【ファンファン北九州#05】北九州市漫画ミュージアム館長 田中時彦さん<前編>
西日本新聞社北九州本社が制作するラジオ番組「ファンファン北九州」。地元新聞社ならではのディープな情報&北九州の魅力を紹介しています。ラジオを聞き逃した人のために、放送された番組の内容を『北九州ノコト』で振り返ります。
全国的にも珍しい公立の総合漫画ミュージアム
甲木:おはようございます!西日本新聞社 ナビゲーターの甲木正子です。
梁:西日本新聞社の梁京燮(りょうきょうしょう)です。
甲木:梁さん、お友達から反響とかあってます?
梁:大反響で!今日はもっとテンション上げていこうかなっと!
甲木:では高いテンションでゲストをお迎えしますよ!本日のゲスト「北九州市漫画ミュージアム」館長 田中時彦さんです。よろしくお願いします。
田中:よろしくお願いします。
甲木:漫画ミュージアムといえば、小倉駅の新幹線口から、ぞろぞろとそれらしい人たちが向かっている、あのディープな場所ですよね、館長!(笑)
田中:そうですね。(笑)
梁:声が小さかったですよ。「そうですね」と。(笑)
田中:いや、普段漫画と接していると、あまりディープなとかそういう感覚が全然ないんですよ。それが当たり前みたいな感じで。
甲木:なるほどですね。まずは、どういう施設なのかご紹介いただきましょう!
田中:北九州市漫画ミュージアムは、2012年にオープンした施設です。公立の漫画ミュージアムなんですけど、全国に公立の漫画施設はあるんですが、総合漫画ミュージアムという形態をとっているところはあまりありません。たぶん、北九州と秋田県横手市にできたその2館ですかね、公立でやっているところは。あとは、個人の漫画家さんの記念館とか。
甲木:石ノ森章太郎とか。
田中:そうですね。それから、大学とかそういったところでの施設になります。
松本零士さんだけじゃない!ゆかりの漫画家さんは100人以上
田中:北九州市、実はゆかり漫画家さんがすっごくいるんですよ。100人以上いるので。
梁:メーテル!
田中:そうそう!
甲木:いきなり!(笑)
田中:当初は、松本零士先生の記念館にしたかったんですけれども。先生が「そんなにたくさん漫画家がいる地域での、個人の記念館っていうのはあんまり良くない」ということで、総合漫画ミュージアムっていう形態をとりました。でも、それが結果的には良くてですね、いろんな作家さんを紹介できるんですね。そうすると、その時その時で、いろんなお客さんが来たりとか、市民の方も「こういう人が北九州にいたのか!!」ということを再認識してもらえる機会になりますね。
甲木:松本先生すごいですね!みんなのことを考えてるんですね。
田中:先生すごいんですよ、本当に!
年間パスは????円!こんなに安い施設どこにもないぞ
梁:一日中いれますよね。
田中:そうですね。最初、チケットを買っていただければ、何回出ても再入場できますので。
梁:しかも低料金だったですよね?
田中:めっちゃ安いです。
梁:ビックリしたんですよ!前に行って。中まで入っていないんですけど。(笑)
田中:入ってください!(笑)
甲木:そこ!そこ大事やろ!(笑)
田中:この前ちょっと上がって480円になったんですけども。年間パスポートを買えば、一年間2400円で見放題なんですよ。こんな施設たぶんないです。
梁:いや、ないでしょうね。
田中:他の年パスって1万円ぐらいなんですよ。さすが北九州です!
学芸員さんの力、年間20回以上の展覧会
甲木:もちろん閲覧だけじゃなくて、特別展、展覧会もずっとやってらっしゃるんですよね?
田中:年間4回~5回企画展をやってます。実は、これだけやっているところもそんなにないんですよね。
甲木:そうなんですか!?それは学芸員さんの力?
