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【ファンファン北九州#27】「障害者に日本舞踊を教える」聖幻会主宰 英聖幻さん<前編>

西日本新聞社北九州本社が制作するラジオ番組「ファンファン北九州」。地元新聞社ならではのディープな情報&北九州の魅力を紹介しています。ラジオを聞き逃した人のために、放送された番組の内容を『北九州ノコト』で振り返ります。

27年間、障害者に日本舞踊を教える活動を

甲木:おはようございます!西日本新聞社 ナビゲーターの甲木正子です。

横山:西日本新聞社の横山智徳です。

甲木:今回は、日本の伝統的な日本舞踊をされている方をゲストにお招きしています。日本舞踊英流の名取 英聖幻さんこと新冨智子さんです。よろしくお願いします。

聖幻:よろしくお願いします。

甲木:聖幻さんは聖幻会のグループの代表としてなんと27年間、ダウン症や知的障害、発達障害のある人に日本舞踊を教えるという活動を続けていらっしゃるんですよね。

聖幻:はい。

甲木:聖幻会とはどういうグループでしょうか?

聖幻:障害のある子どもから大人まで約11名で構成してまして、小学校6年生から50歳近くの方がいるグループです。

甲木:なるほど。幅広いですね。日本舞踊の他にもダンスとかも教えてらっしゃるんですか?

聖幻:はい。

甲木:活動内容としてはコンテストに出たりとか?

聖幻:はい。老人介護施設に慰問に行ったり、障害者芸術祭の参加や市の障害者イベントに出させていただいたこともあります。

甲木:そういういろんな活動をされているのが聖幻会なんですね。

障害者に踊りを教えるようになったきっかけは?

甲木:そもそも、どういうきっかけで障害のある人に踊りを教えようと思ったんですか?

聖幻:たまたま町内の盆踊りの時に、あるお母さんから声を掛けられて「踊りが上手なのでうちの娘に踊りを教えてくれませんか?」と連れてこられたお子さまが障害をお持ちの方で、「一緒に楽しめそうだからやってみようかな」と思い一人から始めたのがきっかけでした。

甲木:そうなんですね。

聖幻:その声掛けがなかったら全くそういうチャンスもなかったでしょうし、こんなに長くもやってきてなかったかもしれないので、声を掛けてくださったお母さんに感謝をしてます。

可能性は無限大!お母さんは熱狂的な応援団でいて

甲木:でも、障害のある方に踊りを教えるっていろいろ難しいこともあるんじゃないですか?

聖幻:最初は全くジャンプができないとか、ダウン症のお子さんはお医者様から「筋力が弱いから正座は出来ません」など。お母さま方から「あれは出来ません」「これは出来ません」とありましたが、やらせてみるとみんな出来ていくんですね。それがすごく楽しくて、保護者の方も「やったら出来る!」という感じで、どんどんやれることが増えていって今日に至ります。だから、特別に障害のある人向けの指導方法というのは全く私は出来ないので、普通に指導して、今は普通以上のことをさせています。

甲木:普通以上のことってどんなことですか?

聖幻:かなり難しいと言われるようなことにチャレンジさせています。

甲木:踊りの所作?

聖幻:踊りの所作やいろんなことですね。でも、ちゃんと皆さん分かってやろうとします。「する気」になって、それがちょっと「やる気」に繋がって、最終的に「本気」になるところが、見ていて無限の可能性を感じます。それが楽しくて続けていけるのかなと思っています。

甲木:なるほど。

横山:やっぱり出来るようになって?

聖幻:みんななってます。

甲木:保護者の方も自分のお子さんに踊りを習わせるって、一つハードルがあるような気がしますが。

聖幻:最初に連れてこられた時は、ほとんど「うちの子ども大丈夫ですかね?」っておっしゃるんですが、逆に「お母さん大丈夫ですか?」って。やはり子どもを信頼して私に任せてくれないことには、どうしようもできないですからね。あくまでも野球選手の応援団でいてくださいと言っています。

甲木:お母さんは観客席で。

聖幻:あくまでも熱狂的な応援団でいてくださいとお願いしています。グランドに入って一緒にプレーしたり、指図をしたり、監督・コーチである私にいろいろ言わないでください。それができるのであれば、私はお教えすることはできますと。あくまでも我が子に熱狂的な応援団・サポーターでい続けてくださいと言ってます。

横山:親ってそうなんですよね。「預けます」と言っても、ついつい「バットの振り方が悪い」とか言ってしまうんですよね。

聖幻:あとは、徹底的に褒める!「あなたが一番!」って言わないと、私が指導や注意など言えなくなるので。

甲木:なるほど。親御さんが褒める係で、聖幻さんが厳しく指導する。

聖幻:そうです。

甲木:そういう役割分担なんですね。

聖幻:私が注意したら、バーっと出てきて顔をつねったりするお母さんが昔いらっしゃって…。そうなるといよいよ子どもさんって萎縮しちゃうので。それが上手くいっているので楽しく続けていけるんだと思います。

社会参加しながら社会貢献

甲木:学校でもなく授産施設でもなく、別の居場所を聖幻さんが作られているってことですよね。

聖幻:子どもたちにとって大事なところは学校、家庭、地域社会そして組織。生まれたときから社会に参加してるので、学校を出てからいきなり社会参加ではなくて、小さい頃から健常・障害の垣根を越えて、いろんな場所でその子がその子らしく楽しく生きていけるようになるといいなと思っています。

〇ゲスト:英聖幻さん(聖幻会主宰)

〇出演:甲木正子(西日本新聞社北九州本社)、横山智徳(同)

(西日本新聞社北九州本社)

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