山田緑地産「幻のはちみつ」を販売 純国産がそろう「九州みつばち工房」
今年2月にオープンした「九州みつばち工房」(小倉北区)は、さまざまな純国産のはちみつを販売するお店です。
あまり流通しないとされる、ニホンミツバチのはちみつ。9月20日より採れたての「北九州市産はちみつ」が店頭に並びます。
めずらしい純国産のはちみつ
山田緑地の指定管理を行う「NPO法人グリーンワーク」は、7年前に緑地の奥でニホンミツバチを飼育する「山田緑地みつばちプロジェクト」をスタートしました。現在の会員は100人超。最近は若い女性の会員の方が増えてきているといいます。
一般的にスーパーなどに安価で流通しているのは、外来種であるセイヨウミツバチのはちみつがほとんどだそうです。一方、山田緑地で飼育されているのは、ニホンミツバチ。セイヨウミツバチと比べ、採蜜できる量が約5%と少なく、年に1度しか取り出すことができません。その希少性から市場に出回ることはほとんどなく、「幻のはちみつ」とも言われています。
山田緑地には、ニホンミツバチの飼育に適した、シイやノイバラなどの植物が豊富だといいます。採蜜した後には、数日間かけて垂れ落ちるのを待つ「垂れ蜜」という江戸時代から続く伝統的な手法で蜜を取り出すなど、手間暇をかけてはちみつを集めます。
改善を重ねて商品化
NPO法人グリーンワークの舛本会長は、ニホンミツバチを飼育することになった経緯について、「元々、勝山公園の市民花壇ボランティア支援を行っていました。小倉アイムの屋上で二ホンミツバチを飼育する『小倉みつばちプロジェクト』から、花に詳しい私に声がかかり、同プロジェクトに参加したことがきっかけで、ニホンミツバチの生態や飼育方法を学び始めました」と振り返ります。
山田緑地の指定管理者となったタイミングで「山田緑地みつばちプロジェクト」を設立し、養蜂を始めました。
飼育を開始してから5年間は、群れが増えなかったり、スズメバチに巣箱を攻撃されたりと飼育がうまくいかず、とても苦労されたそうです。
改善を重ね、試行錯誤を繰り返し飼育数を増やすことに成功。2019年に念願の商品化に至りました。
大人気イベント「採蜜体験」も
山田緑地では年に数回、ニホンミツバチの生態や採蜜体験を行うイベントが開催されています。
昨年からスタートした「採蜜体験」は、濃厚な蜂蜜を自然のまま“巣ごと味わえる”という大人気のイベント。一年に一度しか見ることができない「幻のはちみつ」を採る瞬間を体験することができます。
今年は9月13日と20日に実施予定で、すでに定員に達したということですが、このイベントで採蜜されたはちみつを17日頃から「九州みつばち工房」で販売されます。甘みを感じながらもすっきりとした爽やかな味わいが口の中に広がり、セイヨウミツバチとは違った旨味を感じられるそうです。
純国産が並ぶ「九州みつばち工房」
「九州みつばち工房」は、はちみつの販売のほか、地域交流もできるサロンとして小倉北区東篠崎にオープンしました。元は設計事務所だった場所を改装したそうです。
店頭に並ぶはちみつは、山田緑地は「やまだ」、足立山の麓は「こくら」など採蜜された地域が商品名になっています。門司や築上町、直方など北九州市内外に加え、長崎県の壱岐産まで、さまざまな地域で養蜂されたニホンミツバチ、セイヨウミツバチのはちみつが購入できます。養蜂地域によって、味わいや色合いに違いが出てくるそう。
舛本会長によると、「純国産のはちみつを種類豊富に取り扱っている店舗は、九州みつばち工房だけ」とのことです。
ふるさと納税の返礼品にも
純国産はちみつの「こくら日本みつばち百花蜜」は、小倉城そばの「しろテラス」で4月から販売を開始し、北九州市のふるさと納税の返礼品にも選ばれています。江戸時代初期に、長崎からニホンミツバチを移したという記録があることから、パッケージには小倉城が描かれています。
「美味しくて、身体に良く、地元で採れたはちみつを市民の人にも知ってもらいたい」と舛本会長。
新たな北九州市のブランドはちみつを味わってみませんか?
(北九州ノコト編集部)
◆九州みつばち工房
住所 | 北九州市小倉北区東篠崎1丁目2-7 |
電話番号 | 093‐383‐6807 |
営業時間 | 9:00~17:00 |
定休日 | 土・日曜日 |
公式HP | https://www.mitubatikoubou.work/ |