田中:はい、学芸員が。それと、大きな展覧会は4回~5回ですけども、小さな展示コーナーも入れると10~20回くらい実はやっているんですよね。
漫画は世界を越える
甲木:特別展以外にも国際漫画祭とか、特に国際的なイベントをよくやってらっしゃるようにみえますけど。
田中:そうなんです。元々ですね、2012年に漫画ミュージアムができてから、すぐ韓国の釜山から漫画家さんが来たんですよ。十何人来られて「交流してください!」って一生懸命手を挙げるんですよ。
甲木:熱いなー!!
田中:もう熱いんですよー!毎年来て。そして、2年前に釜山とMOU(協力協定)を結んで、漫画で文化交流するようになったんです。それで、一番最初に釜山の漫画家さんの作品展をやったときに、「海外の漫画って面白いね!」ってことになって。それから、有名なフランスとかアジア圏の漫画とか。今年はカナダの漫画を紹介するんですけども。そういったことを、いろんな人に公立の施設で観てもらうことも良いんじゃないかなって。これから漫画を描く人にも、ヒントになるんじゃないかなってことで始めております。
「ガイマン」?読んだことありますか
甲木:日本にいると、なかなか海外の漫画家さんが描いたものって読めないですよね。
田中:なかなか読めませんよね。ただ、最近、海外で描いた漫画作品は、日本の出版社が日本語版で出版してるんですよね。
梁:へぇー。
田中:だからその紹介も兼ねて、「ガイマン」という切り口で紹介してます。
甲木:「ガイマン」って言うんだ。
梁:あっ!外国漫画だから。
田中:「ガイマン」って言えば「おぉー!!」って言いますけれど。
イタリア人との文化交流会も
甲木:イタリアの方とも交流が始まったとか。
田中:そうですね。「イタリア人が30人ほど漫画ミュージアムで漫画描きたいって言ってるけど、受けてくれる?」っていう話が合って。
甲木:「漫画“描きたい!”」なんですね!「“読みたい!”」じゃなくて?
田中:そうです。それで、「いいですよー」ってことで受けたんです。すると、入るなりイタリア人で陽気だからずっと喋ってるんですよ。「さあ、始めますよ」って言っても、収拾がつかないくらい「わーっ」と喋ってるんですよ。(笑)
梁:「ボーノ!」って言って。(笑)
田中:そうそう!それが、さあ、描きだしたら無言で描きだしたんですよ!それ見た関係者や通訳の人がビックリしてて。「私今までずっと付き合っているけど、1時間も無言で漫画を描いてる姿初めて見た!」って言うんですよ。
梁:若い子たち?
田中:いや、年齢も幅広かったんですけども。やっぱり日本に来て、日本の漫画家の指導で漫画を描きたいって思いがずっと強かったみたいですね。それで、僕が指導したんですけれども、それも驚いてるみたいで。普通、館長といえば部屋の隅で机にドンっと座っているのに、第一線に出てきて漫画を指導していること自体がもう驚き!すごい!ということで。
甲木:なるほどですね。
田中:でも、やっぱり、漫画というもので繋がってるということを感じると、とても嬉しかったですね。
梁:言葉を超えて、文化を超え。
田中:そうですね。
甲木:あの、さっきチラっと、館長が指導したとおっしゃったでしょう?イタリア人に漫画を…。
梁:はい。いろんな疑問がありましたけど、黙ってましたけどね。(笑)
甲木:そうなんですよ。みんな流したけど。(笑)すごい大事なポイントなので、その指導の秘密は次回伺いたいと思います。
〇ゲスト:田中時彦さん(北九州市漫画ミュージアム)
北九州市漫画ミュージアムホームページはこちら→http://www.ktqmm.jp/
〇出演:甲木正子(西日本新聞社北九州本社)、梁京燮(同)
〇Twitter 横山:https://twitter.com/tomonori76 梁:https://twitter.com/kyoshoryo
〇ファンファン北九州へのメッセージはこちら→ fanfun.kitakyushu@nishinippon-np.jp
(西日本新聞社北九州本社)
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