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北九州でも進む授業のオンライン化 大事なのは『コミュニケーション能力』

(アイキャッチ画像はイメージ<写真AC提供>)

新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染拡大に伴い、北九州市内では市立学校の学級閉鎖・学年閉鎖が増えています。北九州市では閉鎖中にオンライン授業をしており、濃厚接触者や感染不安などで登校できない場合、長期の休校時には1人1台端末を活用したオンライン授業を実施することができます。

オンライン授業に参加した場合は「出席」扱いとなりますが、やはり教室で受ける授業とは異なり、担任や他の児童・生徒とのやりとりが十分にできないなど、子どもの活動が制限される場合もあるそうです。

市立学校のみならず、大学や塾などでもオンライン授業やハイブリッド授業などが増え、コロナ禍によって授業手法が大きく変わってきた今、学び手側にどういった力が必要なのか、対面指導を重視しつつもオンライン授業にも対応している八幡西区折尾の「大学受験のTG」に話を聞きました。

変化に対応するためには知識や情報の「アウトプット」が必要

「今年の大学入学共通テストの難易度が上がったとよく言われていますが、その本質は全ての教科において『コミュニケーション能力』を重視した出題がされているということです」と話すのは、指導歴約40年の櫻井先生。

編集部が調べた情報によると、株式会社Buildsが2022年度入試の受験生372人に対して今年度の共通テストなどに関して行ったアンケート調査で、共通テスト受験生の93.3%が「難しかった」と回答。今年よく耳にした「難しい」という評判が、実際の数値として確認できます。また、46.2%が「行ってきた対策と形式・傾向が違った」と答えており、これまでとの変化に対応しづらかったという難しさもあったようです。

その難しかった面の要因となっているのが、コミュニケーション能力ではないかと櫻井先生は指摘。「元々、日本の学校で学生たちは先生の話を一方的に聞くという授業を受けてきました。知識や情報はどんどん頭の中に詰め込まれていくのですが、『自分で答えを出す』『考えて問題を解決する』という能力が育っていないケースがほとんどです。オンライン授業になることで、知識の詰め込みのみになるのではないかと心配しています」と話し、知識や情報をアウトプットできるようになるためには、『コミュニケーション』に基本を置いて『読み解く能力』を鍛える必要があるのではないかと続けます。

ネット環境がより身近になった高校生

また、同じアンケート調査において、コロナの感染が再拡大する中で、36.6%の受験生が学校のオンライン化、9.7%が塾のオンライン化が起こったと回答。

さらに内閣府が行っている「青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、高校生のネット利用は1日平均4時間。高校生のインターネットの利用内容として「勉強・学習・知育アプリやサービス」の利用度は約60%と、インターネットで学ぶという形が日常的になっていることが分かります。

今後、「新しい生活様式」の定着に向け、学校生活も変わっていく中で、北九州市でもさらにオンライン化の波が広がっていくのではないかと予想されますが、オンライン化が進むとメリットも多々あるものの、ネットで学ぶということはどうしても『受動的』になってしまいがちになり、『対話』をする機会はより一層減ってしまいます。

対話を重ねることで育む「自分で考える力」

デジタル時代が進む中、オンライン化の波に対応しつつも対面指導を重視する「大学受験のTG」「大学受験のTG」での『気付き』を尋ねると、「これまで見てきた中で確実に力が伸びるのは『質問力』のある生徒です」と櫻井先生。

なぜなら質問力のある生徒は「自分でできるようになろうとしているから疑問が出てくる」「自分でできるようになろうとしているから疑問が出てくる」「解き方を覚えるだけでなく理解しようとしている」からだと言います。

こんな生徒の潜在能力を引き出すためには、どんな質問にも的確に答えることができる先生、生徒の漠然とした『分からない』を分かってくれる先生とのコミュニケーションが必要になってくるそう。

「大学受験のTG」では、「先生として勉強を教える以上、生徒からの質問にはどんなことでも答えたい」との信念から、理数系の科目は専門分野を極めるために大学院まで進み学んだ講師陣が、また、英語は5人全員が実用英検一級レベル以上の力を持つ講師陣が指導。オンライン授業であっても、生徒との対話を大切にすることで、生徒が受動的になるという環境をつくらないように徹底していると言います。

高校生が1日4時間もネットにつながり、学校や塾の授業もオンラインが増えていくデジタル時代だからこそ、コミュニケーションの大切さを今一度見直し、勉強の時くらいネットから離れて大人(先生)と対話する時間をつくる必要があるのかもしれません。

◆参考:内閣府「青少年のインターネット利用環境実態調査」株式会社Buildsプレスリリース
◆取材協力:「大学受験のTG」(北九州市八幡西区折尾3-1-14)

※2022年2月24日現在の情報です

(北九州ノコト編集部)

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