活動の原動力は「恩送り」/「コラボなみらい」代表・福田百合加さん
活動資金について
甲木:ところで、活動資金についてお聞きしたいのですが。成人式の写真を撮るにしても、若者たちが写真撮りに来る時の旅費とかにしても、結構お金かかるんじゃないかと思うんですけど、活動資金はどうなさってるんでしょうか?
福田:そうですね。前撮りだったり、後撮りの活動はいろんな方が協力して下さっていて、例えば、貸衣装屋さんが振袖など一式を無償で貸して下さったり、皆さん、ボランティアでご協力をして下さっています。
甲木:そうやって大人たちが横の繋がりで、みんなで協力している姿を見せるっていうのは、子どもたちにとってもいいですよね。
子どもたちからの感謝のメッセージ
福田:ちょうど実は先週もですね。大学生の女の子の前撮りをしたんですけれども、撮影が終わって、本人が実際に着付けとかヘアメイクとかカメラマンをして下さった方など、今回ご協力いただいた皆さんにメッセージを送っていまして、「この番組で紹介して良い?」って言ったら、「はい、是非」と言って下さったので、ご紹介させて頂いて良いですか?
甲木:もちろんです。
福田:では、紹介させて頂きます。「この恩は一生忘れません。目の前の大学の勉強、アルバイトなどを一生懸命取り組み、皆さんのような大人になれるように、これからいろんなことを学んでいきます。いつか皆さんに恩返しできるように、自分が今できることを一生懸命していきたいと思います。素敵な成人式の前撮りを行ってくださった皆様、本当にありがとうございました」というメッセージを頂きました。
甲木:すごく伝わってきますね。
福田:この時の撮影にも以前撮影をしたメンバーがお祝いに駆けつけてくれたり。別の子で撮影に来てくれた子がご飯代を出してくれたりとかですね。
甲木:そうなんですね。就職して自分のお金でご飯を、ということなんですね。
井上:やはり、してもらったことはしてあげたくなるんですよね。
福田:そういう恩送りが繋がっていけばと思います。後、もう一つエピソードを紹介させて頂いてよろしいでしょうか?
甲木:はい、どうぞ。
福田:私と甲木さんを出会わせて頂いた東筑高校の先輩なんですが、私が東京に行く機会に会ってお話した時に、私がこういう児童養護施設関係のボランティアをしているお話と、あと北九州の施設を退所して東京で専門学校に進学している子がいるお話をしました。そしたらその北九州の施設が先輩の通っていた中学校の校区にあった施設で、中学校時代にクラスメイトでその施設から通っていた子がいたそうなんです。そのきっかけで先輩が、私と交流のある社会的養護を経験している子たちと会って下さって、若い子たちと対等に話を聞いて下さるんです。その子たちも自分よりも上の年代の方が、こんなに話を聞いてくれるとは思わなかった。これまで出会ったことがなかったので、お話できてすごく嬉しいと言ってくれました。
甲木:そうなんですね。
福田:今の時代、社会的養護に限らず、子どもが、親とか先生あるいは習い事や塾とかで関わる以外の大人と出会う機会や話す機会が、なかなかないんですよね。
甲木:核家族ですしね。
福田:そうなんですよね。だからなんかそういう関わりが作れたらいいなと思っています。
チャレンジしたいこと
甲木:今後チャレンジしてみたいこととか、夢などはありますか?
福田:そうですね。子どもと大人が交流できるような場があったらいいなと思うので、具体的にどうっていうところまではまだ考えていませんが、そこも一緒に作っていけたらいいなと思っています。子どもに教えるのが大人であるというのをなんとなく思ってたんですけれども、色々な活動をすることによって、こんなにも子どもや若者から学んだり教えてもらえたりするっていうのが分かったので、子どもから学ぶ姿勢のような活動ができるように作っていけたらいいなと思ってます。
〇ゲスト:福田百合加さん(コラボなみらい 代表)
〇出演:甲木正子(西日本新聞社北九州本社)、井上圭司(同)
(西日本新聞北九州本社)