
【特集】芸術文化が“日常にある”まち北九州市! 〈北九州市芸術文化振興財団〉の取り組みとは?PR
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北九州市では、演劇や音楽、歴史文化に触れる機会が特別ではなく日常の中にあります。
今年4月に設立50年を迎えた「公益財団法人北九州市芸術文化振興財団」(以下、財団)は、北九州市で劇場や音楽ホール、練習場の運営や、文化財調査などを通じて芸術文化を支えています。

今回は、北九州芸術劇場と響ホール、埋蔵文化財調査室の取り組みについて、関係者に話を聞きました。北九州市の芸術文化が日常に広がる様子を紹介します。
50年続く財団が「人」「まち」「芸術文化」をつなぐ
財団の歴史は、昭和51年に設立された「北九州市教育文化事業団」から始まりました。
当初はスポーツ・文化施設を市民が安全に使用するための管理運営が主な役割でしたが、時代とともに自主事業にも力を入れるようになり、現在では「芸術文化を届け、育てる存在」として活動しています。
財団の理念と使命とは?
財団の理事長・久保山雅彦さんは、これまでも“アートがそばにある暮らし”という思いで活動してきたことに触れた上で、「さらに多くの人に演劇や音楽などの芸術文化の楽しさや喜びを感じてほしいという思いもあり、今回あらためて職員みんなで議論しながら理念を言葉として整理しました」と話します。
新たな理念については、「芸術文化が<暮らしの中で人を支え、人と人、まちと未来をつないでいく存在でありたい>という思いが込められています」と明かしてくれました。

そして、財団の役割は、単に公演などを実施する興行者というよりは、「鑑賞機会の整備」「実演芸術の提供」「文化財の保護」を通じて、芸術文化の力でまちの魅力や可能性を育み、広げていくことだといいます。
誰もが芸術文化に触れられる環境と創作活動
財団では、誰もが芸術文化に親しみ、楽しむことができる環境づくりや創作活動に取り組んでいます。
主な取り組みとして、普段芸術文化に触れる機会の少ない人に向けて、学校や福祉施設へ劇場やホールが赴くアウトリーチ活動を積極的に展開しています。
さらに、北九州市に暮らす人々やまちの記憶を演劇作品として残す創作活動「Re:北九州の記憶」では、市民へのインタビューをもとにオリジナル舞台を制作。地域の記憶を“生きた物語”として伝えています。
久保山さんは「人が100人いれば、100通りのストーリーがあります。それをまちに置き換えてみると、まちのストーリーという形になっていくんですよ」と話します。
北九州市芸術文化振興財団の理事長・久保山雅彦さん北九州市の芸術文化をさらに広げる
令和8年度は、全国的にも注目される大型公演や地域ゆかりの作品、国際音楽祭、アウトリーチ事業などをさらに充実させるほか、芸術文化の仕組みも広げていきます。
埋蔵文化財調査も市内の発掘を行いながら、3カ所の報告書を発行する予定です。
「北九州市は、実は昔から芸術文化が根付いているまちだと思っている」という久保山さんは、「習い事や地域活動を含め、皆さんはすでに日常の中で芸術文化に触れています。その土壌を大切にしながら、音楽や演劇がより身近に感じられ、まちの中に自然に息づくような地域になってほしいです」と呼びかけました。
「まち」へ広がる<北九州芸術劇場>
北九州芸術劇場では、「観る・創る・育つ・支える」という4つのコンセプトを軸に、自主事業を展開しています。
J:COM北九州芸術劇場 大ホール23年の積み重ねが生む循環
プロデューサー・龍さんは「4つのコンセプト<観る・創る・育つ・支える>が循環するようなラインアップ構成を意識しています」と話します。
その上で、それぞれのコンセプトに込める思いや取り上げる作品の内容、ワークショップの実施方法などについて一つ一つ丁寧に検討。特に、<どのような場所>で<どのような人たち>に、舞台芸術の面白さや魅力を届けられるかを大切にしながら、スタッフとともに内容を組み立てているそうです。
(左から)北九州芸術劇場のプロデューサー・龍さん、劇場事業課長・川尻さん劇場は今年で開館から23年。長年築いてきたアーティストや地域との関係が、新たな作品づくりや地域活動にもつながっています。
多彩な公演と連携企画で広がる観劇の入口
令和8年度は、NODA・MAP 第28回公演「華氏マイナス320°」や「リア王―King Lear―」 といった大型公演も開催。

さらに、ファミリー向け作品「みえるとか みえないとか」、北九州市ゆかりの劇作家の作品として市原佐都子さんの「キティ」や松居大悟さん主宰の劇団「ゴジケン」、地元北九州市を拠点に長く活動を続けている劇団「飛ぶ劇場」などもラインアップしています。
演劇初心者でも劇場へ足を運びやすい構成を意識しているそうです。

