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モンゴルの子どもたちを支援して17年/NGOしらゆり会ハミングバーズ代表・林沙知枝さん

(アイキャッチ画像:ゲストの林沙知枝さん)

西日本新聞社北九州本社が制作するラジオ番組「ファンファン北九州」。地元新聞社ならではのディープな情報&北九州の魅力を紹介しています。ラジオを聞き逃した人のために、放送された番組の内容を『北九州ノコト』で振り返ります。

17年前に児童保護施設を立ち上げ支援

甲木:おはようございます。西日本新聞社 ナビゲーターの甲木正子です。

井上:同じく、西日本新聞社の井上圭司です。

甲木:井上さん、突然ですけどモンゴルに行ったことはありますか?

井上:ないですね。

甲木:私も行ったことはなくて、イメージとしては力士の方がたくさんいるという感じなんですけど。今日はそのモンゴルに非常に関係のある方です。早速本日のゲストをお呼びしましょう。モンゴルの児童保護施設を支援しているNGO”しらゆり会ハミングバーズ“の林沙知枝さんです。よろしくお願いします。

井上:よろしくお願いします。

林:よろしくお願いします。

甲木:林さんたちの団体のハミングバーズずですけども、モンゴルの子どもたちを支援しているということなんですが、具体的にどんな支援活動をしているのかリスナーの方に説明して頂いてもいいですか?

林:はい。私たちハミングバーズは、モンゴルのマンホールチルドレンといわれている子どもたちがいるんですけれども、その子どもたちを保護し、学校に行かせ、教育するという支援を、17年前に正式に会を立ち上げ行っております。

甲木:なるほど。そのマンホールチルドレンに住む所をお世話しているのが、児童保護施設ということですね。

林:はい。モンゴルの第二の都市と言われている、ダルハン市という所に児童保護施設がございまして、そこで子ども達に生活や教育、いろんなことを行っております。施設の特徴として、最初は子どもたちの情緒を安定させるためということで、民族音楽の音楽学校を併設しております。音楽学校では民族楽器である、馬頭琴(ばとうきん)・ヨーチン、その他モンゴルの伝統舞踊などを教えております。

モンゴルの子どもたちと関わるようになったきっかけ

甲木:なぜ北九州にいる林さんたちが、モンゴルの子どもたちに関わるようになったんでしょうか?

林:2003年に、私の娘たちが明治学園に通っていた時、文化交流で北九州市にこの施設の子どもたちが来るということになりました。明治学園だけでなく市内の公立の学校にホームステイの依頼が来て、その時、たくさんのホームステイの方たちがいらして、みんなで引き受けました。わたくしの家もホームステイの方が来られて、楽しい時間を2週間ぐらい過ごしまして、これがきっかけでこの施設の子どもたちと知り合いました。その後、事情があって、施設ができない状態になったので、何のノウハウもない私たちがこの施設を引き継ぐことになりました。その時にどうしようと思ったんですけど、子どもたちは食べられない状況に陥っていたので、考える暇もなくこの時のホームステイファミリーの皆さんでどうにかできないかということで、みんなで力を合わせ支えると決めました。1年近くは大変でしたが、沖縄から東京まで、知人、友人にお声かけしました。たまたまこの子どもたちがコンサートでいろんなところを回っていたので、この子どもたちを知っていることもあり、事情をお話してとにかく助けましょうということで、始めたのが最初のきっかけです。

17年に渡るお付き合い

甲木:そうだったんですね。それ以来、17年に渡りお金を送り続けているんですよね。

林:そうですね。「どうして17年間も?」と聞かれたら、母性だとかこの子どもたちの力強さと、力強さの中に辛い目にあったからこその優しさを持っているんです。家も親も有りませんが、この子どもたちを見ていると、すごく人としての尊さを感じるんですね。だから逆に教えられることも、この十数年たくさんありましたし、励まされることもありました。私たちのハミングバーズの会員の皆様、そして私たちのメンバーの活動の賜物で、何が残ったかといったら、この子どもたちの成長だったと思います。これから先もどんどん成長を見せてくれるだろうと思ってます。それから子どもたちをこちらとの交流で2年に1度コンサート活動をするということがあるんですけども、触れ合う機会も多いし、モンゴルに訪問することも多いので、気持ちはずっと繋がったままという方たちも多いです。

日本でのチャリティーコンサート

甲木:そのチャリティーコンサートですが、コロナの前は2年に1度モンゴルから子どもたちを招いて、ウェルとばたで公演していらっしゃいましたね。

林:そうなんですよ。その時は10日から2週間の滞在になるんですけれども、小・中・高たくさんの学校の子どもたちと交流させていただいたり、八幡の青少年育成会など、たくさんの学校の生徒さんたちと、将来何になりたいという夢語りをお互いの子どもたちがしていて、すごくいい交流ができているんです。小学生は小学生同士、高校生は高校生同士という感じで、文化の違いから、日本の良いところ、モンゴルの良いところなどを語り合う、というような交流にも力を入れてコンサートをやっておりました。

甲木:私も、チャリティーコンサートは何回か聞かせていただいたことがあるんですけど、すごく上手ですね。

林:そうですね。子どもたちは本当に日本が大好きで、日本のことを夢の国と言うんです。コンサートに来た子どもたちは、日本の状況を小さな子どもたちに話すので、小さな子どもたちは憧れて一生懸命また頑張るんですね。それがすごく良い効果が出たと思います。子どもたちの将来だったり、希望だったり、未来についてすごく効果が出たんじゃないかなと思います。私が一番コンサートを続けようと思ったのが、ある男の子に一番日本で嬉しかったことは?って聞いたら、日本の子どもたちは優しくて、僕たちをマンホールチルドレンじゃなくて、友達として迎えてくれたと言っていました。だからこの活動を続けようと思ったんです。北九州でも十何回コンサートが行われていましたし、全国にもこれをお伝えして、コンサートを開催してくださるようにお願いしています。日本の子どもたちにも、すごく良い影響を与えています。

甲木:そうなんですね。面白いお話を聞かせていただいたんですけど、残念ながら本日はお時間となってしまいました。続きは来週伺いたいと思います。本日はモンゴルのマンホールチルドレンを保護支援する活動をしている、NGO“しらゆり会ハミングバーズ”の林沙知枝さんにお話を伺いました。林さん、どうもありがとうございました。

井上:ありがとうございました。

林: ありがとうございました。

 

〇ゲスト:林沙知枝さん(NGOしらゆり会ハミングバーズ)

〇出演:甲木正子(西日本新聞社北九州本社)、井上圭司(同)

(西日本新聞北九州本社)

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