小学生が半能を披露 3年間の集大成「子ども能楽教室発表会」【北九州市門司区】<PR>
「子ども能楽教室発表会」いよいよ本番
リハーサルが終わり、お昼ご飯を食べた子どもたち。もう一度着替えいよいよ本番に臨みます。本番は約400人の観客がいたそう。
最初に、『能楽』で地域活性実行委員会事務局長、新ケミカル商事株式会社の上田哲則会長より挨拶がありました。
上田会長は「みなさんにご報告があります。私共が行っている取り組みがこの度、2023北九州SDGs未来都市アワードのSDGs大賞の企業部門を受賞しました」と受賞の報告と関係者への感謝を伝え、「和布刈を知ることによってこの土地がいかに歴史的に深い地であるかこの地の誇りをみんなと一緒に再認識したい思っています。今日は最後までお楽しみください」と話しました。
続いて来賓を代表し、公務で欠席の武内市長に代わり大庭副市長が挨拶を代読。「文化や芸術は人の心に潤いを生む大切な力を持っています。北九州市は、誰もが文化や芸術を楽しむことのできる彩のある街への実現に向けて、市民の皆様と対話を重ね文化振興に努めてまいります。今後も地域の大切な伝統芸能として能楽が次世代に継承されることを期待いたします」と伝統芸能の普及活動を称えるメッセージを送りました。
次に、「清経」でシテ役を務める能楽師の石黒実都さんより挨拶。これまでの能楽出前授業などの取組について説明されました。最初は「子どもたちが地元演目である和布刈の詞章<神主松明振り立てて>を口ずさんでくれたらいいな」という思いからこの取り組みが始まったと語ります。
また、北九州市内での能楽の取組などについても紹介。「これで終わりでなく、まだ小さい子どもたちも龍神や神主に挑戦したり、違う楽器をしたりなどチャレンジして欲しいです。この発表会が集大成ではあるけれど、スタートラインに立ったような状態で、いつか子どもたちだけで半能を実演できるように皆様にもご尽力いただきたいと思っています。本日は、子どもたちの頑張りを応援してください」とこれからも活動を続け、能楽を広めたいという気持ちが伝わるお話がありました。
本番開始 練習の成果はいかに…
笛の音色が聞こえ、いよいよ本番。仕舞から始まります。緊張から子どもたちの少し戸惑う仕草に石黒さんがそっとフォローします。
本番では、足袋にも慣れてみんな上手に立ち上がり、足の先や手の先までしっかりと動いていました。
みんなきれいな足さばきでしっかりと演じています。声もホールの後ろまでよく届き、リハーサルとは違う迫力でした。保護者に聞いたところ、お風呂でとても大きな声で謡って練習していて、あまりに大きな声に注意したこともあったそうです。その練習の成果が良く出ていました。
次に連調。太鼓をもって舞台に入り、謡の子どもたちと分かれて座ります。
1月から3月までの6回の練習で発表会に臨んだ子どもたち。自身の希望で太鼓やワキ、シテを選んだそうです。
太鼓の征実さんは、6回の練習だけでなく、動画を撮影したものを見ながら家でクッションを叩きたくさん練習したとのこと。最初に合った時は、まだ笑顔で友達と少しじゃれたり楽しんだりしている様子でしたが、本番は真剣そのもの。一生懸命な姿にこんなに変わるのかと驚かされました。
そして最後は、今年初めて行う半能です。黙々と舞台上に準備をしていきます。笛の音が鳴り、しばらくすると神主役ワキである御厨誠吾さんが登場します。
その後、いよいよ龍神役シテである澪さんが緊張した様子で登場しました。顔は緊張しているものの、堂々とした動きでありながら丁寧に演じていました。
リハーサル前に舞台裏で一生懸命練習していた袖の捌きも上手にできていました。半能が終わり、最後の子どもが退場してもホールからは大きな拍手が鳴り響いていました。