• 北九州のヒト!
  • HOME
  • 記事
  • 【ファンファン北九州#06】北九州市漫画ミュージアム館長 田中時彦さん<後編>

【ファンファン北九州#06】北九州市漫画ミュージアム館長 田中時彦さん<後編>

西日本新聞社北九州本社が制作するラジオ番組「ファンファン北九州」。地元新聞社ならではのディープな情報&北九州の魅力を紹介しています。ラジオを聞き逃した人のために、放送された番組の内容を『北九州ノコト』で振り返ります。

田中館長がイタリアの漫画家を指導した?田中館長の別の顔?○○家・畑たいむさん

甲木:先週に引き続き、北九州市漫画ミュージアム 田中時彦館長をお招きしてお話を伺います。前回、すごく気になる部分がありましたよね!館長がイタリア人に漫画を指導したと。この疑問にお答えいただきたいんですけど。

田中:あのー、別に私イタリア語ができるわけじゃなくて。(笑)漫画家という側面もあってですね。

梁:えぇ!?漫画家なんですか!?館長!

田中:はい。27歳の時に「週刊少年マガジン増刊号」(講談社)でプロデビューしたんです。

梁:もう王道じゃないですか!少年の!失礼しました、先生!

甲木:プロの漫画家!

田中:最近は、いろんな新聞とかの4コマ漫画の連載をさせてもらっております。

梁:そうなんですか!?甲木さんが少し前、僕に渡したあの本はひょっとして…。

甲木:そう!あの本はですね、実は、館長の漫画家としてのもう一つの名前である“畑たいむ”さんとして描かれた本なんです。お渡しした本は、「北九州路地裏さんぽ」(リセット出版)っていう本なんですよね、館長。

北九州の路地裏を歩き続けて40年。昭和の街をイラストで

田中:そうです。ちょっと漫画の流れの中で、イラストを描く仕事があって。某新聞社の中で、北九州の風景を描いてくれないかということで描きだしたんですけども。それがずっと続いてて、もう40年ぐらい路地裏の風景を描いているんです。

梁:そうなんですね!

田中:今振り返ってみると、同じ風景がもうないんですよね。2年前に、北九州イノベーションギャラリーで「長崎街道(シュガーロード)と北九州の路地裏」展をしていただいたときに、僕の描いたイラストと今の風景を並べて展示してたことがあって。その中でも90%以上、当時、僕が描いた風景が全然なくなっていて…。僕自身も新たに発見したところですね。

甲木:この「北九州路地裏さんぽ」(リセット出版)っていうのは、畑さんご自身が、北九州のあっちこっちの昭和の街並みをイラストで紹介されている本なんですよね。

梁:館長めっちゃ絵が上手いですよね!ビックリして!

甲木:当たり前やろ!“畑たいむ”さんですからね。上手いのよ!(笑)

田中・甲木・梁:(笑い)

学習漫画の価値を知って

甲木:漫画家としても活躍されている館長なんですけども、この前、ちょっとお話してたら、日本の教育における漫画の位置というか…ちょっと堅い話になりましたが。(笑) 館長が憂いていることがおありなんですよね。

田中:そんな話もしましたね。(笑)

甲木:前回のお話のときもちらっと出ましたけど、やっぱり漫画読むと馬鹿になるみたいな。未だに、そういう風に思っていらっしゃる親御さんとか先生がいたり。

田中:そうですね。実は、漫画の中で「これが学習漫画だ!」というジャンルが、最近取り上げられていて。

梁:そんなジャンルがあるんですね!