また、今年注目されるのが、響ホールとの連携企画「ラヴェル最期の日々」。
劇場事業課長・川尻さんは、演劇・音楽・ダンスを融合させた作品を響ホールで上演する新たな試みだとした上で、「お客様にも楽しんでいただけるのではないかなと思います。また、職員同士の交流やスキルアップにもつながる取り組みにしたいです」と期待を寄せます。
劇場の外へ広がる“まちとの新しいつながり”
現在、“劇場の外へ出る”活動にも力を入れています。
人やまちの”記憶”を演劇作品として継承していく「Re:北九州の記憶」では、地域の劇作家が市内7区の”まちの記憶”の物語を創作する取り組みを実施中。
また、新たに演劇・ダンスを軸にした市民参加による「まち企画プレ事業」がスタートします。
7つのまちの物語~Re:北九州の記憶~門司編「カラオケ喫茶 キミ」さらに、障害のある人も参加しやすい環境づくりに取り組む「インクルーシブな劇場推進プロジェクト」、図書館や市民センターなどの公共施設と連携した「ひとまち+アーツ協働事業」など、様々な芸術体験ワークショップの実施を通して、開かれた劇場を目指しています。
「ひとまち+アーツ協働事業」市民センター龍さんは「コロナ禍を経て、改めて地域とのつながりを強く意識するようになりました。今は、ふたたび劇場から外に出て行きたいと考えています。30年後、40年後も、このまちに必要とされる劇場でありたいです」と思いを語りました。
「ひとまち+アーツ協働事業」八幡図書館施設の稼働率や広がりの発信
劇場のコンセプト<支える>には、市民の活動をサポートする貸館事業が位置づけられます。北九州芸術劇場の年間稼働率のうち、約70%は貸館事業による利用。
今年度はこうした施設の稼働率や事業実績などをYouTube「北九州芸術劇場データベース2025」で公開する試みを始めました。
視覚的な楽しさとともに分かりやすく伝えることを目指し、インフォグラフィックスなども活用しています。
詳しくは、「北九州芸術劇場」のサイトから見ることができます。
クラシック音楽を日常でも<響ホール>
「日頃からクラシック音楽に親しんでいただきたい」────そう取り組んでいるのが、響ホールの音楽事業課です。
北九州市立響ホール音楽事業係・岡さんと吉田さんは、市民の音楽との“出会い”から“感動”までつなぐことを大切にしていると話します。
(左から)岡さん、吉田さん日常の中で音楽と出会う<訪問コンサート>
その入り口となるのが、学校や幼稚園、福祉施設へ演奏家が出向く「訪問コンサート」です。
岡さんは「普段の生活空間に音楽を届けることを大事にしています。特別な場所へ行くのではなく、いつもの場所で音楽と出会う。それが最初の一歩だと思います」と話します。
2025北九州国際音楽祭 教育プログラム 幼稚園の鑑賞教室訪問コンサートをきっかけに、子どもたちが演奏家のファンになり、家族と一緒に公演へ足を運ぶような自然な流れが育まれているそうです。
だれもが安心して音楽を楽しめる<インクルーシブコンサート>
現在は、誰もが楽しめるホールづくりにも力を入れています。
特別支援学校と連携したインクルーシブコンサートでは、スタッフ研修や事前見学、動線確認を重ね、オムツ交換室やカームダウン室も設置。学校ごとに観覧方法も調整しました。
響ホール初のインクルーシブ事業「おとみっくと音の旅コンサート」各特別支援学校からの来場には、リフト付き大型バス(福祉車両)が欠かせないことや、乗降に十分な時間が必要なことなどから、先生と相談しながら、安全に響ホールへ来てもらえるよう綿密な運行計画の準備を進めました。
吉田さんは、「先生方と相談し計画を立てましたが、その先には保護者の方やバスの運転手さんなど、もっと多くの方が協力してくださり、このコンサートが成立していることを目の当たりにしました。この経験を活かして、次回は、もっとスムーズに皆さんをお迎えできると思います。」と語り、すでに次の一歩へ向けて前向きな気持ちを覗かせていました。
だれもが音楽を身近にするステップ
ホールを身近に感じてもらうために、未就学児も参加できる無料コンサート「まるっとEnjoy!響ホールで夏休み」や平日の昼に1000円で気軽に楽しめる60分の初心者向けトーク付き公演「響ホールへようこそ!」を開催。
2025北九州国際音楽祭 特別プログラム まるっとEnjoy!響ホールで夏休み〈おんがくは まほう〉さらに、北九州市内在住の小・中・高校生とその保護者を主催公演に招待する「hibikiこども未来シート」など、段階的に音楽へ親しめる仕組みも充実しています。
広がる音楽の世界「北九州国際音楽祭」
北九州国際音楽祭は、北九州市の秋を彩る文化イベントとして毎年開催され、令和8年度で39回目を迎えます。
世界で活躍するアーティストによる公演に加え、 音楽文化の担い手を育成するためのアウトリーチ事業、音楽文化に馴染みのなかった人にも親しむきっかけをつくる事前講座などを通して、音楽との出会いからホール公演へとつながる一連の流れを生み出しています。

