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演劇の可能性はすごい!/舞台俳優・演出家 有門正太郎さん

(アイキャッチ画像:ゲストの有門正太郎さん)

俳優としての有門さん

甲木:俳優になるきっかけをお聞きしたいのですが。

有門:僕が保育園に行ってる時に、お遊戯会でおむすびころりんのおじいさん役をしました。それを僕の祖父母が見に来てくれて、すごく喜んでくれたんですよ。そこが原風景みたいな感じで、今もはっきり覚えています。こういうのをやったらすごく喜んでくれるんだって思ったのが、多分きっかけだと思います。

甲木:そうだったんですね。保育園まで遡るんですね。

有門:そうなんですよ。だからまたいつかやりたいってずっと思ってたんですよね。小学校もお遊戯会でお芝居やってましたし、中学、高校と大学とずっとお芝居をやりたいと思いながらも、思春期で恥ずかしいとか機会に恵まれないとかで、東京に行くしかないなと思ってたら、たまたま劇団があることを知ったのが、ずっと所属していた、 「飛ぶ劇場」という劇団なんです。

甲木:北九州市の「飛ぶ劇場」ですね。有門さんは「富良野塾」にもいらしたそうですね。

有門:そうです。飛ぶ劇場に1年いて、1年経ったら後輩は入って来るわけです。その後輩たちに稽古場の予約の仕方しか教えてない自分が、「これはいかん、ちゃんと勉強したい」と思っていたときに、たまたま富良野塾が公演に来ていたんです。その公演を見て、「なんで僕は向こうにいないんだ。何で客席にいるんだ」っていうのが悔しくて受験したんですね。

甲木:そうなんですね。それで合格して。北海道に行かれたんですね。

有門:ライターと俳優の養成をする2年生の自給自足の塾です。家を建て、牧場でも働き、農家も行きました。そんな感じです。冬場はお仕事ができないので、どちらかというとお芝居三昧で、全国ツアーに行ったりとか、もうひたすら雪かきかお芝居かという感じです。夏場はできるだけ1年間のお金を稼ぐために仕事です。もちろんレッスンもありますが、基本は仕事です。よく俳優である前に人間であれって言われていました。とりあえず人間生活をいろいろ体験することが一番の俳優の修行なので、「一つ一つ真剣にやりなさい」って言われていましたね。

甲木:それは、演技に出るということですか?

有門:積み重なる人間の垢みたいなものが出るんでしょうね。

甲木:それが、倉本先生(富良野塾 開設者)の教えなんですね。

梁:大変ですね。

有門:そうですね。二度とこのような経験はしたくないけど、あの経験があったから今があると思います。

甲木:なるほど。そうなんですね。そして富良野塾を2年終えて、飛ぶ劇場に帰ってきたということですね。

有門:元々、帰るつもりで富良野塾に入りました。劇団を大きくしたくて、丁度その頃、北九州芸術劇場もできることが決まり、また劇団としても、毎年東京公演もやってました。で、そういう意味で、なんか僕の中で帰るっていう前提だったんですけど、人間って不思議ですね。2年するとやっぱ東京に行きたくなるわけですよ。その時に先輩に相談して言われた言葉がすごく印象的で、「なかなか人から必要とされることってないから、一回帰って一歩踏み出してみたら。それでも東京に行きたいと思ったらそれからでも遅くないんじゃない」って言われて、今に至ってます。

甲木:良い助言を頂きましたね。

有門:ほんとに、ありがたい先輩に恵まれています。

甲木:今、エールの若者ワークショップで一緒に活動されていらっしゃる俳優の門司さんも飛ぶ劇場の仲間ですよね。

有門:そうです。僕の妻です。

甲木:えっー!そうだったんですね。

有門:はい。劇団で知り合って結婚して、今、中学校2年生の息子がいます。

甲木:お二人を見ていて、良い仲間だなーと思ってたんです。

有門:それは多分、夫婦の息が出ているのかもしれないですね。(笑)

梁: あうんの呼吸ですね。

コロナ禍での気付き

甲木:ところで、コロナでご夫婦となるとリスクも一緒だと思いますが、俳優とか舞台関係者の証明とかの人も含めて、もう皆さん大変だったのではないでしょうか?

有門:そうですね。公演も中止になったりしましたので。

甲木:その時、自分の演劇ができないっていう辛さと、生活者としてご飯を食べて行かなければという両方の辛さがあったと思うんですけど、どうやって乗り越えられたんですか?

有門:そうですね。コロナになって演劇人同士、稽古場でも会わなくなったので若い子から先輩までまで声かけて、枝光にあるアイアンシアターを借りて集まり、ちょっとした座談会開いたんですよ。何が苦しい?とか、僕らの仕事ってなんなんだろう?みたいなことをシェアするだけで、だいぶ楽になったとみんな言いますね。良い意味で見つめ直す機会になりました。その中でも一番気付けたのは物を創ることを辞めなさいとは言われてないな、物は創り続けていいんだ。そこが自分の中で演劇をやっていて良かったと思い、これは僕の中で結構精神安定剤になりました。

甲木:なるほど、いろんな気付きがあったんですね。

チャレンジしたい事

甲木:これからチャレンジしたいことはありますか?

有門:今後は、一人芝居をやろうと思っていまして、俳優業だけで贅沢させてもらおうと思っています。

甲木:それこそ倉本先生が言っておられたように自分の体一つですね。自分でしか表現することができないからですね。すごく自分を追い込みますね。

有門:やはり俳優業が好きなんでしょうね。

甲木:楽しみにしています。その時は是非、西日本新聞にお知らせください。本日は、北九州を拠点に活動する俳優・演出家の有門正太郎さんに、お話を伺いました。どうもありがとうございました。

梁:ありがとうございました。

有門:ありがとうございました。

 

〇ゲスト:有門正太郎さん(俳優・演出家)

〇出演:甲木正子(西日本新聞社北九州本社)、梁京燮(同)

(西日本新聞北九州本社)

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