• 北九州のヒト!
  • HOME
  • 記事
  • 若松200世帯以上に足を運び、地域の課題を調査/若松TERAKOYAプロジェクト主宰・ 楠稔幸さん

若松200世帯以上に足を運び、地域の課題を調査/若松TERAKOYAプロジェクト主宰・ 楠稔幸さん

(アイキャッチ画像:写真中央がゲストの楠稔幸さん)

西日本新聞社北九州本社が制作するラジオ番組「ファンファン北九州」。地元新聞社ならではのディープな情報&北九州の魅力を紹介しています。ラジオを聞き逃した人のために、放送された番組の内容を『北九州ノコト』で振り返ります。

緑豊かで食べ物の美味しい若松からやってきました 住みよい街づくりを目指して活動

甲木:おはようございます!西日本新聞社 ナビゲーターの甲木正子です。

梁:西日本新聞社の梁京燮です。

甲木:梁さん、以前ゲストに出て頂いた日本舞踊の英聖幻(はなぶさせいげん)さんって覚えてる?

梁:よく覚えてます。

甲木:実は、英聖幻さんと私は「夢追塾」という北九州市の活動で知り合ったんですが、今日のゲストも夢追塾の同期生なんです。

梁:夢追塾は多才ですね。

甲木:いろんな人がいるんですよ。ということで、早速、本日のゲストをお呼びしましょう。「若松TERAKOYAプロジェクト」という地域活動を主催している楠稔幸さんです。よろしくお願いします。

楠:よろしくお願いします。楠と申します。若松から来ました。若松は、緑豊かで、食べ物が美味しいです。例えば、魚、キャベツ、トマト。とっても美味しい若松です。よろしくお願いします!

甲木・梁:(拍手)

甲木:初めてですよね。ゲストが最初から、これだけ地域について語って頂けるのは。若松愛を感じます。楠さんは、若山TERAKOYAプロジェクトというのをされていらっしゃるんですよね?

楠:はい、そうです。

甲木:そのプロジェクトについて、ご説明頂いてもいいですか?

楠:私たちのプロジェクトは、子どもから中高年まで、安心して暮らすことができる住みよい街づくりを目指し、人と人が繋がる持続可能な活動をしています。これは、2017年3月、今から5年前にプロジェクトを開始しました。これまでに関係した友達や仲間で始めました。その年の10月に、「縁側カフェ」という人と人をつなぐ場、気楽に集まれる憩いの場と、「わかまつ寺子屋くらぶ」という地域で活動するための学びの場を開始しました。現在、5回終了し、新しくクラブができておりまして、既に活動を進めております。

「縁側カフェ」って? 本当に縁側で?

甲木:その「縁側カフェ」というのは、本当に縁側でやってるんですか?

楠:そうですね。ある年長者憩いの家を借りて、週3回、子どもから大人まで誰でも来れて気楽に集まれます。

甲木:遊んだり、おしゃべりしたり、お茶飲んだり?

楠:子ども達が来ると昔遊びなどをします。竹とんぼを作ったり、折り紙をしたり。それから、先ほど聖幻さんのお話が出ましたけど、その方が踊りや健康体操を教えたりとかもしています。

甲木:面白いですね。

東京で25年、58歳で生まれ育った若松へ 夢追塾との出会いがきっかけ

甲木:なぜ、このような若松TERAKOYAプロジェクトという活動を思いつかれたんですか?

楠:私は若松生まれで、若松で会社に入って、結婚をして、家を建て、平凡な生活を夢見ました。

甲木・梁:(笑い)

楠:32歳で東京に転勤し、25年後に若松へ戻り定年を迎えました。今、人生100年と言いますけど、80歳、90歳になり、このまま自分のことだけで人生を送ることが良いのかなと疑問を持ち始めたんですね。そんな時に、(今から7年前に)夢追塾のチラシが目に止まって、自分で応募して1年間学んだわけです。その時に、経験豊富で多才な塾生がいたことで、心を動かされました。その後、若松TERAKOYAプロジェクトの活動を開始しました。

甲木:すごいですよね。まず、ボランティアや人の役に立つことから始められて。

200軒以上! 直接足を運んで地域の課題を調査

甲木:立ち上げる時、いくら夢追塾でいろいろなやり方を学んだとはいえ、そう簡単な事ではなかったと思うんですよね。一つの組織を立ち上げるので。

楠:そうですね。プロジェクトを開始するといっても1人ではできないので、とにかく今まで出会った友達や仲間でグループを組んで、まず地域の問題を洗い出しました。地域の問題というと、家で孤立している、どこか行く場所がない、隣近所の会話がないとかそういうイメージがあると思います。ですが、「本当はどうなんだろう?」ということで、グループで実態調査をしようということで、若松全体の住民の方にアンケート調査をしました。若い人から中高年の方200世帯以上に足を運んで、話をしながらアンケートを取りました。

甲木:すごい!

楠:その回収率がだいたい7割ぐらい。皆さん、年を取っても結構優しいんですよね。「一生懸命頑張っているから答えてやろうかね」って。お持ち寄りもありますしね。

甲木:すごいですね。

梁:何人で回られたんですか?

楠:一番最初のプロジェクトは15人。夢追塾の先輩や、若松の夢追塾の卒塾生も。

見えてきた地域の声、走りはじめた「寺子屋プロジェクト」と「縁側カフェ」

甲木:たくさんのアンケートを取られて、地域の課題が見えたんですよね。それはどんなものだったんですか?

楠:例を挙げると、「地域で起こる生活課題に、住民相互の協力にどんな事が必要でしょうか?」という問いに対し、

  • 自ら進んで、日頃から住民相互の繋がりを心がけたい
  • 地域の人が気楽に集まれる場所を作りたい・作ってほしい

という意見がまず一つありました。もう一つの質問は「今後、利用してみたい事項は?」という質問に対しては、

  • いつでも立ち寄れる憩いの場
  • さまざまな人と出会い、交流できる場
  • 特技、趣味をお持ち寄りできる場
  • 縁側談議、お茶会の場
  • 出会い、学び合う場
  • 寺子屋
  • まちづくりの取り組みの場
  • 地域の魅力をみんなで考える場

という意見が多かったですね。

甲木・梁:なるほど。

楠:中高年の方は、いろんな会社を経験してきて、活動に対してやっぱり自分のことを話したいんですね。やっぱり若松への思いというのがあって、若松をこうしたいっていうのが隠れてるんですよね。それがこの意見になったと思ったので、先ほど言った「縁側カフェ」と「わかまつ寺子屋クラブ」に絞って始めました。

甲木:そういう住民のニーズを引き出したわけですね。

楠:だから、イベントもすごく盛り上がりました。

梁:そうでしょうね。

楠:100人ぐらい集まりました。

甲木:商店街に?

楠:商店街に。もう溢れるぐらい。

甲木:そうなんですか!?

楠:その時のイベントも、みんなで踊ったり。

梁:面白いですね。それぞれの地域で、高齢化問題や子育て問題などがある中で、楠さんのように地域のことを考えて動いている方がいて、社会が成り立っているんだなと思いました。非常に良い活動ですね。

甲木:それも定年した後、義務でしているわけではないのがすごいですよね。

〇ゲスト:楠稔幸さん(若松TERAKOYAプロジェクト 主宰)

〇出演:甲木正子(西日本新聞社北九州本社)、梁京燮(同)

(西日本新聞社北九州本社)

関連記事一覧