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大学生が農業で過疎地域を改革? 北九州市立大学「猪倉実習」クラファンに挑戦中【北九州市八幡東区】

(アイキャッチ画像:活動の様子)

北九州市立大学 地域創生学群 猪倉実習の学生たちが、地域の活性化のために農業を中心に活動を行う中で発生した、活動拠点であるサテライトや農機具の老朽化、獣害被害といった多くの課題を解決するためにクラウドファンディングに挑戦中です。

リターン品として、学生たちが実習を通して作り上げた八幡東区猪倉地域の野菜やお酒、猪倉染めのオリジナルグッズ、地元で人気のベーカリー「gomaiwa」とのコラボサンドイッチなど、猪倉の魅力を身近に楽しめる商品が用意されています。

北九州市立大学 地域創生学群 猪倉実習とは

八幡東区高槻・猪倉地域を拠点に農業をツールとした地域活性化を目指した活動を行っている、北九州市立大学 地域創生学群 猪倉実習。2009年に北九州市立大学地域創生学群が創設したのと同時に発足した実習であり、「猪倉農業関連プロジェクト」「芋焼酎プロジェクト」「わいわい市場プロジェクト」などのさまざまなプロジェクトを通し、10年以上地域に入って活動を続けています。また、地域のイベントや行事にも参加し、住民としての役割も担っています。

そんな学生たちの長年の活動により、地域の人々とも信頼関係が築けており、高槻まちづくり協議会には「北九大部会」として1つの部会を設置しているほどです。

猪倉地域が抱える課題

猪倉地域には耕作放棄地があり、そのまま放置してしまうと里山の保全に関わるという課題が一つ、そして猪倉地域(総人口78人)の高齢化率は63%で子ども(0歳〜19歳)がおらず、将来の猪倉地域を担っていく後継者がいないことも課題として挙げられます。

また、坂が多く、バスも数本しかないため、独居高齢者の買い物難民という課題もあるそう。さらに一人暮らしをしている高齢者も多く、孤独や孤立をしてしまう可能性が高いことも課題としてあると言います。

「猪倉農業関連プロジェクト」「芋焼酎プロジェクト」で耕作放棄地問題解決へ

耕作放棄地問題の解決のための「猪倉農業関連プロジェクト」では、耕作放棄地の利活用のために北九州市立大学が9アール分の畑を借りて農作物を育てています。年間の栽培スケジュールや栽培方法なども調べ、猪倉地域でずっと農業をしている地域の人たちにアドバイザーとなってもらい、ノウハウを教えてもらいながら、猪倉実習の学生たちが主となって農業を行っている状況です。

学生たちは猪倉地域にあるサテライトに毎週末に宿泊しながら作業をしているそうですが、宿泊することで猪倉地域の住民としての自覚を持ち、外部者としての視点だけでなく、住民という内部からの視点も持てるようになったとのこと。また、農業だけでなく、町内会議に参加したり、町内の公園清掃にも参加したりしていると言います。

また、「芋焼酎プロジェクト」では、耕作放棄地を利活用し、芋焼酎の原材料となる芋「黄金千貫」を栽培。地域住民と学生が共同でさつまいもの栽培から収穫までを行っています。収穫したさつまいもは洗浄や皮むきなどの作業をすべて手作業で行い、北九州市の地元企業である無法松酒造有限会社で製品化。「芋焼酎 ほたるの里」として販売しています。

「わいわい市場プロジェクト」で独居高齢者を支援

「わいわい市場プロジェクト」では、高槻・猪倉地区を中心に活動している団体「わいわい市場たかつき」と一緒に活動。主な活動は傾斜地に住んでいる買い物難民の人を対象とした『移動販売』とのことですが、庭木の剪定や重たい家具の移動、大規模なゴミ出しなど高齢者の日々のお困りごとを解決する『生活支援事業』にも取り組んでいると言います。

また、「わいわい市場たかつき」の定例会議にも参加し、持続可能な団体運営と組織の見直しなどのマネジメントも実践的に学んでいるそうです。

プロジェクトに取り組む中で生じた課題

これらのプロジェクトに取り組む中で、さまざまな課題が生じ、その解決のために今回クラファンに挑戦しているという北九州市立大学 地域創生学群 猪倉実習。

具体的には、長い間使い続けているため劣化してきた農機具の問題、耕運機や草刈り機など継続的に購入しなければいけない燃料問題、イノシシなどによって多くの作物が食べ荒らされる獣害被害、水はけが悪い環境にある耕作放棄地を利活用している畑の土壌改良、拠点となっている古民家のメンテナンス、独居高齢者の家の位置や買い物難民に陥っている人の数など最新情報の調査といった課題を抱えているとのこと。

これらの課題を解決するために、目標金額を30万円に設定し、12月31日までクラファンに挑戦中です。

その他のプロジェクトやクラファンリターン品など、クラウドファンディングプロジェクト「大学生が農業!?問題山積み!過疎地域を改革し隊!」で詳細を見ることができます。

※2022年11月16日現在の情報です

(北九州ノコト編集部)

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