令和4年5月13日、道路交通法改正により第二種免許受験資格が緩和されました。これに伴い、19歳からタクシードライバーになれるようになりました。
今回の第二種免許受験資格の緩和について、北九州市に本社を構え、全国34都道府県でタクシー事業を展開している「第一交通産業株式会社」で採用を担当している加來和樹さん（写真下）に話を聞きました。
第二種免許取得費用に加え、『受験資格特例教習』の受講代も会社が全額負担
「これまで第二種免許の取得要件は『21歳以上かつ運転経験3年以上』でしたが、『受験資格特例教習』を受講することで『19歳以上かつ運転経験1年以上』で取得することができるようになりました」と加來さん。
『受験資格特例教習』はそれぞれ年齢が21歳に満たない人の年齢過程と、運転経験が3年以上ない人の経験過程の2種類あると言います。21歳未満で運転経験3年未満の人は、年齢過程・経験過程の両過程を受けることで第二種免許取得要件を満たすことができるそうです。
そうは言っても気になるのは費用面。第一種運転免許から第二種免許、特例教習まで、続けざまだと費用の負担がどうしてもかなり重たいものとなります。
そこで第一交通では若手のドライバー育成を応援すべく、第二種免許取得費用に加え、『受験資格特例教習』の受講代も会社が全額負担しているとのこと。しかも、北九州市内で「第一自動車学園」も運営しているため、自社の教育機関で集中的に学ぶことができるのもタクシードライバーを目指す人たちには喜ばれるポイントだと加來さんは話します。
本人と保護者の不安や疑問について一つずつ丁寧に説明しながら解消
今回の第二種免許受験資格の緩和を受け、大学新卒ドライバー採用に加え、初めて高校新卒ドライバー採用を行うことにした同社。「運転経験の浅いわが子に務まるのだろうか。万が一、事故を起こしたりしたら…」と心配する保護者が多いため、可能な場合は会社として家庭訪問などを行い、本人と保護者の不安や疑問について一つずつ丁寧に説明しながら解消し、納得してもらうための対応をしていると言います。
「お客様の命を預かる仕事なので、タクシードライバーとして独り立ちする前に研修をしっかり行うことをまず説明します。地理が詳しくないから心配だという人には、最新のカーナビを搭載していることやGPS機能でタクシー位置を正確に把握できるので配車センターから誘導できることを説明。事故を起こした場合には？という質問には、事故発生直後は負傷者の救護や警察・必要であれば救急車の手配が必要ですが、その後の事故対応・解決までは会社で行うということを説明。納得してもらえるまで話します」と加來さん。入社後の定着率は高いため、最初の一歩を踏み出してもらうためのハードルを会社側がいかに下げられるかがポイントだと言います。
また、歩合給を選んだ場合は頑張ったら頑張った分だけ収入が増えることに加え、20代・30代で管理職候補生となる場合もあるので本人の頑張り次第ではキャリアアップもしやすい環境とのこと。
勤務時間をライフスタイルに合わせて自由に選べる「夢チャレンジ制度」なども
そのほか「第一交通」では、若者向けに「夢チャレンジ制度」も用意。
「やりたいことが見つからなくてフリーターをしている」「趣味を楽しむ時間がない」「自己啓発や資格勉強の時間がほしい」といった悩み葛藤を抱える若者を対象にした制度で、最低3カ月～最長2年間という保証期間（地区によって異なる）は保障給でタクシードライバーとして働くことができるというものです。
昼勤専門・夜勤専門・隔日勤務など勤務時間をライフスタイルに合わせて自由に選べるため、働きながら自分のやりたいことにも挑戦できます。
「『運転するのが好き』『自身のペースで仕事をやっていきたい』『やりたいことが見つかるまでお金を稼ぎたい』など、この仕事で叶えられる希望があります」という同社では、今回紹介した若者を対象とした採用に加え、女性ドライバーも積極的に採用しています。平成28年に国土交通省創設の女性の雇用に積極的な企業が認定される「女性ドライバー応援企業」の認定を受け、さらに自動車運送事業の職場環境改善に向けたあらゆる基準に合格した企業が受けることができる国土交通省創設の「働きやすい職場認証制度」にも合格しています。
19歳の最年少ドライバーや夢を追いかけている若い世代のドライバーが運転する第一交通のタクシーに乗り合わせた時には、いろいろ話を聞いてみたくなるかもしれませんね。
◆取材協力：「第一交通産業株式会社」（北九州市小倉北区馬借2-6-8）
※2022年10月2日現在の情報です
（北九州ノコト編集部）