田中:逆に言えば、「漫画をみましょう!」と。特に歴史ものとかは、ビジュアルがしっかり描けているので。漫画家さんって一つの場面を描くのに、実は、畳6畳間いっぱいぐらいの資料を揃えているんですよね。それを漫画に起こすときに、大学の先生とか専門家にチェックしてもらって、しっかりとしたデータを取って作品を描いています。今、たくさんの漫画が出ていますけれども、結構正確に描いていますのでその辺もぜひ見て頂きたいと。「これが学習漫画だ!」ということでたくさんの学習漫画を紹介していますので。

梁:「竜馬がゆく」(文藝春秋)とかめっちゃ読んで。坂本龍馬の本なんですけど。非常に勉強になって、そこから司馬遼太郎に入っていって。

甲木:漫画から司馬遼太郎!

梁:勉強しました。

わが子の才能発見!漫画体験って何?未来の漫画家を育てたい。田中館長の思い

甲木:なんか漫画で救われたりとか、それこそお勉強が苦手な子が、それで何かに目覚めたりとか。そういうのもあるんじゃないんですかね。

田中:漫画ミュージアムでは、漫画体験とか漫画スクールといって、無料で漫画を描く時間を作っているんですよ。最初、「うちの子ね、30分もしたら集中できないからできないよ」って言ってる子が、4時間も5時間もひたすら描いている姿を見て、お母さんは感動していましたね。「この子は才能があるんじゃないか!」って思うくらいになって。お隣に別の子連れのお母さんが来たときに、その子が漫画の描き方を指導するんですよ。「ここはこうやって描くんだよ」って。すごくいい場面を見させていただいていますね。

梁:おもしろいですね。

田中:一つ描き上げて、コンテストに出して、賞を獲ったらしいんです!それを見てお礼にお父さんが吹っ飛んで来て「ありがとう!」って。もう将来どうなるのかなって思ってたらしいんですけど、そういうことを子どもがやってくれて感動しました!と言ってくれましたね。

甲木:そこからまた漫画家が誕生すると…。

田中:うちとしてはそれを狙っているんですよね。ぜひぜひ、北九州からたくさんの漫画家を出してほしい、出したいなって思いますから。

梁:今度うちの子も連れていきます!

田中:ぜひぜひ!来てください!

梁:最初、「総合漫画ミュージアム」の「総合」って何なんだろうって思ってたんですよ。非常によく分かりました。そういう面も含めて「総合」なんだなって。いいですね、すごく!!

北九州で聖地巡礼イベントを

甲木:今後、漫画ミュージアムとしてまた新たなことに取り組みたいことはありますか?

田中:実は、聖地巡礼じゃないんですけども、いろんな作家さんが描いてる北九州の漫画シーンになったところを練り歩くような。そういったことを、ちょっとやりたいなと思っています。ロケ地巡りみたいな感じで。

梁:おもしろいですね!

田中:昔、一回やったことがあるんですよ。すっごい人が集まってくれて。門司であったり、八幡であったり、若松であったり、いろんなところでしたいなと思いますね。

甲木:素敵ですね!別の意味の路地裏さんぽというか。

田中:えぇ。あの、一冊だけ「小倉編」の本を作ってるんですよ。ミニマップ、豆本みたいな。それを作って見ながら歩くということをやっているので。いろんな地域でやりたいなと思いますね。

甲木:ぜひ、そういう企画が出来上がった暁には、西日本新聞でも告知させていただきますので!

田中:ぜひ、よろしくお願いします!

〇ゲスト:田中時彦さん(北九州市漫画ミュージアム)

北九州市漫画ミュージアムホームページはこちら→http://www.ktqmm.jp/

〇出演:甲木正子(西日本新聞社北九州本社)、梁京燮(同)

〇ファンファン北九州へのメッセージはこちら→ fanfun.kitakyushu@nishinippon-np.jp

〇Twitter 横山:https://twitter.com/tomonori76 梁:https://twitter.com/kyoshoryo

(西日本新聞社北九州本社)

ファンファン北九州は、毎週木曜10時47分~57分、クロスFMほかPodcastやSpotifyで放送中!

Podcastで【ファンファン北九州 #06】北九州市漫画ミュージアム館長 田中時彦さん<後編>を聞く

関連記事一覧