岡さんは「クラシック音楽は<敷居が高い><退屈そう>と感じられることも多いですが、実際に聴いてみると、生演奏ならではの響きや臨場感に触れることで、大きな感動が得られます。こんなに良いホールが身近にあったんだと驚かれる方も少なくありません」と話し、「まずは一度、気軽に足を運んでほしいです」と呼びかけました。
詳しくは「響ホール」のサイトから見ることができます。
市民の芸術文化活動を支える「大手町練習場」
「大手町練習場」は、個人・団体を問わず音楽・演劇・ダンスなどの練習ができる市民向け文化施設です。
ピアノ付きの練習室やダンス向けの鏡付き練習室などを備え、吹奏楽、合唱、演劇、バレエ、フラダンス、社交ダンスなど、幅広い市民活動に利用されています。

プロだけではなく、芸術文化を“続ける場所”として、多くの市民に親しまれています。
詳しくは「(公財)北九州市芸術文化振興財団」の大手町練習場ページから見ることができます。
発掘調査から見える北九州市の歴史<埋蔵文化財調査室>
北九州市内で行われる発掘調査や埋蔵文化財の保存、普及活動を担っているのが、埋蔵文化財調査室です。
ここでは、遺跡の包蔵地で公共工事や宅地開発などが行われる際に発掘調査を実施し、出土品の整理・保存・報告書作成を行っています。
現在は市内各地の発掘調査を行いながら整理作業が進められているそうです。
江戸時代の小倉城下町の発掘風景発掘では、土器や石器などの遺物のほか、様々な時代の遺構が見つかっています。

発掘調査で出土した遺物はきれいに洗浄され、整理、報告書を作成します。埋蔵文化財センターではこれらの遺物を見ることができます。
体験を通じて広がる学びの機会
市民向け講座や子ども向け考古学講座、発掘調査の成果を広く市民に知らせる速報展など、普及活動にも力を入れています。

子ども講座は毎年すぐ定員に達する人気ぶりで、本物の土器にふれながら専門の学芸員が当時のくらしを解説してくれます。

さらに、発掘現場を公開する「現地説明会」も実施。門司港や長崎街道の調査では、多くの市民が訪れました。
各イベント開催などの情報は埋蔵文化財調査室のサイトから見ることができます。
市民に開かれた新たな拠点へ
現在の小倉北区の埋蔵文化財センターは、旧八幡市民会館を改修した新センターへ移転予定。”見せる収蔵庫”など新たな展示施設になる見込みです。
芸術文化を支える“仕組み”づくり
芸術文化を継承していくためには、これを“支える仕組み”も欠かせません。
財団では、「寄付制度」「TRY ARTs」「かるぽー」などの取り組みを通じて芸術文化活動を支えています。
芸術文化を支える<寄付制度>
令和7年6月に始まった寄付制度は、市民や企業が芸術文化活動を支援できる仕組みです。芸術文化を応援したいという気持ちをかたちにする仕組みとして始まりました。
遺贈や相続財産の寄付に関する相談も受け付けています。
北九州市文化芸術次世代育成事業<TRY ARTs>
地域の芸術文化活動を応援する助成制度である北九州市文化芸術次世代育成事業「TRY ARTs」は、令和8年度からは新たな挑戦などを支援するため、助成上限額も100万円へ拡大しました。
令和7年度採択事業例 鍬塚聡子「色音で遊ぼう」「これまで実現できなかった新しい挑戦を後押ししたい」という思いから、地域連携や新しい表現への挑戦も評価対象にしています。
令和7年度採択事業例 劇団集合チキューン「冷凍庫」芸術文化情報へのアクセスを広げる取り組み <かるぽー>
北九州市芸術文化情報サイト「かるぽー」は、北九州市の芸術文化の情報をまとめたポータルサイトです。

公立施設だけでなく民間のイベント情報も掲載ができ、「かるぽー」を通して市民が芸術文化情報へアクセスしやすい環境づくりも進めています。
芸術文化がつなぐ「人・まち・未来」
北九州市芸術文化振興財団の取り組みは、単に公演や展示を行うだけではありません。
“芸術文化を通して人と人をつなぐこと”、そして“市民の日常のなかで芸術文化がより身近に感じられること”を目指しています。
芸術文化は、特別な誰かのものではなく、暮らしのそばにあるもの────。
北九州市には、すでにたくさんの芸術文化活動が息づいています。これからもその“輪”がさらに広がっていくでしょう。
詳しくは、(公財)北九州市芸術文化振興財団のサイトから見ることができます。
(提供:公益財団法人 北九州市芸術文化振興財団)
