あの高見神社のスマートアバターを作った凄い会社です。 有限会社BOND 代表取締役 古川ひろ美さん
西日本新聞社北九州本社が制作するラジオ番組「ファンファン北九州」。地元新聞社ならではのディープな情報&北九州の魅力を紹介しています。ラジオを聞き逃した人のために、放送された番組の内容を『北九州ノコト』で振り返ります。今回のゲストは、高見神社のスマートアバター®を作った会社、有限会社BONDの代表取締役・古川ひろ美さんです。
“BOND”の仕事を支えてくれた母
甲木:おはようございます。西日本新聞社 ナビゲーターの甲木正子です。
野口:同じく、西日本新聞社 野口喜久子です。
甲木:野口さん、先週は古川社長にすごく面白い話を伺いましたね。
野口:動画生成AIという言葉が世の中に広がる前から、古川社長は、そのずっと前から考えられ実働に繋がったっていうこと、凄いことだと思います。
甲木:2010年からこんな事を考えて、実現した人が居たということですね。いうことで、今週は先週に引き続き、小倉北区でスマートアバター®の開発をしている有限会社BONDの社長、古川ひろみさんをお迎えしてお話を伺います。古川さん、今日もよろしくお願いします。
野口:よろしくお願いします。
古川:よろしくお願いします。
甲木:先週は、古川さんがお父様の印刷会社を第二創業ベンチャー、跡継ぎベンチャーという形で継承して、2006年に“BOND”という会社を設立したこと、いろんなご苦労を経験しながら、まだ世の中に生成AIという言葉がなかった頃から、スマートアバター®の開発に取り組まれて今に至ったお話とか、北九州市の新商品創出事業に選定されたり、高見神社の神社を紹介するスマートアバターのお話など伺いました。今日は、古川さんがお父様の会社を継いで社長として奮闘していらした時、ずっとそれを支えてくださったお母様のお話を聞かせて頂きたいと思っています。この放送は収録なので、収録してる今日がお母様の月命日ということです。古川さんからは、母からそういう力をもらったのかもしれないとおっしゃって、今日、出演して頂いております。お母様はどういう方だったのでしょうか?
古川:今日の収録を頂いて、何か意味があるんだろうと、改めて気持ちを引き締めているところです。母は昭和4年生まれで5人姉妹の三女で生まれました。女性姉妹ばかりでしたので、そういう意味では国に貢献してないということで、自ら志願して陸軍看護学生として、戦場で兵隊さんたちの世話をしたんです。厳しい母の人生を振り返ったときに、若いときは国に尽くし、それから戦後18歳で父の元に嫁いで、そして父の事業を手伝いましたので夫に尽くし、父が他界した後も両親が立ち上げたこの事業に大変執着しておりましたので、じゃあ私がやってみようということで、印刷はダメだと、第二創業でやろうということに対して、今度は娘に尽くしました。常に自分に厳しいずっと人に尽くした人生だったかなと思います。
甲木:やはり古川さんの、BONDのお仕事をずっと支えて手伝ってくださったのは、亡き夫が創業した会社だから大事に守りたという気持ちもあり、娘を応援したいという気持ちもあったんですね。
古川:そうですね。ですから、印刷業として継承したときは、印刷とかホームページとかWebシステム程度で営業をし、それなりに売り上げに貢献できるわけです。しかし、その先はあまり見込めないだろうと言うようなことで、「これやろうと思うんだけど、どう思う」って聞いたら、あなたの好きなようにやりなさいと、あなたがやろうとしていることはすごくキラキラ輝く宝の山が見えるけど、今あなたがやろうとしていることは薄い氷の上を歩いて行ってるわけだから、大変なことだよね。ということを言っていました。後から聞くと、10年は形にならないものと言うことを、母は経験上、覚悟して応援してくれたと思います。
甲木:そうなんですね。それはお父様がオフセットとか、多色刷りとか、いろんなことにチャレンジするのを見てきてたから、そんなすぐ物になるはずないということですね。
古川:そうです。一方で振り返ると人に尽くしつつも、社交ダンスとか歌とか俳句とか、多趣味で社交的で、すごく前向きに努力して、いろんなことにチャレンジしていたと母のことを思いました。
甲木:お写真も拝見させて頂きましたけど、本当にエレガントで素敵なお母様で、きっとご活躍を喜んでおられると思います。
人脈が広がって行く、“BOND会”
甲木:ところで古川さん個人のことになりますけれども、すごくお顔が広くていらして、私もある異業種交流会でご一緒させて頂いてますけど、人気がありまして、皆さんが「古川さん来た!」っていう感じなんです。町でも有名人で、それは第二創業ベンチャーとして企業を起こして人脈をどんどん作らないと、という感じで努力して広げている人脈なんですか?
古川:全然そういうことではなくて、子どもの頃から成長してないだけだと思うんです。父も男尊女卑でしたし、どこか就職したわけではないから、そういう意味ではもう成長が止まっていると思うんです(笑)。地元では、甲木さんもご参加頂いたように、BOND会で盛り上がってるんですが、単に社名を気に入ってくださっている方があてがっているだけで、BONDのBOND会というわけではないんです。二次会に行くときに、乗り合わせたタクシーの中で4名の仲間が、「こういう会、いいよね。続けようよね」ということで、輪が広がったということです。後はチャレンジした先で、いろんなネットワークができることで、県外でもネットワークができたら、BOND会に来ませんか?と言うようなことで、東京からも来ていただいています。食べて歌うだけのネットワークなんですけど、それがいいかなって思うんです。
甲木:そうなんですよね。どんどん人数が増えて、何ヶ月も行かなかったら、知らない人が居たりします。
古川:女性が少ないので、またぜひ来てください。
甲木:私もなかなか日程が合わず最近行けてないんですけど、またお邪魔したいと思います。
古川:野口さんもご一緒に。
野口:ありがとうございます。楽しみにしています。
若い人にバトンを
甲木:これからまた目指したいこと、チャレンジしたいことはありますか?
古川:この話に続くんですけど、若い人にバトン渡すことです。もっと私と一緒に妄想してくれる若い人募集みたいな。
甲木:いいですね。次世代育成ですね。
古川:私だったらこのプログラムを手にしたら、こんなことやれるかもとか、こんなビジネスモデル作れるかもとか、遠隔操作案内にしても番組生成ツールにしても、何か若い人と一緒にわくわくすることができたら楽しいんじゃないかと思ってます。
甲木:なるほど。先週、今週の2回に渡り、小倉北区でスマートアバター®、そして生成AIの動画作成などをなさっている、有限会社BOND社長、古川ひろ美さんにお話を伺いました。古川さん、どうもありがとうございました。
野口:ありがとうございました。
古川:ありがとうございました。
〇ゲスト:古川ひろ美さん(有限会社BOND 代表取締役 古川ひろ美さん)
〇出演:甲木正子、野口喜久子(西日本新聞社北九州本社)