藤の花も紅葉も!幻想的な絶景スポット「河内藤園」【北九州市八幡東区】

(アイキャッチ画像:過去の開園時の様子)

「河内(かわち)藤園」(北九州市八幡東区河内2-2-48)は、北九州都市高速道路 大谷lCから車で20分ほどの山奥にあります。

近くまでの公共の交通機関や、シャトルバスなどもありません。また、園内は平坦な場所でなく入口から坂を登ります。急坂や滑り易い場所、舗装していない道もあります。

それでも国内外から注目を集め、藤の季節には多くの人が訪れています。その賑わいぶりは、4月下旬~5月上旬の藤の期間は混雑緩和策として現地でのチケット販売はせず、予約チケット制の販売を行うほどに及んでいます。

1人の少年の夢から始まった河内藤園

河内藤園は1977(昭和52)年4月に開園しました。河内藤園の歴史は、創設者である樋口正男さんが小学生の頃に読んだ本に感銘を受け、「俺も何か一つこの世に生きた証を残したい」という少年の夢から始まります。

戦中戦後と家族を守り、ひたすら仕事に打ち込んできた正男さんでしたが、生活も落ち着いてきた頃、湧き上がってきたのは少年の頃に抱いた夢でした。「この雑木の山に美しい藤を植え、みんなに見に来てもらえる藤園を造りたい」と意を決し打ち明けると家族も賛同してくれ、1968(昭和43)年、長男と共に開墾を始めます。 生きた証を残したいという正男さんの夢は、この時から家族の夢となったのです。

ブルドーザーのエンジン音が、静かな山中に響きわたる中、地盤が固く岩石を多く含む土地によって作業は難航します。 ごろごろ出てくる石を集めては一輪車で運び出す、気の遠くなるような作業が続きました。 それでも、数年後には山の斜面をひな壇状にする作業が終了し、約1000坪の大藤棚と藤のトンネルが完成したのです。

そして河内藤園はじまりの木として最初に植えたのは、河内貯水池建設の際、湖底に沈むこととなった河内村から移植し、これまで大切に育ててきた1本の藤でした。

開墾から50年。河内藤園はじまりの木も樹齢120年を越える大藤へと成長し、毎年美しい花房をなびかせ、来園者を喜ばせています。

圧巻の1000坪の「大藤棚」 約700本の「紅葉」もみどころ

4月下旬~5月上旬の時期には、野田長藤・口紅藤・赤紫・紅・白・八重・長・中・短など22種類の藤の花が咲き乱れ、見る者を圧倒します。

大藤棚は、約1000坪の広さがあり、野田長藤が一面に広がります。また、園内の藤のトンネルには110メートルにも及ぶものもあります。

110メートルの藤のトンネルを剪定する時はトンネルの上に登って1カ月半かけて1人で剪定しているそうです。

トンネルの形で咲かせるためには、毎年丁寧に剪定していないと花が下がらなくなります。特にトンネルは花が短い種類があり、伸びた枝を切ったりひっ付けたり、花芽の調整等をして、花が下がるようにしないといけません。

藤の木は年により花付きが変わったり咲かない年もあり、年々幹も成長し大きくなったり形も変わっていくため、毎年当たり前のように咲かせることは難しいことなのだそう。

また、藤の時期は、約700本のモミジの新緑もとても綺麗で、11月下旬頃にはその紅葉が見ごろを迎えます。

11月中旬から12月上旬までの紅葉の時期にのみ、開放しているコースも存在し、紅葉もまた、河内藤園の1つの魅力といえます。

チケット期間中の入園は、現地での当日券販売なし

4月下旬~5月上旬のチケット期間中の入園には、コンビニエンスストアで販売する「予約チケット(日時指定入園券)」が必要です。今年分の予約チケットは現在販売中です。コンビニチケットは1枚(1人分)500円での発売ですが、開花状況により入園料金が変わり、該当期間は藤園受付で追加料金を支払う形になっています。

詳細は「河内藤園」ホームページで確認できます。

■開園日時/4月下旬~5月上旬の8:00~18:00、11月中旬~12月初旬の9:00~17:00
■入園料/4月下旬~5月上旬=大人(18歳以上)1500円、11月中旬~12月初旬=大人(18歳以上)500円 ※大人1人につき高校生以下2人まで無料
■備考/個人の駐車料金は無料

※2023年4月7日現在の情報です

(北九州ノコト編集部)

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