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ダイエットに欠食はNG? ギラヴァンツ北九州の栄養指導も 九州女子大学教授/管理栄養士・巴美樹さん

西日本新聞社北九州本社が制作するラジオ番組「ファンファン北九州」。地元新聞社ならではのディープな情報&北九州の魅力を紹介しています。ラジオを聞き逃した人のために、放送された番組の内容を『北九州ノコト』で振り返ります。

三食しっかり食べて空腹感を持たせないことが大切。

甲木:おはようございます。西日本新聞社 ナビゲーターの甲木正子です。

野口:同じく、西日本新聞社 野口喜久子です。

甲木:今日は、ダイエットの話などを話していきたいと思います。

野口:私も、いろんなダイエットをしていますが、人生最高値をずっと更新し続けていて何をやっても痩せません。

甲木:私も同じく、50代になってから人間は食べれば太るものなんだっていうことに気がついて、人生最高値を更新しています。今日は私たちのために、栄養学のプロをお招きしてます。

野口:楽しみにしてました。

甲木:早速お呼びしましょう。九州女子大学教授として栄養学を教える傍ら、サッカーJ3ギラヴァンツ北九州の栄養指導もなさっている管理栄養士の、巴美樹さんです。よろしくお願いします。

野口:よろしくお願いします。

巴: よろしくお願いします。

甲木:先ほど、さらっとギラヴァンツの栄養指導と言いましたけど、なぜ大学の先生がギラヴァンツの栄養指導をなさっているのでしょうか?

巴: 産業医科大学の前学長の戴冠式がありまして、そのパーティーの時、ギラヴァンツの現・玉井会長が対面に座られたんです。その時にはJ2にいたと思いますが、入れ替わりをしながらもうちょっと強くされたいとのことでした。それで食事指導が全くできてないという話をされ、私の方は学生に選手の栄養管理を勉強させたいと思ったので、「何かあったら声かけて下さい」と言ってたんですよ。そしたらある日突然、当時社長だった玉井会長が、学校にちゃんと来られて、ぜひとも栄養管理を手伝ってくれということで、それから始まりました。

甲木:そうなんですね。玉井さんの行動力もすごいですね。

野口:運命のパーティーですね。

甲木:そうですね。それで先生も、「お引き受けしましょう」ということになったんですね。

巴: はい、そのときはJ2でそこそこ強かった時で、これで強くなるぞと思ってたら、10名ぐらいトップ選手がガラッと入れ替わったんですよ。今、体組成とか、いろんな食事調査をやってますけども、大学を卒業した選手がとても多くて、栄養という重みを知らなかったんです。今は少しずつ体ができてきました。体脂肪が減ったということ、筋肉量が増えたということ、後は食事の欠食が無くなりました。この欠食が一番良くないことなんです。

甲木:そうですね。やはり運動選手は、食べないといけないでしょう。

巴: はい。例えばコンビニへ行ってジュースとサンドイッチで、それから練習に入るとかいうから、せっかくトレーニングで鍛えた筋肉は、車で例えるとガソリンタンクなんですよ。ガソリンは糖質の部分になるんですが、ギラヴァンツの選手はササミを食べていれば、筋肉がついて長期的に走れると思っていました。

野口:私も、思っていました。

巴: それは、間違いですね。やはり欠食をすることで、人間の体はせっかく作った筋肉を取られて、空っぽになっているタンクにお昼ボンと食べると、すぐにグッと吸収します。もっと吸収しすぎると、お腹のなどの脂肪になって蓄えていくんです。人間の体はそういう風になっているので、やはり三食しっかり食べて空腹感を持たせないということが大切なんです。次に大切なのは、ギラヴァンツの選手だけではなく、すごく長い距離走るスポーツは、長期的に血糖値の維持が必要なんです。例えば女子のマラソン選手で、昔、パタッと倒れる人がいました。それは筋肉の糖質を使い果たしてして、脳のエネルギーになる糖が頭までいかなくなって、倒れるというような状態です。だから一般の人がご飯食べなくて、ささみなどそのような物ばかり食べてると、脳に糖質がいかないから、日中ボーっとしたり、夜にガツガツ食べて痩せない、筋肉付かないという悪循環の繰り返しが起こるのです。

プロの選手の栄養管理をすることで、教科書よりも勉強になる。

甲木:陸上選手の方は、ささみばかり食べてるイメージがありましたけど、駄目なんですか?

巴: 駄目なことはないんです。例えば、短距離選手で筋肉隆々100m走の方たちは、速筋という筋肉の外側に出てる大きい筋肉を鍛えないとダッシュがつかないんです。だから、その人たちはささみを食べてもいいんですけど、しっかりとビタミンとかミネラルをプロが見て摂っているんですよ。

甲木:先生は、サッカーはお好きだったり、詳しかったりするんですか?

巴: 全然、分かりませんでた。(笑)

甲木:(笑)。さっき「ミッドフィルダーとキーパーは、違うんです」と言われたから、詳しいのかなと思ったんですけど。

巴: それが栄養指導しているうちに、「この人はこういうポジションで、これぐらいの距離走るから」とか、監督やトレーナーの方たちから聞くので、だんだん詳しくなってきました。

野口:ポジションで、栄養指導の仕方が違うんですね。

巴: そうなんです。学生も本物のプロの選手はやっぱり違うから、教科書を見るよりも10倍ぐらい勉強になってますし、私も勉強になっています。

甲木:学生さんもいずれ管理栄養士になって、企業や学校などで、栄養指導をするということで、こんな良い実地訓練はないですね。

巴: 本当にありがたいです。

“スポーツ栄養研究所”を作り、いろんな企業と共同研究

甲木:九州女子大学は、同じ福原学園の中に九州共立大学がありますが、その大学も体育で有名な学校ですね。

巴: そうですね。野球もラグビーも強く、全国から学生が集まってきてるんですけど、たまたま西日本でスポーツ学部と栄養学部を持っているのは、福原学園だけなんです。それを今まで放置してたので、スポーツ学科と栄養学科を一つにして、3年前「スポーツ栄養研究所」という研究所を作りました。いろんな企業と協力して、油脂と豆乳を取り扱っている、ある大きな会社と、例えば「牛乳と豆乳はどういうような違いがあるのか?」など、企業との共同研究も行いながら、選手の体作りをやってます。

甲木:そうなんですね。残念ながら、今日はそろそろお時間になってしまいました。来週また続きをお伺いしたいと思います。野口さん今日のお話、いかがでしたか?

野口:目から鱗でした。体を作るというのは、化学の製品を工場で作るようなことなんだなと思い、大変勉強になりました。

巴: ありがとうございます。

甲木:本日は、北九州市折尾にあります、九州女子大学教授でギラヴァンツ北九州の栄養指導もなさっている、巴美樹さんにお話を伺いました。ありがとうございましたございました。

野口:ありがとうございました。

巴: ありがとうございました。

 

〇ゲスト:巴 美樹 先生(九州女子大学家政学部栄養学科教授 管理栄養士 博士)

〇出演:甲木正子、野口喜久子(西日本新聞社北九州本社)

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