったっていう感じで。
甲木:その時、小麦粉が原因ってわかったんですか?
齊藤:その時、明らかに症状がおかしいなと思って「やっぱり食べ物かな」というのは、すぐにピンときたんですね。昼にパンを食べ、夕方にパンを食べた後だったんで、「もしかして…?」と思って検査をしに行ったんですね。そしたら、小麦、大麦、そして先ほど言いましたグルテニン、グリアジン、この2つの反応が出たので「アレルギーですね」ということで。そこから、食べ物からすべて小麦をなくすという除去生活ですね。
甲木:その後、ご自身のアレルギーがわかって「じゃあ、グルテンフリー食品を作りましょう!」ってなってますよね。そのチャレンジもすごいですよね!それまでマカロニのお菓子作っていた方が。
齊藤:そうですね。ただ、やっぱりものづくりというか、その食品製造に携わるっていうスタートは切っていましたので、こうなったのは何かのミッションというか、多分、これは神様がそういう方向に行きなさいと言われてるような気がして。そこから、すべてお米のグルテンフリーの商品にガラッと変えることを決意しましたね。
〇ゲスト:齊藤久美さん(株式会社SAKU 代表取締役)
〇出演:甲木正子(西日本新聞社北九州本社)、梁京燮(同)
(西日本新聞社北九州本社)