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引き継いで、変えずに変えた、社の経営/不動産中央情報センター 代表取締役社長・濱村美和さん

(アイキャッチ画像:中央がゲストの濱村美和さん)

西日本新聞社北九州本社が制作するラジオ番組「ファンファン北九州」。地元新聞社ならではのディープな情報&北九州の魅力を紹介しています。ラジオを聞き逃した人のために、放送された番組の内容を『北九州ノコト』で振り返ります。

1974年、父親が3人で創業 超体育会系の会社だった

甲木:おはようございます。西日本新聞社 ナビゲーターの甲木正子です。

梁:同じく、西日本新聞社 梁京燮です。

甲木:梁さんは、ご自宅から北九州に通勤していますけど、うちの記者とか私たちとかって転勤族で北九州に引っ越してきているじゃないですか。

梁:そうですね。

甲木:引っ越してくる時にいつもお世話になっている会社の社長さんが、今日のゲストなんです。

梁:いつも、超お世話になっているじゃないですか。

甲木:そうなんですよ。人事異動のたびに何人もの人がやってくるでしょ。

梁:ほんとですね。

甲木:ということで、さっそく今日のゲストをお呼びします。不動産中央情報センター 社長、濱村美和さんです。よろしくお願いします。

梁:よろしくお願いします。

濱村:よろしくお願いします。ありがとうございます。こちらこそいつもお世話になっています。

甲木:私の今住んでいるお家も、濱村さんの会社で探していただいたんですよ。不動産中央情報センターという名前と、今の説明でお分かりかりと思いますけど、不動産会社さんです。まずは濱村さんの本業からお伺いしたいんですけれども、どんな会社でいらっしゃいますか?

濱村:不動産中央情報センターという長い名前の会社で、時々第3セクターと間違えられるんですけど、実は1974年に創業しておりまして、今年7月で創業50年目を迎えます。

甲木・梁:おめでとうございます。

濱村:ありがとうございます。本業は事業の柱がいくつかあるんですけれども、一番は社名にもありますように、賃貸管理を中心とした不動産全般の仕事と、2つ目の事業の柱がシニアライフ事業部ということで、小倉南区星和台にある住宅型有料老人ホーム「ゆうゆう壱番館」の管理運営を中心としたシニア向けの事業をしています。3つ目の事業の柱は、ネットワークビジネス事業。全国の不動産会社様を対象に、賃貸管理実務研修事業や浄水器フランチャイズを展開しています。

甲木:濱村さんの会社では、随分前から女性社員をたくさん採用するようにしていらっしゃるそうですね。

濱村:もともと父が立ち上げた会社で、父は旧若松市役所に勤めていまして、いきなり脱サラをして、3カ所ほど会社を経験した後に、社長とパートさん2名の計3名でスタートしたのが最初なんですが、父がやっていた時代は非常に超体育会系の会社でして、女性も営業現場には結構居ましたが、結婚したらとてもじゃないけど続けられないと言って、大半の女性が辞めていきました。だから、割合的には男性が多い状況でしたね。

阪神淡路大震災で人生観が変わり、開発途上国のボランティアへ

甲木:会社を継がれた時に、不動産業界の経験って何年ぐらいありましたか?

濱村:全くなくて、業界の中でも特殊な経歴だと思うんですけれども、4人兄弟の2番目で結構好きなことをさせてもらっていました。学生の時に阪神淡路大震災が起きまして、私は神戸にいたわけではなかったんですけど、ボランティアで何週間か入らせて頂きました。そこで非常に人生観が変わって、それをきっかけに開発途上国の女性と子どもの問題を勉強し始めて、できればNGO活動的なものをしたいと思い、大学卒業した後はタイに行きまして、個人ボランティアをされているところを、転々とさせて頂いたんですけど、学生の経験しかない私が、いくらそういうところに行っても、全く役に立たないということで、日本に戻ってちゃんと就職をしようと思って戻ってきました。その時に父から人が足りないから、3カ月のアルバイトで会社で働いてくれないかと言われたのがきっかけです。

企業には変えてはいけないものと、変えねばならないものがある

甲木:お父様が創業者でいらっしゃるから、いろんな経営方針があったと思うんですけど、濱村さんが継がれて、お父様のやり方を踏襲した部分とここは変えてみたっていう部分、それぞれどんなところがありますか?

濱村:そうですね。企業には、変えてはいけないものと、変えねばならないもの2つがあり、変えてはならないものは、企業のDNAとも言われる理念であったり、哲学とか思想とか、創業の時の思いなどを大事にしつつ、変えなければいけないものは、時流に応じてサービスの内容、提供方法は柔軟に変えていいと思っています。私は全く引き継ぎを受けてなくて後を継ぐ時に、就任の1年前から、いろんな業種の2代目を継がれた方に、「私は1年後に社長になるので、私に何かアドバイスをください」と聞いて回ったんですけど、皆さんが同じことをおっしゃっていたのが、「自分らしくやりなさい」と言うことでした。「お父さんとあなたは違うし、性別も年齢も違う。思いは大事にしないといけないけど、プレッシャーやいろんなことにとらわれずに自分らしくやったらいいよ」と言ってくれたのは私の中で一番大きな原動力になってまして、父が生きてたらどう判断したかなと迷うことはありますが、大事なことや想いさえきちん繋げていけばいいのではないかと思ってます。

人事評価や制度、従業員の働く環境や、いろんなことを見える化したり、トップダウンではなくプロジェクト形式でさまざまな活動を推進したり、社員の面談制度を導入したり、お客様に対しては、AIやネットの時代にも変わってきてますので、柔軟にコミュニケーションやアプローチ方法を変えています。また毎年、経営方針書というのを作ってまして、会社の理念や仕事をする上で、みんなに大事にしてほしい事などが書いておりまして、それを毎朝、朝礼の時にみんなで唱和をしながらベクトル合わせていくことで、創業者の想いを継承していけてるかなと考えています。

低かった女性従業員の定着率を向上させた

甲木:女性従業員が働きやすいような環境を作ってるというところは、柔軟に変えてきた方に入るんですね。

濱村:創業社長が亡くなった時の、経営課題の一つが従業員の定着率が非常に悪いことでした。それをまずなんとかしたいということで、超体育会系の時代に入った私としては、本当に会社としてもったいないなと思ったのが、毎月と言っていいほど、結婚とか出産を理由に、優秀でコミュニケーション能力の高い女性の先輩や、同期や後輩が辞めていったんですよ。それを克服したいということで、女性従業員の定着率向上というプロジェクトを立ち上げたりとか、制度と風土の両方を作ろうということで改革を進めてきたというのはありますね。

梁:会社の風土を変えるってすごくないですか?

濱村:そうですね。社長だけでは作れないし、今、会社に居る人たちと何か変えて、すぐ結果が出るかというと、そういうことでもないので、丹念に畑を耕していくそんな感じですね。

梁:すごくいい話聞きました。ありがとうございます。

甲木:まだまだお伺いしたい話がたくさんあるので、来週また続きを聞きたいと思います。本日は不動産中央情報センター社長 濱村美和さんをお招きしてお話を伺いました。

甲木:濱村さん、どうもありがとうございました。

梁:ありがとうございました。

濱村:ありがとうございました。

 

〇ゲスト:濱村美和さん(不動産中央情報センター 代表取締役社長 )

〇出演:甲木正子(西日本新聞社北九州本社)、梁京燮(同)

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